◆公立中学校の通知表の付け方には基準がある
通知表の点数は高校入試にも影響するため、その点のつけ方にはもちろんルールが存在する。
中学校間で大きな点のかたよりが出ないようにするためだ。
まずはその基準を知ってもらいたい。
中学校側から説明される場合もあるが、されない場合もある。
この記事では中学生でも理解できるよう、易しく書いてあるので安心いただきたい。
これでも分からなければ、コメントいただきたい。
◆各教科、まずは「観点別評価」をつける
まずはこの画像を見て欲しい。
各教科の点数1~5がつけられている。これを「評定」という。もちろん5が最高で1が最低だ。
その左にA,B,Cのいずれかが各教科4つずつ(国語のみ5つ)つけられている。これを「観点別評価」または単に「評価」という。
皆が気にするのはもちろん「評定」だが、これは「評価」の点から出されている。
つまり「評定」を1つでも上げたければ、「評価」を上げねばならない。
順番に見ていこう。
まずは「評価」。
これは、各項目の達成率により決まる。
A…十分満足できる(達成率80%以上)
B…おおむね満足できる(達成率80%未満~50%以上)
C…努力を要する(達成率50%未満)
例えば美術であれば、
提出物は期限までにすべて出した。授業態度も良好。先生に暴言など一切吐かない。
という状況なら「美術への関心・意欲・態度」という観点は100%近くなり、「評価」は「A」になるだろう。
提出物は5つのうち2つしか出していない。授業中に居眠りすることあり。
これならば問答無用で「評価」は「C」になるだろう。
また美術であれば作品の出来、簡単に言えば「絵が上手いかどうか」「彫刻にセンスがあるかどうか」などで「創造的な技能」は採点される。
いくら授業態度がよく、期末テストの点が高くても絵が下手くそならオールAはもらえない。
保険体育はもっと顕著である。
運動の技能は、運動神経の良し悪し。
運動音痴なら、先生が手心を加えなければ絶対にAはもらえないだろう。
こういう仕組みで「評価」は決定する。
同じ「A」でも達成率80%の場合もあれば、達成率100%の場合もある。
通知表だけでは自分の達成率は分からないのだ。
◆「評定」はこう決まる
各教科、4つ(国語は5つ)の観点別評価の達成率を出したら、自動的に1~5の「評定」は決まる。
ある中学生の美術を例にしてみよう。
その生徒の達成度は以下の通りだとする。
美術への関心・意欲・態度・・・80%(A)
発想や構想の能力・・・90%(A)
創造的な技能・・・90%(A)
鑑賞の能力・・・80%(A)
発想や構想の能力・・・90%(A)
創造的な技能・・・90%(A)
鑑賞の能力・・・80%(A)
このの場合、各観点別評価の平均は85%となり「評定」は4である。
下の表を見て欲しい。
全体で達成度が90%以上なら「評定」は「5」だが、85%では「4」に留まる。
各観点は均等に25%ずつの割合とするが、教科によって異なる。中学校によって差がある。
実技教科は特に「技能」を重視する。
運動センス、音楽センス、絵のセンスがなければオール5は取れないようになっている。残念ながら。
都立高校一般入試では実技教科の点数が2倍。
国語以外の教科は以下のようになっている
評定5 AAAA、AAAB
評定4 AAAA、AAAB、AABB、AAAC、ABBB、AABC
評定3 AAAB、AABB、AAAC、ABBB、AABC、BBBB、ABBC、AACC、BBBC、ABCC、BBCC、BCCC
評定2 ABBC、AACC、BBBC、ABCC、BBCC、BCCC、CCCC
評定1 BCCC、CCCC
オールAでも「5」とは限らないのは、先ほど例に挙げたとおり。
定期テストで90点でも「評定」が3ということもありうる。
AAABで評定3は十分ありうるのだ。
たいていこういうケースは「関心・意欲・態度」の評価が低い。つまり提出物の提出状況や授業態度に難があるのだ。
授業態度のよい悪いは、先生の主観で決められてしまう。
キミがどう思うか、ではないのだ。
イヤな先生であっても成績をつけるのは先生。嫌われてはいけない。通知表のために好かれる努力をせよ。
ここでプライドうんぬんを論じても意味はない。そんなプライドより、高校受験で有利になる内申点の方が貴重だからだ。
学校の先生はキミ達の成績を上げてくれる人 ではない。
キミ達を評価・採点する人 なのだ。
キミ達を評価・採点する人 なのだ。
志望校に落ちても、先生は一切の責任を取らないし謝罪もしないのだから。
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