先日、「この世界の片隅に」を見ました。
映画にいかれない私は、いつか地上波でやってくれる…と待っていました。
あらすじは大体聞いて知っていましたが、戦争の映画はほんとに見るのもつらいものです。
もちろん明るい兆しや、主人公の強さも感じられましたけれど。
また、昨晩はルバング島から帰還した小野田少尉の番組がありました。
「この世界の…」の主人公「すずさん」は、いわゆる「民間人」の若い女性です。
小野田少尉は「軍人」です。
銃を持つこともなく、ひたすら爆撃に耐えて隠れる日々のすずさんにも、
軍人として実際に銃を撃つ暮らしの小野田氏にも、戦争はつらく悲しいものであったと思います。
すずさんは、自分の右手とかわいい姪を爆弾で失い、さらには広島の原爆で家族を失います。
小野田氏は、もとより陸軍中野学校を卒業したような人、自分の名前も暮らしもすべて捨てて、
戦後29年間も「闘い」を続けました。事の是非は別として、たった一度の人生において、
民間人あっても軍人であっても、戦争なんて、不幸なことしかもたらしません。
その中でまた幸せと希望を見出していくのが人間の強さであり、やさしさでもありますが、
戦争は天災と違って「やらなくてすむこと」であるわけです。
誰が、なぜ始めたのか、なぜ続いたのか、なぜ止められなかったのか…。
平和を享受している私たちは、「二度としない」ことに、重きを置かねばなりません。
そのための記録であり、証言であり、映画でもあります。
大きな災害や事件が起きると、それを実際経験した人たちが必ず言います。
「風化させてはならない」「忘れないでほしい」「伝えなければならない」。
人間は当事者であっても「喉元すぎれば…」と言うところがあります。
それはひとつには「忘れたほうが、心身によいから」という面もありますが、
やはり「忘れてはいけない」こともたくさんあり、そこから学ぶということを怠ってはいけません。
まして経験のない私たちの年代は、知らないことを知る努力が必要です。
おりしもこれを書いているこの時間、友人のいる福岡を台風が通過しています。
水の出るところではないけれど、一人暮らしでどんなにか心細いことだろうと思います。
通り過ぎれば、また被害の詳細が報道されるでしょう。
人間は小さくて弱いものです。だからこそ「相手を思う気持ち」を持たねば生きてはいけません。
天災は避けられません。
でも戦争は「人災」です。これからも全身全霊を傾けて、阻止しなければならない、
この世でもっとも「おろかでおぞましく、恐ろしいこと」だと、私は思っています。
広島であの日、無残に散ったたくさんの犠牲者に向けて合掌。
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