情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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NHK番組改編事件についてBPO・放送倫理検証委員会が審議開始!

2009-01-11 23:59:52 | メディア(知るための手段のあり方)
 東京高裁のすばらしい判決が最高裁によって覆されたNHK番組改編事件について、「放送倫理・番組向上機構」(BPO)に設置された「放送倫理検証委員会」が9日、改編の過程に放送倫理上の問題があった可能性があるとして、審議入りを決めた。

 若い人の中には、もうこの問題をリアルタイムでは知らない人がいるかもしれない。

 従軍慰安婦に与えた損害の責任を問う民衆法廷「女性国際戦犯法廷」(バウネットという市民団体などが主催)をNHKがETV特集で取り上げようとしたが、安倍晋三、中川昭一両議員が上層部に圧力を加え、番組内容を改変させた事件だ。

 こういうドキュメンタリーは、ニュースと違って、ぎりぎりまで編集するということはあり得ない。それにもかかわらず、NHKは、問題の番組について、完パケになっているにもかかわらず、放送当日まで、はさみを入れ続け、予定の尺を3分も削ってまで改変をし続けたのだった。

 本来だと、番組を変更させられたNHKのスタッフが訴訟をしてもいいくらいだが、主催者側が慰藉料を求めて提訴、一審では、主催者側の期待が侵害されたとして、撮影を担当した孫請け会社の責任が認められた。

 高裁では、途中で、長井デスクの「政治家による圧力があった」との内部告発があったこともあり、NHK本体の責任まで認められた。

 ところが、最高裁は、編集の自由を盾に、市民団体を逆転敗訴させた。

 しかし、事実関係として、安倍晋三に面会した日の夜から急激な改編がなされていたことは最高裁判決によっても消せない。

 この事実経過をもとに、「放送倫理検証委員会」の川端和治委員長は「NHKは自立を尊重しないといけない。改編の過程は疑問を持たれるものだった」と話しており、何らかの指摘がなされることはほぼ間違いない。

 ついに、政治家の圧力に屈したことが放送倫理に違反するものであることが認定されることになる。

 この審議入りは、一部のNHK職員や放送関係者、市民らが「政治的圧力で改編された可能性がある」として、同委員会に調査を要請したのがきっかけとなった。NHKの職員というのが泣ける。ようやく、ここまで来たって感じだ。

 そうそう、最高裁も、ちょっとは反省していますか~?民間の団体の方が立派な判断を下しそうですよ。

 そういえば、奇しくも、高裁判決と最高裁判決の英訳がほぼ終了したようです。まもなく、日本の最高裁がいかに政治家の圧力による表現の自由侵害に無頓着であるかが世界に知れ渡ることになります。

 はっきり言いますが、今後、日本の裁判官が海外留学などした暁には、先進国の裁判官から、「お前のところの最高裁は北朝鮮の裁判所と同じだ」などと批判されることになるでしょう。

 今後、世界標準にもとる判決を下されたら、ばんばん、英訳して世界に向けて上告しよう!

 





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