[2021年7月27日 更新]
高校探しをしていて「単位制」という言葉に引っかかったことはないだろうか。
「全日制」と「定時制」はなんとなく分かるが、「単位制」との違いって何だろうか。
単位制高校は全国で増加の一途をたどっている。
今回は単位制高校についてカンタンにまとめた。
◆留年がないのが単位制高校!?
都立大泉桜高校のサイトにあった、以下の説明が分かりやすい。
高等学校には「学年制」と「単位制」があります。
「学年制」は、必履修科目および各校が定める学校必履修科目の2種類の必修科目を学習し、残りの部分を自分で選択します。規定された単位数を修得すると次の学年に進級します。3年(全日制課程)を修了すると卒業が認められます。
「単位制」は、学年制ではないので、厳密な意味での進級や留年はありません。ただし、学年制の学校における「学年」に相当するものとして「年次」を設け、単位の修得状況によっては再び同じ年次に留まる場合もあります。
必履修科目はありますが、多くを選択科目としています。3年間(全日制課程)で決められた単位数を履修・修得することによって卒業が認められます。クラスについては、入学した年次に従って構成されます。
履修する(授業を受ける)科目を自分で自由に選べるのが単位制だ。
ここで注意して欲しいのは、単位制であっても必修科目があるので何でもかんでも自由に選べるわけではないということ。
例えば、数学がキライだから数学を一切履修しないということは不可能。
大泉桜高校なら「数学Ⅰ」は必修である。しかし、多くの都立普通科で1年生のときに必修としている「数学A」を履修しないことは可能だ。
他の科目を代わりに履修すればいい。
2年次も「数学Ⅱ」ではなく他科目履修にすれば高校卒業までに数学は「数学Ⅰ」の3単位履修だけで済む。
イヤな科目を受けなくていい ではなく 学びたい科目を優先して学べる
と考えればいい。
以下は、大泉桜高校の3年次に履修できる科目。
「服飾手芸」「介護福祉基礎Ⅱ」「フードデザイン」「コミュニケーション技術Ⅱ(手話)」
など、大学受験には関係がない科目も並ぶ。
この高校では、全員が大学進学を目指すわけではないからだ。
一方で「全員が進学を希望する」と言い切る新宿高校では、大学受験や大学進学後に向けてのガチガチの勉強をする科目ばかりだ。
詳しくは以下をごらんいただきたい。
◆東京都には都立34校、私立9校の単位制高校がある
そのうち全日制の高校をまとめた表が以下だ。
28年前にできた新宿山吹高校が都立で最初の単位制高校。
8年前にできた王子総合を最後に、単位制高校は増えていない。
東京都には都立34校、私立9校の単位制高校がある
近県だと
千葉県 公立36校、私立9校
埼玉県 公立33校、私立11校
神奈川県 公立35校、私立4校
埼玉県 公立33校、私立11校
神奈川県 公立35校、私立4校
東京より学校数が少ないのに、単位制高校の数はほぼ同数だ。
もっとも古くから単位制高校が始動したのは昭和63年度、以下の学校だ
杜陵(岩手)
松本筑摩(長野)
松阪(三重)
旭陵(愛知)
刈谷東(愛知)
松本筑摩(長野)
松阪(三重)
旭陵(愛知)
刈谷東(愛知)
私立だと平成元年度から始動した
東海大学付属望星(東京)
向陽台(大阪)
向陽台(大阪)
が最古である。
◆単位制にデメリットはあるか
都立全日制で単位制の高校なら、特にデメリットはない。
ネットで調べて「友達ができにくい」などが出てくるかもしれないが、それは通信制でクラスなどがない高校の話。
心配しなくて良かろう。
私も新宿、墨田川、飛鳥などに進んだ子から話を聞くが、特に不満の声はない。
あえて言うのなら、
大学受験で必要な科目などを考えず、ラクそうな楽しそうな科目ばかり選択すると、大学受験時に困ることになる。
といった点か。
分別のあるキミなら問題あるまい。
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