遠野と言えば、市のシンボルマークにもなっているカッパの存在があります。
↑こんなかんじのかわいらしいやつ(勝手に使ってゴメンナサイ!)
→→遠野市観光課のHPへ
で、遠野物語にも書かれているように、遠野はカッパの多い地とされています。
その中でももっとも名高いのが、この「カッパ淵」でしょう。↓
見ての通り、「カッパ淵」は「常堅寺」というお寺の境内にあります。
大きな通りから入っていくと、ホップの畑に囲まれた道を行きます。写真にはコスモスが載ってますが…。
(撮影時は9月だったので、ホップは収穫が終わっていました。8月中ならばホップの蔓が道の両側に高くそびえて壮観です)
(ちなみに、遠野はホップの県内最大の産地。岩手県は日本一のホップ生産量を誇ります。)
やがて墓地の向こうに山門の横側が見えてきます。
これが「常堅寺」。山門前の大木が古刹の雰囲気を感じさせます。
↑この説明板を信用すると、応仁の乱(1467)の後に建てられた戦国時代初期のお寺ということになります。
それにしても、立派な山門。
しかし…こういってはなんだけど、なんて残念な仁王像……。慈覚大師の作と言うけれど、まず、絶対嘘!彼は山形の立石寺や松島の瑞巌寺を創建した、東日本(特に関東・東北)の古代仏教界を代表するカリスマの一人だけど、平安時代の人(794-892)だからね。なんでこう、さらっと嘘つくかな~~
↑山門の造形自体は立派なんだけどね…これ作った人がそのまま仁王像作ればよかったのに……
さて、一歩境内に足を踏み入れると、そこは本当に普通のお寺。(改修工事中)
賽銭箱の横にあるカッパの置物がかわいい
本堂の左手奥から、カッパ渕に行けるわけだが、ここであせってはいけない。
山門と本堂の間、左手にあるこの「十王堂」を見逃してはいけない。
「十王堂」って何かって?閻魔さまはじめ10名の地獄の統率官を「十王」というのだけれど、それを祀ったお堂のことです。
ね、いらっしゃるでしょ?(しかし、ホコリすごすぎ!!もっと掃除すればいいのに…。本堂は改修工事してきれいにしても、こっちの掃除はしないのかなあ…)
ここには珍しく頭に皿のある「かっぱ狛犬」がいます。
これについては後で解説します。
と、いうわけで、ようやくカッパ淵に向かいましょう。
ここに来ると、いつもなぜか胸が高鳴ります…。↓これが↑の写真の案内板の内容。先ほどの「かっぱ狛犬」の話がここにつながるのです。要するに、カッパが火を消してくれた偉業を記念してのことらしいです。
いよいよかっぱ淵をのぞいてみましょう。
かっぱ淵は小烏瀬川という川の支流です。水はきれいでとても澄み切っています。
水辺を歩くだけでとても落ち着きます。
ただ、川の流れはとても浅く、とてもカッパが住めるような深さではありません。(残念)
説明の看板を見ると、遠野物語でも有名なカッパの馬引き伝説の説明が…。
河童は力が強く、いたずら好きですが、さずがに馬の力には勝てないようです。
ちなみに、河童は相撲も好きで、誰彼かまわず相撲の勝負を吹っかけてきます。力の強い人なら勝てるようです。
ここでの河童も、馬に引きずられた後、村人に捕まります。結局は集団の力にかなわず、とっちめられてしまいます。
そんなわけで、これからはこのお寺を守ると約束して守り神になりました。
そのお堂には…
さまざまなお供え物が。 みんなに信仰されています。
この珍妙なお供え物はおっぱいらしいです。
なぜかお乳の神様となった河童。河童はそもそも水子(生まれずして死んだ子供)の妖怪とも言われていますから、
うなずけない話ではないですが、……突飛な感じもします。
遠野は「なぜこの神様がこういう信仰を受けているの??」っていうのが結構あります。
あと、卯子酉神社のように「何この神さま?他所ではあんまり聞かないんだけど??」っていうのとかね。
それと、こっからはほとんどオマケなんですが…
つり竿発見。先には……
なるほど!河童を釣ろうってか!?
しかも「名人専用」かい!!??
以上、常堅寺のカッパ淵からでした。
今回はこれで終わりじゃありません。
ちなみに、カッパの出るところは一つじゃありません。せっかくですから、もっと紹介しましょう。
こちらの「太郎淵」もカッパスポットです。
まー、なんでも「太郎カッパ」という河童が住んでいたそうで…
こんなかんじの、
「なんだか池っぽいな」と思ったアナタは鋭い!!
こちらの「太郎淵」は実は池です。昔は猿ヶ石川にくっついていたこの水場も、川の流れが変わってしまったためか、
今は切り離されて、独立した池になってしまっています。川からはもう500mほども離れています。
そんなわけで、「太郎カッパ」も今はいないでしょうねえ…。ちなみに、↑これは置物ですよ。言っとくけど。
ちなみに、猿ヶ石川は、こんな感じの川です。
遠野盆地を東西に突っ切って北上川に通じる大きな川で、流れは急。
ちなみに、遠野が昔、湖だった頃(未確認情報)、この猿ヶ石川から水が流れて陸地になったそうな。
ところどころ深そうなところもあるので、これなら、カッパも少しは住めそう。
あと、カッパスポットは「小烏瀬川」。
「怪奇な話」とは「マヨイガ」のこと。道に迷うと、山の中に現れる大きなお屋敷の空き家。この家には人がいないのだが、ついさっきまで人がいた気配があり、しかも、その家の物はすべて人を富ませる魔法のアイテムという不思議な家。その「マヨイガ」(いわゆる桃源郷」)が白見山にはあるそうなんです。
遠野の東半分の農村地帯を流れる川です。
ここも場所によっては深さは十分なので、カッパが住めそう。
この説明にもありますが、この付近では昔、カッパが多く出たらしく、中には河童の子と思われる赤ん坊を産んだ娘がいるという噂話もあったと遠野物語には書かれてあります。ちなみにそういう赤ん坊はさすがにすぐ殺されているそうです。
ちなみに、遠野物語では、女性は河童に犯されたり、山男にさらわれ、妻にされたりと散々です。
また、「オシラサマ」の話では、馬と良い仲になってしまう娘がいたりと結構生々しい性の話があったりします。
まあ、それも「民話」(ドイツ語でいうところの「メールヘン」)の「生命力」ってやつですかね…。
人間は生きている以上、生々しい話は当たり前で、近世になってからできた胡散臭い「道徳観」なんてものは、当然、気にしちゃいませんからね。
【撮影日:常堅寺は2011/9/14 他は2011/10/7】
【常堅寺の「かっぱ淵」の場所】
まあ、カッパには絶対会えないけどね
【おまけ画像】
でも、こんなカッパには会えるよ
魚釣っているよ
↑こんなかんじのかわいらしいやつ(勝手に使ってゴメンナサイ!)
→→遠野市観光課のHPへ
で、遠野物語にも書かれているように、遠野はカッパの多い地とされています。
その中でももっとも名高いのが、この「カッパ淵」でしょう。↓
見ての通り、「カッパ淵」は「常堅寺」というお寺の境内にあります。
大きな通りから入っていくと、ホップの畑に囲まれた道を行きます。写真にはコスモスが載ってますが…。
(撮影時は9月だったので、ホップは収穫が終わっていました。8月中ならばホップの蔓が道の両側に高くそびえて壮観です)
(ちなみに、遠野はホップの県内最大の産地。岩手県は日本一のホップ生産量を誇ります。)
やがて墓地の向こうに山門の横側が見えてきます。
これが「常堅寺」。山門前の大木が古刹の雰囲気を感じさせます。
↑この説明板を信用すると、応仁の乱(1467)の後に建てられた戦国時代初期のお寺ということになります。
それにしても、立派な山門。
しかし…こういってはなんだけど、なんて残念な仁王像……。慈覚大師の作と言うけれど、まず、絶対嘘!彼は山形の立石寺や松島の瑞巌寺を創建した、東日本(特に関東・東北)の古代仏教界を代表するカリスマの一人だけど、平安時代の人(794-892)だからね。なんでこう、さらっと嘘つくかな~~
↑山門の造形自体は立派なんだけどね…これ作った人がそのまま仁王像作ればよかったのに……
さて、一歩境内に足を踏み入れると、そこは本当に普通のお寺。(改修工事中)
賽銭箱の横にあるカッパの置物がかわいい
本堂の左手奥から、カッパ渕に行けるわけだが、ここであせってはいけない。
山門と本堂の間、左手にあるこの「十王堂」を見逃してはいけない。
「十王堂」って何かって?閻魔さまはじめ10名の地獄の統率官を「十王」というのだけれど、それを祀ったお堂のことです。
ね、いらっしゃるでしょ?(しかし、ホコリすごすぎ!!もっと掃除すればいいのに…。本堂は改修工事してきれいにしても、こっちの掃除はしないのかなあ…)
ここには珍しく頭に皿のある「かっぱ狛犬」がいます。
これについては後で解説します。
と、いうわけで、ようやくカッパ淵に向かいましょう。
ここに来ると、いつもなぜか胸が高鳴ります…。↓これが↑の写真の案内板の内容。先ほどの「かっぱ狛犬」の話がここにつながるのです。要するに、カッパが火を消してくれた偉業を記念してのことらしいです。
いよいよかっぱ淵をのぞいてみましょう。
かっぱ淵は小烏瀬川という川の支流です。水はきれいでとても澄み切っています。
水辺を歩くだけでとても落ち着きます。
ただ、川の流れはとても浅く、とてもカッパが住めるような深さではありません。(残念)
説明の看板を見ると、遠野物語でも有名なカッパの馬引き伝説の説明が…。
河童は力が強く、いたずら好きですが、さずがに馬の力には勝てないようです。
ちなみに、河童は相撲も好きで、誰彼かまわず相撲の勝負を吹っかけてきます。力の強い人なら勝てるようです。
ここでの河童も、馬に引きずられた後、村人に捕まります。結局は集団の力にかなわず、とっちめられてしまいます。
そんなわけで、これからはこのお寺を守ると約束して守り神になりました。
そのお堂には…
さまざまなお供え物が。 みんなに信仰されています。
この珍妙なお供え物はおっぱいらしいです。
なぜかお乳の神様となった河童。河童はそもそも水子(生まれずして死んだ子供)の妖怪とも言われていますから、
うなずけない話ではないですが、……突飛な感じもします。
遠野は「なぜこの神様がこういう信仰を受けているの??」っていうのが結構あります。
あと、卯子酉神社のように「何この神さま?他所ではあんまり聞かないんだけど??」っていうのとかね。
それと、こっからはほとんどオマケなんですが…
つり竿発見。先には……
なるほど!河童を釣ろうってか!?
しかも「名人専用」かい!!??
以上、常堅寺のカッパ淵からでした。
今回はこれで終わりじゃありません。
ちなみに、カッパの出るところは一つじゃありません。せっかくですから、もっと紹介しましょう。
こちらの「太郎淵」もカッパスポットです。
まー、なんでも「太郎カッパ」という河童が住んでいたそうで…
こんなかんじの、
「なんだか池っぽいな」と思ったアナタは鋭い!!
こちらの「太郎淵」は実は池です。昔は猿ヶ石川にくっついていたこの水場も、川の流れが変わってしまったためか、
今は切り離されて、独立した池になってしまっています。川からはもう500mほども離れています。
そんなわけで、「太郎カッパ」も今はいないでしょうねえ…。ちなみに、↑これは置物ですよ。言っとくけど。
ちなみに、猿ヶ石川は、こんな感じの川です。
遠野盆地を東西に突っ切って北上川に通じる大きな川で、流れは急。
ちなみに、遠野が昔、湖だった頃(未確認情報)、この猿ヶ石川から水が流れて陸地になったそうな。
ところどころ深そうなところもあるので、これなら、カッパも少しは住めそう。
あと、カッパスポットは「小烏瀬川」。
「怪奇な話」とは「マヨイガ」のこと。道に迷うと、山の中に現れる大きなお屋敷の空き家。この家には人がいないのだが、ついさっきまで人がいた気配があり、しかも、その家の物はすべて人を富ませる魔法のアイテムという不思議な家。その「マヨイガ」(いわゆる桃源郷」)が白見山にはあるそうなんです。
遠野の東半分の農村地帯を流れる川です。
ここも場所によっては深さは十分なので、カッパが住めそう。
この説明にもありますが、この付近では昔、カッパが多く出たらしく、中には河童の子と思われる赤ん坊を産んだ娘がいるという噂話もあったと遠野物語には書かれてあります。ちなみにそういう赤ん坊はさすがにすぐ殺されているそうです。
ちなみに、遠野物語では、女性は河童に犯されたり、山男にさらわれ、妻にされたりと散々です。
また、「オシラサマ」の話では、馬と良い仲になってしまう娘がいたりと結構生々しい性の話があったりします。
まあ、それも「民話」(ドイツ語でいうところの「メールヘン」)の「生命力」ってやつですかね…。
人間は生きている以上、生々しい話は当たり前で、近世になってからできた胡散臭い「道徳観」なんてものは、当然、気にしちゃいませんからね。
【撮影日:常堅寺は2011/9/14 他は2011/10/7】
【常堅寺の「かっぱ淵」の場所】
まあ、カッパには絶対会えないけどね
【おまけ画像】
でも、こんなカッパには会えるよ
魚釣っているよ
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