情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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道頓堀川投げ込み事件で一審有罪は、女性検事の証拠隠滅が原因~創4月号

2009-03-13 04:46:12 | メディア(知るための手段のあり方)
 検察官が証拠を隠したために、無実の被告人が一審で有罪となったことが、月刊「創」4月号に掲載されている。三井環・元高検検事の衝撃的な告発だ。もし、弁護側が、有罪となる証拠を隠したら、証拠隠滅で起訴されるかもしれない。しかし、検察官が無罪側の証拠を隠してもまったく罪にも問われないのは、どう考えてもバランスを欠くのではないか?

 三井氏の告発によると、有名な道頓堀川ホームレス投げ込み致死事件で、2人の男性が起訴され、1人は共同で投げ込みをしたと自白し、1人は自分はしていないと主張した。検察官は二人で投げ込みをしたという供述調書を提出した。

 弁護側は、単独で投げ込んだという目撃情報があることをどこかで知り、検察にその目撃者の供述調書の証拠開示を求めたが、担当の女性検事はこれを拒否。裁判所も特に開示を命じることなく、二人とも有罪となった。

 控訴審を担当した検事が三井氏。彼が記録をみたところ、単独で行ったという2人の目撃者の調書があったという。驚いた三井氏が検事を呼び寄せたところ、不利だから出さなかったと、いかにも問われることが不服そうに答えたという。

 三井氏がこの調書を提出し、裁判所で調べた結果、二人でやったという目撃証言をした人の位置からは、被告人二人が重なって見えたため、本当は単独で投げ込んだのに、二人で投げたように見えただけであったことがわかった。

 結果は、否認していた一人は、無罪となったという。

 この女性検事は、いまも、検察官をしているのだろうか?

 何人の罪なき人を刑務所に送り込んだのだろうか?

 そして、この女性検事の判断を「可」とした地検の上司は…。

 これは、まさに、検察官が証拠を隠してもよいようなシステムになっていることが問題であることが明確に分かる事例だ。できれば、いまからでも、国賠で検事の責任を問うべきだろう。

 さらに、報道機関はいったい、何をしているのか?

 4月号が出てもうかなり時間がたつが、同じ道頓堀川でのカーネルサンダース人形の発見などよりも、はるかに重大な事実をなぜ、まったく報道しないのか?

 もし、この三井さんの告発が、「創」だけの報道で終わったら、この国のメディアに対し、「カーネルサンダース人形とともに道頓堀川に沈んでおけ」と言いたい。


【追記】この件で、タイトルに「女性検事」とする必要があるのかというご指摘をいただきました。私がわざわざ「女性」と入れたのは、それ以外に、この検事を特定する情報を持っていないからです。本当は氏名を明らかにしたいくらいだが、分からないために、少しでも特定するために、性別を入れました。もし、男性だったら、男性検事としたと思います。


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