「東京タワー オカンと僕と、時々、オトン」の中には、オカンが食事を作る事が描かれています。ママンキーは食べさせると言う事が、最良の愛情であるみたいです。料理を作る事が大好きなママンキーが、マー君以外の友達達にもたらふくごはんを食べさせてくれるのです。
食事に対してこれだけ文章が出てくる小説は、あまり無いのではと思います。食べさせる愛情とでも言いましょうか、美味しく食べさせる愛情こそが母親の真実の愛であり、作者のリリーさんは、本当に母の料理を愛していらっしゃったんだなーと感じられます。
私も、料理を作ります。あまり上手ではありませんが。子供の多かった私の家庭では、おかずが少なくて、しかも母があまり料理が上手ではなく、食事に対してあまり良い思い出はありませんでした。また、父が高血圧であったため味付けは塩分を落としてあり、美味しいと感じられる料理は、茶碗蒸しと稲荷ずしくらいでした。私が高校3年のくらいの時は、ラグビーの練習から帰ってきても晩御飯ができていない時とかもあり、自分で作ったりしていました。そのおかげで、私たち兄弟は、自分で料理が作れます。
今、一人で生活するのに、食事に関してはその時の経験から役にたっています。また、少ないおかずと、美味しくなかった料理を食べていたので、どこに行っても何でも美味しく食べられます。今、考えてみると、私も、母の愛情のおかげで現在一人で暮らせているのであろうと思えます。