情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

死刑で犯罪を抑止できると考えるのは、少なくとも今の日本ではナンセンス

2008-07-25 01:45:49 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 一部では、「死に神」発言を巡ってまだ盛り上がっているようだが、そもそも、死刑存置を前提とした議論しかできないのは本当に残念だ。いまの日本で死刑に犯罪抑止効果があるかどうかは、いまの日本で死刑が犯罪の抑止にならない人が何人くらいいるかを考えれば、すぐ分かることだ。いまの日本で死刑が犯罪の抑止にならない人は、年間3万人いる。この数字は…。

 そう、自殺する人の数だ。当たり前のことだが、自殺をする人にとっては、死刑は犯罪を抑止する効果をまったく有していない。その数は、一日にして約80人。

 この数を多いとみるか少ないとみるかは様々だろうが、少なくとも連続殺人事件の事件数よりははるかに多い。

 もちろん、自殺をする人が犯罪予備軍だというつもりはない。しかし、彼らは、少なくとも、命を奪うという意味では殺人と同様の行為を行っているわけだ。

 極論を言っているのは承知の上だが、死刑を存置することを是とすることを前提とした「死に神」発言批判をすることにあたって、このような日本の状況に目をつむってはならないはずだ。

 犯罪者を憎むならば、自殺に追い込む社会のありようも同様に憎むべきではないだろうか。犯罪者の個人的責任クローズアップすることは、自殺する人についても自己責任だと切り捨てることにつながるような気がする。

 

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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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