平倉山荘 -- BLOG --

 蔵王を歩く・滑る。日々を記す。空想上の山小屋~たいらぐらさんそう~

仙人沢を吹きあげる北西風

2015-03-29 | 山・やま・Mt.
本日行われた市の山岳遭難捜索救助訓練に参加して来ました。今年度は日曜日に開催されるという事で久しぶりの参加となりました。

ペア2リフト下車後、エコーラインから一枚石沢源頭に進んでゆきます。

一枚石沢源頭は真冬でも沢の形状が残り雪庇が張り出しているのですが、統括隊長の大沼さんの話によると、昨冬あたりから積雪が沢を埋めてしまっていると言うのです。温暖化の影響なのか、風の吹く向きや雪の降り方が変わってきているのではないかと言う事です。

その後、御田の神雪原を横切り「阿部トラ・クラーク」のレリーフで小休止したのち、仙人沢右股沢の沢底に降りてゆきます。二股に分かれる源頭の出会いから中洲に登り返し右岸に沿って糸滝の頭まで下って行きました。

糸滝の頭の雪質は他のところとは違っていました。うっすらと積もった雪(3~4日前に積もったもの)の下に氷の層があるのです。また、左岸の樹氷もわずかですがその姿を残していました。ここ以外のほとんどの樹氷が雪を落としているのに。厳冬期もこの周辺の樹氷は大きく立派なものが出来ます。

想像するに、厳しい吹雪をもたらす北西風は仙人沢に沿って山を吹き上がり、源頭に向かうにつれ収束されてゆきます。それがこの付近で強烈な吹雪となって糸滝にぶち当たり、周辺の樹氷を大きく成長させ滝を氷結させるのではないでしょうか。アイスクライミングが盛んに行われいる氷瀑もそのために出来るのかもしれません。

山岳遭難の捜索活動では「地形を知っている」ことが必須です。自分の足で現場に入り地形を覚えてゆくしかないのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする