遠野なんだりかんだりⅡ

遠野の伝承芸能・民俗・歴史を書きたい時に思いついたままに

第30回遠野郷神楽共演会 其の四

2025-01-31 08:37:47 | 郷土芸能

昨日、とぴあのインフォメーションに行くと、お連れさんと、はぐれたと云う方に遭遇。

館内放送で、相手を呼び出すものの現れず。

弘前から岩手に観光バスツアーに来て、自由行動の間にとぴあに立ち寄り、相手とはぐれた

と云うことのようでした。その後、バスが待機している遠野駅に行くと、

その相手は先に乗車していたようで無事、合流。

遠野に観光で来て頂きながら、嫌な思い出だけがお土産にならなければ良いのですが。

と云うことで、ちょうど1月も最終日、共演会話題も最後です。

 

11番目は、大出早池峰神楽さん

 

演目は、大蛇退治

 

例の八岐大蛇の話です。最初に登場するのは老夫婦なので、本来は、女性の面と翁の面ですが、

昭和24年に神楽道具一切を焼失しているので、準備できる道具だけで演じるようになり、

それがそのままになっているのかもしれません。

 

出雲では大蛇は大蛇として表現しますが、こちらでは鬼面です。

 

大出独特のくずし舞

 

全員がぶつかるかぶつからないかと云う間隔で舞います。

 

12番目は飯豊神楽さん

 

注連切(しめきり)

 

遠野山伏系神楽でこの演目を舞うのは、おそらく飯豊神楽さんだけかと思います。

 

演目の種類の継承も神楽そのものも、同派間の人的交流がもっと盛んにならないと

今演じられても、数年後には途絶えることもあり得ます。

 

女性が多い飯豊さんにあって、男性もなかなか頑張っています。

 

注連切と云う名前のとおり、最後に神楽座の注連縄を切りますが、

今回は、紙垂で切ってお終わりになりました。

 

10時に開会した共演会の主要演目も終わり、権現舞の前に舞う下舞は中学生。

 

デビューしたての頃は、とても緊張したと云っていた彼も、今回はきちんと出来てました。笑

 

権現舞

 

人は見かけで判断してはいけません。いい歳に見えても、同い年です!(;^_^A

 

この日一番の笑顔を見て共演会の終わりです。

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第30回遠野郷神楽共演会 其の参

2025-01-30 14:01:05 | 郷土芸能

30回を数える神楽共演会、その記念すべき第1回に出演したのは13団体。

その中で共演会のみならず、遠野まつり、各地域の例祭を含め、見る事が叶わなくなったのは、

柏崎、迷岡、駒木の三団体です。これらの復活は、おそらく難しいでしょう。

私自身、この中で映像でも見たことがないのは柏崎神楽、もしかすると

図書館・博物館、あるいは教育委員会には、動画が保管されているかもしれません。

眠ったままでは保管の意味もなくなるので、一般人も見られるようになれば、

休眠しても復活する際、大いに役立つと思うのですが。

と、つぶやきつつ、其の参です。

 

8番目は八幡神楽さんです。

 

山ノ神舞

 

この山ノ神舞を得意としていた会員が抜けてから、しばらく演じられなかった舞です。

 

今は動画も見ながら自主練習もしていると云う若手が加わり、心強い限りです。

 

あと一人でも二人でも加われば、舞の数も増やせると思うのですが、

これは、どこの団体も同じ課題ですね!

板沢獅子踊りには、中学の頃から練習に釜石から通ってきていた方がいました。

男女の区別なく、地域、町、市の枠を超えて参加したい人が参加できる態勢が

急務かもしれません。

 

9番目は石上神楽さん

 

五穀舞です。

 

この共演会では何度か演じているようですが、大出早池峰系では滅多に見られません。

 

大迫の早池峰神楽では前半のネリ部分は荒々しく舞いますが、大出系では、それほどでもなく、

これについては、大出早池峯神社宵宮で行う神楽の舞台が狭いせいだと思っています。

その舞台に合わせた舞に変化してきているからだろうと。

 

神楽では様々な衣装・道具などを見につけて舞うので、時折、アクシデントが起こります。

そのまま続行する場合もあれば、きとんと直す時間をとって再開する場合もあります。

そんな中、石上では鈴木会長の軽妙な語りで、笑いに変えてしまいました。

 

そんな石上に強力な助っ人が入ったようで、これからが楽しみです。

 

10番目、大出早池峰神楽さん

 

三組による鞍馬天狗

 

おそらく大出早池峯神社宵宮か遠野まつりでは、このバージョンが見られるかもしません。笑

 

舞いに益々磨きが、かかってきた感じの仮称Dちゃん

 

仲間と一緒の熱演に会場から大きな拍手が寄せられていました。

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第30回遠野郷神楽共演会 其の弐

2025-01-29 10:33:47 | 郷土芸能

神楽共演会の翌日は、数カ月おきの定期検診で矢巾でした。

 

岩手山もくっきり見える快晴、しかし、健診結果は 曇天。

ヒザを悪くしてからウォーキングし難くなり、年末から今月中の不摂生続きで、

肝機能全ての数値が全くダメでした。

健診結果がほぼ良好だったら、ラ・フランス温泉に入って行こうと準備してたのに、

まっすぐ帰宅となりました。しばらくは休酒です。前回は3か月休んだので、今回も?大泣!

さて、愚痴ったところで、其の弐です。

 

4番目は似田貝神楽さん

この方のお母さんは駒木神楽が復活した時、鳥舞をやっていたと思いますが?

 

八幡舞

 

似田貝神楽さんは遠野山伏派の神楽で、飯豊神楽さんの弟子神楽になります。

六日町の伊勢両宮神社(通称:神明)の本宮が似田貝にあったことが神楽幕の由来です。

 

5番目は宮守町達曽部の湧水神楽さん

 

昭和7年に大迫町合石から炭焼きにきていた人に教えられたのが発端で、

 

戦中だった当時は神送りをしなければならなくなって始めたと云う事です。

 

演目は普勝の舞

 

湧水神楽が出来た昭和7年は、まだ宮城で教諭だった(後の芸能研究家)本田安次氏が

岩手を訪れ、様々な神楽を見聞していますが、その頃は神送りがあちらこちらで行われていた

と記しており、神事に神楽が必要だったことが伺われます。

 

荒舞ということもあり、この日一番拍手が多かったように思います。

 

6番目は鷹鳥屋神楽さんで、三番叟

 

この子達の三番叟は、おぢさん、初めてです!

 

今年の遠野まつりでは、この二人の舞いが見られるかもしれませんね!

 

この共演会には、しばらく出ていない土淵町の野崎神楽さんも、遠野まつりでは

よく子供三番叟が演じられるので、この共演会でも見られれば良いのですが・・・。

 

7番目は小倉神楽さん

笛の方は初めて参加かな?どこかで会ったような気がしていたら、

昨年の張山しし踊りで笛を吹いていた方だと思いますが・・・たぶん。

 

八幡舞です。

 

今回はだいぶ落ち着いていたように思います。

 

この小倉神楽に出演される方の多くは、張山しし踊りにも参加しています。

昨年は、TVのCMにも張山しし踊りさんが出ていましたね!

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第30回 遠野郷神楽共演会 其の壱

2025-01-28 15:17:03 | 郷土芸能

26日(日)は土淵町水光園の芸能館にて、第30回遠野郷神楽共演会でした。

 

前日まで主要道路には雪が全くなかったのに、当日の朝、あれよあれよと云う間に雪景色。

自宅はそのままに、拙案内所の駐車場廻りの雪かきをして、会場入りです。

 

午前10時少し前、外では八幡神楽さんの法螺の音で、開会をお知らせです。

 

舞台には権現様が11柱、当日の次第には参加団体は13とありましたが、

諸般の事情で2団体欠席になりました。

 

鱒沢神楽さんの打ち鳴らしの後、来賓の祝辞、そして遠野郷神楽保存推進協議会の会長の

挨拶となり、

 

一番目は鱒沢神楽さんでスタート

 

鳥舞

 

新型コロナ前はミニ八幡舞のコンビだったり、都度、新しい人が入ると相手を変えながら

伝えている鳥舞

 

ここのところは、この二人です。

 

私の足元が賑やかだなあと思ったら、子供達が声援を送っていました。

お父さんが舞っているようです。ほんわかして良いですね~!

 

2番目は外山神楽さん

次第で塚沢神楽さんになっていましたが、数日前には出ると直接聞いていたので

きっと残念に思っていたことでしょう。

思い出すと何年か前はインフルエンザで出られなくなったこともありましたね!笑

 

三番叟です。

 

この男の子、来年あたりには一人で踊るようになっているかもしれません。

 

この日の外山の応援団は、いっぱいで、中には神楽のことを調べている方も一緒で、

鳥舞では、なぜ女性の着物を着て舞うのか?などと質問しているのが聞こえました。

なぜ、なんでしょう?

お嫁さんが安産になるよう、着物を着てもらうという話は聞いたことがあります。

本当はどうなんでしょう?

雄雌の鶏に扮しているのだから、男女別々の着物でも良さそうですが・・・。

 

三番目は、平倉神楽さん

 

山の神舞

次第どおりであれば、一番鳥舞、二番に塚沢さんの翁舞、三番目は三番叟となる予定でした。

 

と云うことで、前半から飛ばします!

 

一週間前には平倉の師匠神楽である石鳩岡神楽さんの舞い初めで、

会長自らの山の神舞でした。

 

舞う人の芸歴、年齢によっても舞の雰囲気は変わります。

 

今回は、平倉では若手?になります。

 

ステージ上と云う事もあり、息づかいまでは聞こえませんでしたが、

 

冷静に舞っていました。

遠野には早池峰系と云っても附馬牛町の大出早池峰系と、大迫町の岳流、大償流の神楽があり、

その他に遠野市内の山伏から伝えれた山伏系の神楽があります。

この共演会では、その違いによる面白さが堪能できる良い機会となります。

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2025 石鳩岡神楽舞い初め 其の参

2025-01-24 16:32:26 | 郷土芸能

年賀状も今回限りみたいな人が、だいぶ増えました。

葉書代も一因ですが、表も裏も印刷の人が多く、気持ちが伝わりにくいのでしょうがないですね。

そんな年賀状、いつもは届く大学時代の仲間から昨年は届かず、今年も・・・。

先日、奥さんから葉書が届きました。昨年11月に亡くなったとのこと。

学生時代はチャラかったけど、社会に出てからは、いち早く資格を取り、独立開業した彼。

当時の仲間を振り返ると、人は見かけではわからないものだとつくづく思います。(;^_^A

さて、舞い初めのラストです。

 

6幕目の岩戸開きが終わったところで、花読み

大変不弁舌ではございますが、と云いながら、どこの芸能でも弁舌滑らかな方が口上。

歯も声も顔も性格も悪いと、時々愛妻にいつも云われる私のあこがれ。笑

 

7幕目

 

天女

 

女舞です。遠野では神楽の女性参加率が高いので、男性が舞うのは久しぶりに見ました。

 

昨年、屋根から落ちて足を怪我したと云うことで、この日もMCの方から

笑いの恰好のターゲットにされていましたが、ここで登場です。

 

8幕目の演目は天降り

 

神舞のひとつで、荒々しい演目でもあります。

 

このような演目が入ってこその早池峰神楽と云う気もします。

 

この日は最初からずっとかぶり付きで見ていたので、足踏みの振動が直に伝わってきました。

 

登場人物が揃ったところで、

 

くずし

 

動きで感じる風、息づかい

 

足踏みの振動

 

歌、太鼓、笛、手平鉦

揃った時の何とも云えない一体感が、芸能の良さなんでしょうねえ~!

 

くずしの余韻が残る中、最後です。

 

会長の下舞

 

権現舞です。

 

祈祷して頂くトリは彼女

 

ちょっと無理して行った甲斐がありました!

お陰様で、気持ちもアップしたようです。笑

今度の日曜日は、遠野市神楽共演会、水光園でお会いしましょう~!

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