[2020年7月16日 更新]
まず、これをご覧いただきたい。
何だかお分かりだろうか。
参照:都教育委員会HP
これは2018年度 都立一般入試英語の得点分布である。
96~100点を取った受験生の割合が最も高い。ひとことで言えば「超カンタンな問題」だったわけだ。
しかも自校作成問題を受けた子(全受検者の約11%)は含まれない。学力の高い4659名を抜いての得点分布なのだ。
都教委もこれに懲りたか翌年2019年度の平均点は54.4点。がくんと下がっている。
そして今年2020年度。やや上がったものの平均54.7点。
くり返すが、自校作成問題を受けた子は含まれない。よってこのくらいの点数が妥当といえるのではないか。今年の国語の平均点81.1点とか規格外すぎるわ。
ということで前置きが長いが、今回は2020年度都立高校入試の英語について考える。
◆点数が低い
以下は2020年度の得点分布である。
参照:都教育委員会HP
30~80点がほぼ均等に分布している。
これは「テキトーに四択を答える」子と「成績上位だがうっかり間違える」子が混在していたからだと考える。
例えば大問2の2問目の選択肢は、
ア (A) Clean Streets (B) Plant Flowers
イ (A) Clean a River (B) Plant Vegetables
ウ (A) Clean a Beach (B) Plant Flowers
エ (A) Clean a Beach (B) Plant Trees
これだけ見たら、選択肢が重なっているウだと思いそうだが、正解はエ。
やはり誤答はウが多かったようだ。ちょっとしたひっかけはあるが、最後まで読めたのならきっと誤答はしない。
Why don't you try something you have never done?
が正しく読み取れればね。
この" Why don't you "は会話の中では頻出。「なぜしないのですか」ではなく「~しようぜ」と訳すとわかりやすいよ。Let'sに近い。
おそらくウと答えた者のうち学力下位層は、選択肢だけ見て「AもBも重なっている選択肢があるからウ」と考えたのではあるまいか。
と考えれば、この問題の正答率31.7%は合点がいく。
◆ひっかけがあることを前提に考えよ
特にリスニングで言えることだが、都立入試では必ず最初にフェイクを入れてくる。
例えば日本語で書くとこんな感じだ。
ジョン「明日、みんなで何しようか」
ポール「みんなサッカーが好きだから、サッカーやろうぜ」
ジョージ「でも明日は雨って予報だよ。野球やサッカーはやめた方がいいね」
ジョン「だったら体育館でバスケにしようぜ。バレーボールはネットがないしね」
ポール「それはいいね」
問「彼らは明日、何をするつもりですか」
ア サッカー
イ 野球
ウ バスケ
エ バレーボール
最初に野球、サッカーという名詞をいれてくる。が本命はあとで出てくる「バスケ」。
リスニングでは「迷ったら後で出てくる名詞や数を選べ」という鉄則がある。
2020年度のリスニングではこういったひっかけすらなかった。
だから正答率はたいそう高かった。
リスニング正答率を並べると
2020年度
A
〈対話文 1〉 92.6%
〈対話文 2〉 70.9%
〈対話文 3〉 69.3%
B
〈Question 1〉 64.8%
〈Question 2〉 17.5%
2019年度
A
〈対話文 1〉 50.3%
〈対話文 2〉 69.0%
〈対話文 3〉 73.9%
B
〈Question 1〉 37.7%
〈Question 2〉 19.5%
2018年度
A
〈対話文 1〉 85.8%
〈対話文 2〉 84.6%
〈対話文 3〉 86.3%
B
〈Question 1〉 73.3%
〈Question 2〉 33.2%
A
〈対話文 1〉 85.8%
〈対話文 2〉 84.6%
〈対話文 3〉 86.3%
B
〈Question 1〉 73.3%
〈Question 2〉 33.2%
2017年度
A
〈対話文 1〉 72.3%
〈対話文 2〉 87.8%
〈対話文 3〉 56.3%
B
〈Question 1〉 78.5%
〈Question 2〉 26.1%
A
〈対話文 1〉 72.3%
〈対話文 2〉 87.8%
〈対話文 3〉 56.3%
B
〈Question 1〉 78.5%
〈Question 2〉 26.1%
2016年度
A
〈対話文 1〉 81.1%
〈対話文 2〉 17.7%
〈対話文 3〉 72.2%
B
〈Question 1〉 66.7%
〈Question 2〉 25.0%
A
〈対話文 1〉 81.1%
〈対話文 2〉 17.7%
〈対話文 3〉 72.2%
B
〈Question 1〉 66.7%
〈Question 2〉 25.0%
最後の問題は英作文なので例年、正答率は低い。
だがそれ以外の4問はすべて60%以上の正答率であり、激甘の2018年度に次ぐ正答率の高さだ。
◆都立のリスニングは易しい
結論はこれ。
最終問題だけはスペルミスもあるから、中位レベルの子だと完答は難しい。
だがそれ以外は4問すべて正解を狙うべきだ。
リスニング対策のコツについてはおって記事にする。
ただ「たくさん聞く」では上達しないのであしからず。
過去問を聞いてみたい方は、声の教育社のサイトから音声を聴いてほしい。時間は10分程度だ。
ちなみに以下の東京学参のサイトからも聴けるが、しゃべるスピードが遅すぎて使えない。声の教育社の方が1.2倍くらい速く聞こえるが、そっちが都立入試に近い。
参照:東京学参HP
都立に入る! ツイッター 毎日役立つ情報。ミンナニナイショダヨ
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