ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

年の瀬

2009-12-25 20:14:28 | つれづれ
写真は無理やりですが「奴さん」の柄。
これは羽裏です。糸はついてないけど「凧」ですよね。
カオは隈取りつき、なかなか勇ましいですね。
凧揚げも見なくなりました。

一応台所の片付けをやりましたが、それで大半の「やる気」は使い果たした…。
まっこんなもんです?なんて言ってちゃいけないんですけどねぇ。
とりあえず、年賀状など、予定日を決めていたことは無事すませたので、
よけいに気が抜けて、あとはもうデレデレダラダラと。

子供のころから比べると、「お正月」の風景も様変わりしたものですね。
昔は「ハレ」と「ケ」というものがはっきりしていました。
それだけ娯楽が少なかったし、裕福さの感覚の違いもありましたし…。
(そりゃどこまでいったって「毎月1500万円」もお小遣いもらえるよーなことは
ありませんけどね)
お正月というものは特別な日で、まず年末には家中総出で大掃除をしたり、
町内で年の暮れに「餅つき」があったり、門松売りがきたり…。
そして元日ともなれば、みんなそれなりの「晴れ着」を着て、
朝から家族で顔合わせをして「おめでとうございます」と挨拶をし、
おとそとお雑煮でお祝いをしました。
父親が国旗を出し、初詣に行き、年始周りをし、お客様がきて…。
子供たちは、この日でなければならないわけじゃないのに、わざわざ
「羽つき」だの「凧揚げ」をし、家の中ではカルタ取りとかすごろくとか、
日頃はしないような遊びをやったものです。そういう変化の時期だったんでしょうね。
少しずつ「ゲーム」とよばれるようになり、トランプやダイヤモンドゲームなどが
お正月の遊びの中に入りだし、お正月は大人が子供とこれで遊んでくれました。

なんだかとても特別な日だったという感覚があります。
今の子供たちは、また別の「特別な感覚」なのかもしれませんね。

私が20代のころは、とにかくお正月といえば「店が開いてない」…。
せっかく晴れ着を着て彼氏とデートしても、あいている喫茶店は限られ、
しかもコーヒーがいつもの何倍も高い!結局初詣だけして「帰ろうか」になりました。
また、商店街が片っ端から長いお休みに入りますから、
御節などはそのためにも必要でした。冷蔵庫は小学生のころからありましたが、
冷凍食品はまだまだ少なく、年末のうちに買いためておいた魚の切り身だの
塩漬けだのがでましたねぇ。野菜はぬれた新聞紙にくるまれて、
台所の床下にしまわれていましたっけ。
スーパーができ、冷凍食品が増え、しかもコンビニがあらわれ…。
元々コンビニの「セブンイレブン」というのは、
「なんと朝の7時から夜の11時まで営業しているんですよ」…だったわけですが、
いまや24時間当たり前…。そしてデパートや飲食店など、
お正月は逆に「稼ぎ時」になって、お正月も休みは1日だけ、いえ元日から
あいているところもありますよね。
家の中で新年を祝うより、表に遊びに行くことが増えたのでしょうね。
毎年の「福袋を買う行列」には、ちょっと首を傾げます。
ブランドのお店などでは、買ったものをお店の外で店開きして、
お互いに交換したりする…なんかそうまでして…などと思ってしまいます。
いまや中身のわかる福袋とか、予告制の福袋とか…。
ただの安売りとかわりゃしません。
「福」って、ちょっとだけしあわせってのがいいんじゃないかと思うんですけどね。

お正月は「新しい年を迎える日」で、大げさに言えば敬虔な気持ちで、
厳粛にすごす日…なワケなんですが…かくいう私だって、
そんなにオゴソカにすごしているわけではありません。
ただ、あのなんともいえない「特別な日」という感覚、
ただの休日やお祭りではない、なんとなくピリッとしたところを感じることって
大切なんじゃないかなと思います。

地方地域で、まだまだ昔の風習を残しているところもたくさんあると思います。
こんな新興住宅地の中でも、やっぱりお飾りや門松は見られますし…。
でも「獅子舞」は、ずいぶん早い段階で、こなくなりましたねぇ。
あれがこわくてこわくて、お獅子に頭をカミカミしてもらうといいと言われても
にげまわってましたっけ。最近はテレビでしか見ませんわ。

着物の衰退と風習の変化と…カンタンには語れない思いがあります。
ただ、やっぱ日本人だよねぇ…ってところを、
ちゃんと伝えていきたいとは思っているんですけどね。

奴さんの柄を見ながら、そんなことを考えた夜でした。
あら、クリスマスももう終わりだわ、さっ明日は片付けちゃうぞ!

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8 コメント

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Unknown (陽花)
2009-12-25 21:27:17
年々お正月が来るという感動が薄れて
きています。
歳のせいなのか時代の流れなのか・・・
年末に障子の張り替え、29日は苦が付く
からと28日に土間で餅つき、お正月には
肌着まで新しい物に・・・
お正月を心待ちにしていた昔が懐かしく
思います。
やっぱり三が日お店が休みだとおせちも作ろうと思いますが、一日から開いていると無理に
作らなくてもという気になりますね。
返信する
毎年言ってますが・・・ (りら)
2009-12-26 03:32:27
日本のお正月の雰囲気、大好きです。
もう10年以上も年末年始に帰国していないのですが。

面倒なことではあっても、節目とか区切りとか気持ちが新たになることは大事なことだと思います。
お節も、当たり前のものとしてあると段々ありがたみも薄れるのかも知れませんねぇ。
かえって、こちらで暮らすようになって頑固に守りたい気持ちになっています。

あ・・・・その前に大掃除だわ・・・・
返信する
もったいなくて。 (えみこ)
2009-12-26 16:07:47
教えていただいた酸ツリー、もったいないから
おおみそかまでかざることにしました。
クリスマスイルミも一月中まで点いているそうですし…。
スノーマンはややしょぼくなってしまったものの
ミニツリーはもくもくと成長してくれました。
来年も購入しようかと思います^^
チキンの次はお餅におせち…特定の部位ばっかり育ちそうです。
返信する
そうでしたね...。 (akkomam)
2009-12-26 17:14:19
年末の大掃除は家族総出でやり、買い物は29日はしないで、
 三越など百貨店は5日からで、家でも食糧などは7日過ぎ
 ぐらいまでは買い物をしないのが当たり前でしたね。

 納戸には白菜の次に食べるためのさんとう菜の樽に区別して
 漬けられ、沢庵なども大きな樽に漬けて、横須賀線の2等車で
 帰る叔母はすごく気にしながらも食べたさで何重にもくるんで
 持ち帰ったと懐かしく話していました。


 今でも、私は年始の買い物に抵抗があるので、
 それでも3日まではしないですね。
 勿論、詣でた後の食事や喫茶はいたしますけど...。

 元旦でも働いている女性が多くなりました。
 普段でも日曜日に働いている女性は当たり前になりました。
 世の中の仕組みが変わって、女性の社会参加が雇用均等法で
 自由になったところから全ての仕組みが違ってきたのでしょう
 か?、すべてが走りだしているさまに驚きと疑いとを
 ないまぜてどこか違う!!って思いを持ちながら、
 オロオロしてみているばかりです。

 地震ばかりでなく、今にも何かが爆発してしまうような
 危うさを感じてしまうのは私の年代だから??
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Unknown (とんぼ)
2009-12-26 17:27:46
陽花様
そうなんです。
お正月を心待ちにしていたのは子供のころ、
と言いますが、確かに大人はいそがしいばかり
ついでに物入りで…はあったでしょうけれど
それでもなにかこう「あらたまった」気持ちは
あったものです。
今はあんまり感激みたいなものがありません。
お正月という気分が、盛り上がらないんですよね。
お店もいつ行ってもあいてて、
なんかメリハリがなくなりましたね。
便利になるということは、こういうことなのでしょうね。
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Unknown (とんぼ)
2009-12-26 17:31:29
りら様
そうですね、その「節目」ってとこなんですよね。
なくたっていいじゃん…といれると、
口ごもっちゃいますが、やっぱり「さぁ新年」
というなにかこう、下着を新しいものに
替えるような、さっぱりとした節目、
そういうものは大事にしたいとおもいますね。
御節も中身は少しずつかわっても、
お重に入れて、みんなでつついて、
というような、そんなことは残したいですね。
大掃除…いずこも同じ秋、いや冬の夕暮れぇ~
ですぅ。
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Unknown (とんぼ)
2009-12-26 17:34:13
えみこ様
我が家のツリー、とうとうもってくれましたよ。
さすがに下のほうからポロポロと崩れてきてますが、
なんとかツリーのカタチは保っています。
私もこれは、もう少し飾っておこうと思います。
来年はまた新しいデザインのがでるといですね。
私はお正月太りを今から「警戒中」です。
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Unknown (とんぼ)
2009-12-26 17:38:21
akkomam様
デパートはゆっくり休んでましたねぇ。
お正月はどこも「ご祝儀相場」で、
なんでも高かったし…。
私も、年末年始は買い物には出ません。
なんか、いやなんですよね。
普通になってしまうのが…。

女性の社会進出は、悪いことではないと思いますし、
昔かそういうことが当たり前の国もあります。
でも、だからといって何かがその犠牲になる、
なんていうことは、当たり前のことではないと
そう思います。
急ぎすぎて、何かダイジなものをぼろぼろと
落としてきてしまった気がします。
どんなに世の中がかわっても、
ここは日本で、私たちは日本人なんですけどねぇ。
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