totoroの小道

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カレーライス 「ひろしは、自分が悪いのに怒っているのはなぜか」

2018-04-11 22:49:26 | 6年 国語

「ひろしは、自分が悪いのに怒っているのはなぜか」
①いきなりコードを抜かれたから
②お母さんがお父さんの味方をするから
③お父さんが子ども扱いするから

この、大問題がどうもすっきり解決しません。
そこで、今日もこの課題を解決するために、小問題を解決していきます。なぜなら、このカレーライスのクライマックス場面は、主人公のひろしがこの大問題を自分の力で解決していくからです。

まず、1の場面の問題はほとんど解決したけれど、この大問題と、「なぜいきなり『ぼくは悪くない』という文で物語が始まるのか」という小問題の2つが解決していないことを確認し合いました。

そこで、まず時間の流れを整理することから始めました。
この物語の時間的な経緯は、
①まず、お父さんがゲームのコードをいきなり抜いてしまう。
②お母さんに「あやまりなさい」と言われる。
③そっぽを向く。
④お母さんが、お父さんが落ち込んでいると話す。
⑤お母さんがお父さんの味方につく。
であることを確認しました。

「ぼくは悪くない」はその中の、どこ時点での言葉かを話し合いました。

圧倒的に、時間①と時間②の間という意見が多く出ました。多いと言うより全部その意見でした。
そこで担任が、
「同じ意見ばかりでは話し合いが成り立たないので、対立意見を出します。私は、時間⑤の後だと思います。」
と、投げかけてみました。

ここから、子ども達の頭がグルグル回転し始めます。
「先生、おかしいよ。だって、コードを抜かれて怒っているんだよ。」
「ぼくも悪いけど、いくらなんでもって書いてあるじゃないか。」
など、時間①と時間②の間の根拠がどんどん出されます。

そして
「それじゃあ、先生の証拠を挙げてよ。」
「そうだ、そうだ。」
と、私に意見を求められました。
私は、どきっとしてどこを証拠に挙げようか迷いましたが
「それがくやしかった..の、それ」という言葉を○で囲み、
「私は、それだと思います。それって、どういう意味だと思いますか。にた言葉に、あれ、これもありますね。」
と、投げかけてみました。
早速辞書で何人かの子ども達が意味を調べ、「あれは遠く」「これとそれは、話し手のすぐ近く」と解明しました。
そこで、私が
「絶対にあやまるもんか、と決めたのは、それのせいです。それは近くに書いてあることを指す言葉です。あんなに遠くに書いてある『コードを抜いて』を指しっこないのです。近くに、絶対にあやまりたくない、原因が書いてあるはずです。」
と話しました。

ここからの話し合いがおもしろかったです。
今まで話し合いにあまり興味を示さなかったAさんの、何とか時間①と時間②の間という自分の考えの正当性を説明する発表が続きます。Rさんも、何度もそれを応援します。

そんななかでYさんや、Iさんから、いつだって、いつもの新しい解釈が出されます。
「このいつもは、今まで何度もあったということだと思うな。何が何度もかというと、コードをぬかれただけじゃあないと思うんだ。今までも、他のことでもいろいろ注意されたけど、あやまらないことがあったんだと思うよ。だから新記録なんだよ。」
すると
「そうだそうだ、だって、『遊んでばかりで家のことちっともしないんだから』って書いてあるよ。」
と他の子もそれを指示します。

ここから、授業の流れが変わります。
Aさんが、「コードを抜いたのは原因だ。ここから始まったんだ。」
と発言したのを受け
①まずコードを抜かれて腹が立った。
②お母さんが、あなたが悪いとお父さんの味方になった。
③ますます腹が立った。
④腹が立つと、今までのことが思い出された。いつも、ぼくは怒られている。それも子ども扱いされて怒られている。
⑤よ~し、今度という今度は絶対にあやまらないぞ!!
という、ぼくの心の移り変わりを、一気にみんなで解明しました。
すっきりです!!


授業の後、Iさんが私の所によってきます。
「先生、物語って仕掛けがしてあるんだね。」

熱心に議論した、MさんやHさんもよってきます。
「先生、やっぱりどこで怒ったのか、時間の流れが難しいんだね~」
といいながら、二人で黒板を見ながら話しています。

授業はうまく流せませんが、物語にのめり込み休み時間まで教材を話題にする、この子達はすごいなあと思います。


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