本日は「教育勅語」の教えが日本人にとって如何に大事かを考えて、原文、読み下し文を載
せておきたいと思いました。
第二次世界大戦の敗戦後、日本は連合国軍総司令部(GHQ)に占領されました。
彼らの中に日本を理解している人物はいなかった。日本の文化、文明についても国際法
についても素養があるとは思えない人々が日本国憲法の起草を手がけた。
その結果、生まれたのが米国が占領統治しやすいように作られた今の憲法である。
彼らの日本憎悪、侮蔑の念は徹底し、皇籍離脱、財閥解体、家族崩壊に及んだ。
そこで、家族についてですが、次のように指摘されています。
現在、日本の社会は家族を大切にしてきた長い伝統を持ちながらも、その伝統は戦後急速
に薄れてきた。現行憲法には極めて深刻な欠陥がいくつもある。
なかでも第三章「国民の権利及び義務」は一瞬たりとも許容しがたいと言ってよい程だ。
同章は日本社会を構成してきた家族を否定し分離し、個人をバラバラの存在として位置づ
けることを軸に構成されている。
日本国憲法が権利と自由を強調し、責任と義務を相対的に軽視していることが解る。
この構成の中で家庭と家族が分解されていくのである。
「家族」の役割や意義について書き込んだ文言は憲法の他の条項にも、基本精神を記した
はずの「前文」にもないのである。
憲法を読む限り、日本には個人は存在しても家族は存在しないことになる。
家庭の大切さを切り落とした日本国憲法は文字通り世界の異端なのである。
戦前は、家族関係を含め、心の部分を教える教訓があった。それを今は見かけなくなりま
したが、教育勅語だったと先達は教えています。
私は教育勅語を原文並びに読み下し分を載せる必要があると考えました。
それは、日本人の心そのもの、と言って程、強く、美しく、優れた文章で書かれた日本人
に無くてはならない所産であったと考えるからです。
宗教等を通して世界平和、人類共存の道、道義を教えたもう人達は過去にもいましたが、
国、自らがその道を確立して道義国家としての礎を築いたのは、他ならぬ日本だった
と。・・・私はこの勅語を通して思うのです。
人生をどう生きたら良いのか?
日本人として、
家族とは?
友人とは?
夫婦とは?
国家とは?
様々な疑問があるでしょう。
どのように接していけばいいのか?、その過程に何があるのか?、そして、その結果どう
なるのか?
それらは、私には日本人の教育の原点とも言える聖徳太子の十七条憲法での教えや五箇条
の御誓文などを通して日本の歴史上の史実に反映されていると感じます。
そして、明治時代に、この教育勅語が出来たと思っています。
私達の先達の作り出した道義国家、日本の教育の礎を振り返りましょう。
それでは原文を見ましょう。
<教育ニ關スル勅語>(原文)
朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニヲ樹ツルコト深厚ナリ
我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此
レ我カ國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ
兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ
修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開
キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無
窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス
又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所
之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々
服膺シテ咸其ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
明治二十三年十月三十日
御名御璽
確かに現代の(戦後の)若者が読むには難しい文章だと思います。しかし、私たちの
先輩は当用漢字のおよそ3.5倍の6300語以上の漢字を常用漢字としていたそうで
す。明治時代の作家達の使用する漢字が難しいと感じるのは当然でしょう。
次に読み下し文を見てみましょう。
その前に休憩しましょう。本日は杉田かおるさんの「鳥の詩」を聴いて下さい。
日本テレビドラマ「池中玄太80キロ」の西田敏行さんの迫力ある演技には感動しまし
た。この曲はこのドラマの挿入歌でした。
鳥の詩 杉田かおる
<教育に關(かん)する勅語>(読み下し文)
朕(ちん)惟(おも)うに、我(わ)が皇祖皇宗、國(くに)を肇(はじ)むること宏遠
(こうえん)に、を樹(た)つること深厚なり。
我が臣民、克(よ)く忠に、克く孝に、億兆、心を一にして、世世(よよ)、厥(そ)の
美を濟(な)せるは、此(こ)れ、我が國體(こくたい)の精華にして教育の淵源、亦
(また)實(じつ)に此(ここ)に存す。
爾(なんじ)、臣民、父母に孝に兄弟(けいてい)に友に、夫婦相(あい)和し,、朋友
(ほうゆう)相信じ、恭儉(きょうけん)、己(おのれ)を持し、博愛衆に及ぼし、學を
修(おさ)め、業を習い、以(もっ)て智能を啓發(けいはつ)し、器(とくき)を成
就(じょうじゅ)し、進(すすん)で公益を廣(ひろ)め、世務(せいむ)を開き、常に
國憲を重んじ、國法に遵(したが)い、一旦緩急あれば、義勇公に奉じ、以て天壤無窮
(てんじょうむきゅう)の皇運を扶翼(ふよく)すべし。
是(かく)の如きは、獨(ひと)り朕が忠良の臣民たるのみならず、又、以て爾(なん
じ)祖先の遺風を、顯彰(けんしょう)するに足らん。
斯(こ)の道は、實(じつ)に、我が皇祖皇宗の遺訓にして、子孫臣民の倶(とも)に
遵守(じゅんしゅ)すべき所、之(これ)を、古今に通じて謬(あやま)らず、之を中外
に施して悖(もと)らず、朕、爾(なんじ)臣民と倶に拳々服膺(けんけんふくよう)し
て、咸(みな)、其(その)を一にせんことを、庶幾(こいねが)う。
明治二十三年十月三十日
御名御璽(ぎょめいぎょじ)
皇祖皇宗(こうそこうそう)・・・皇祖皇宗も天皇(皇室)の祖先のことをいうが、皇祖
は、始祖である天照大神(あまてらすおおみかみ)ないし神武(じんむ)天皇のこと、あ
るいは天照大神ないし神武天皇までの歴代(代代)のこと。皇宗は、第2代綏靖(すいぜ
ん)天皇以下の代代の天皇をいう。
肇(はじ)ムル・・・創り開く 。
宏遠(こうえん)・・・広くて遠大なこと。
徳(トク)・・・身についた品性。社会的に価値ある性質。善や正義に従う人格的能力。
すぐれた求道者。
國ヲ肇(ハジ)ムルコト宏遠(クワウエン)・・・初代天皇の神武天皇自身天から人間界
の降りてきた「ニニギノミコト」(天照大神の孫)という神様の曾孫(そうそん⇒孫の子
=ひまご)で、天上の神々の中で最高の位にある天照大神の神勅を受けて日本の国を作っ
たという神話を踏まえてのこと。ちなみに日本の国を生んだ神とされる「イザナギノミコ
ト(伊邪那岐命)」が川で左眼を洗ったら現われたのが天照大神である。また、日本は、
「イザナギノミコト」と「イザナミノミコト」(伊邪那美命)が天の浮き橋に立ち、天の
瓊矛(ぬほこ)を下界にさし降ろしてかき回し引き上げたところ、矛先からしたたりおち
た滴(しずく)が固まって島となったとされる。
深厚(しんこう)・・・情け、気持ちなどが心の底から発したものであること。
臣民(しんみん)・・・君主国(明治憲法下の日本)の国民。
克(よ)ク・・・能力を発揮して成し遂げることで、 「能く」と同じ。
億兆(おくちょう)・・・万民。全ての国民。限りなく大きな数。
厥(そ)ノ ・・・「其の」と同じ。すでに述べた事柄に関係する意を表す。
濟(な)セル・・・「成せる」と同じ。つくりあげるの意味。
國體(こくたい)・・・国家としての固有の体制ないし性格、天皇体制の意。
精華(せいか)・・・そのものの真価をなす、立派な点。
淵源(えんげん)・・・物事の拠(よ)って立つ根源。
恭劍(きょうけん)・・・人にうやうやしく、自分は慎み深くすること。
徳器(とくき)・・・善良有為(立派な人格)の人物。
世務(せいむ)・・・世の中に役立仕事。
國憲(こっけん)・・・国の根本法、すなわち憲法。
一旦(いったん)緩急(きんきゅう)アレバ ・・・万一国家に危急の事態が起こった場
合には。
義勇(ぎゆう)公(こう)ニ奉(ほう)シ・・・正義にかなった勇気を奮い起こし、国
家・公共のために尽力する。
天壌無窮(てんじょうむきゅう)・・・天地と同じように永久に続くこと。
皇運(こううん)・・・天皇を戴(いただ)く日本国の運。
扶翼(ふよく)・・・たすけること。
遺風(いふう)・・・祖先が残した美風。
古今(ここん)ニ通シテ謬(あやま)ラス・・・昔から今に至る何時の時代に実践しても
間違いのないさま。
中外(ちゅうがい)ニ施シテ悖(もと)ラス・・・我が国で実践しても外国で実践しても
道理に反しないさま。
拳拳(けんけん)服膺(ふくよう)・・・謹んで捧げ持つようによく守ること。
咸(みな)・・・ 「皆」と同じ。
庶(こひ)幾(ねが)フ・・・願い望むこと。
御名御璽・・・天皇の名前と印のこと。
私は前回、この口語訳を載せましたが、ここに加えておきます。
朕(明治天皇)がおもうに、我が御先祖の方々が国をお肇(はじ)めになったことは極め
て広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよ
く忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげ
て来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。
汝(なんじ)臣民は、父母に孝をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦(むつ)び合
い、朋友互に信義を以て交り、ヘりくだって気随(きずい-自分の思うまま)気侭(きま
ま-他人に気がねなく自分の思い通り)の振舞をせず、人々に対して慈愛を及ぼすように
し、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益
を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵
守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧(ささ)け
て皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮(かぎ)りなき宝祚(あ
つまひつぎ)の御栄(天皇陛下の御運勢)をたすけ奉(たてまつ)れ。
かようにすることは、ただに朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもな
おさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。
ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫
たる者及び臣民たる者が共々にしたがい守るべきところである。
この道は古今を貫ぬいて永久に間違いがなく、又我が国はもとより外国でとり用いても正
しい道である。
朕は汝臣民と一緒にこの道を太切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。
戦後生まれの私はこの「教育勅語」と言う名こそ知っていましたが、内容は全く知らず
におよそ50年と言う月日を経て来てしまいました。
私たちの先輩は「道義国家」を国の目標に掲げ、西洋や米国の脅威に晒されながらも必
死に生きてきた事が解ります。
この教育勅語は天皇自身も国民と一緒に大切な勅語を守って、徳を高めていこうという
決意が書いてあります。
このブログをご覧になる方は、戦争を知らない世代の方が大半だと思います。
戦争という言葉こそ使いませんが、世の中を見ると、この平和な世界の中で目に見えない
戦いがいくつも続いています。
例えば、「営業」では競争の原理が働いています。
この競争を止めて、世界中が平和な落ち着いた生活を営んで欲しいと思います。が、現在
では理想の域を出ません。
先達は戦後の日本について、この勅語の他に「第九条」、「政教分離」、「教育と家
族」、「国会」、「基本的人権と表現の自由」など改善の余地のある項目を
挙げておられます。
ですが、これらは憲法を改正すれば大部分は改善出来るのでは?
と思いました。
憲法を改正して
明日を担う若者よ!
知恵と勇気を持って!
どうぞ日本の未来をもっと輝かしい国にして下さい。
黎明の瑞穂の國の初日かな
最後にヴィヴァルディの「四季」から「冬」を聞いて下さい。この曲は私がクラッシック
音楽を好きになるきっかけになった曲です。
Vivaldi The four seasons - Winter - Julia Fischer
参考資料
櫻井よしこ著 気高く、強く、美しくあれ 小学館 2006年8月
※)ここからは広告主様による商品の案内、「広告」です。購入の意思表示、つまり「決済」するまではお支払いはありませんので、安心して商品をご覧下さい。よろしければご購入下さい。
せておきたいと思いました。
第二次世界大戦の敗戦後、日本は連合国軍総司令部(GHQ)に占領されました。
彼らの中に日本を理解している人物はいなかった。日本の文化、文明についても国際法
についても素養があるとは思えない人々が日本国憲法の起草を手がけた。
その結果、生まれたのが米国が占領統治しやすいように作られた今の憲法である。
彼らの日本憎悪、侮蔑の念は徹底し、皇籍離脱、財閥解体、家族崩壊に及んだ。
そこで、家族についてですが、次のように指摘されています。
現在、日本の社会は家族を大切にしてきた長い伝統を持ちながらも、その伝統は戦後急速
に薄れてきた。現行憲法には極めて深刻な欠陥がいくつもある。
なかでも第三章「国民の権利及び義務」は一瞬たりとも許容しがたいと言ってよい程だ。
同章は日本社会を構成してきた家族を否定し分離し、個人をバラバラの存在として位置づ
けることを軸に構成されている。
日本国憲法が権利と自由を強調し、責任と義務を相対的に軽視していることが解る。
この構成の中で家庭と家族が分解されていくのである。
「家族」の役割や意義について書き込んだ文言は憲法の他の条項にも、基本精神を記した
はずの「前文」にもないのである。
憲法を読む限り、日本には個人は存在しても家族は存在しないことになる。
家庭の大切さを切り落とした日本国憲法は文字通り世界の異端なのである。
戦前は、家族関係を含め、心の部分を教える教訓があった。それを今は見かけなくなりま
したが、教育勅語だったと先達は教えています。
私は教育勅語を原文並びに読み下し分を載せる必要があると考えました。
それは、日本人の心そのもの、と言って程、強く、美しく、優れた文章で書かれた日本人
に無くてはならない所産であったと考えるからです。
宗教等を通して世界平和、人類共存の道、道義を教えたもう人達は過去にもいましたが、
国、自らがその道を確立して道義国家としての礎を築いたのは、他ならぬ日本だった
と。・・・私はこの勅語を通して思うのです。
人生をどう生きたら良いのか?
日本人として、
家族とは?
友人とは?
夫婦とは?
国家とは?
様々な疑問があるでしょう。
どのように接していけばいいのか?、その過程に何があるのか?、そして、その結果どう
なるのか?
それらは、私には日本人の教育の原点とも言える聖徳太子の十七条憲法での教えや五箇条
の御誓文などを通して日本の歴史上の史実に反映されていると感じます。
そして、明治時代に、この教育勅語が出来たと思っています。
私達の先達の作り出した道義国家、日本の教育の礎を振り返りましょう。
それでは原文を見ましょう。
<教育ニ關スル勅語>(原文)
朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニヲ樹ツルコト深厚ナリ
我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此
レ我カ國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ
兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ
修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開
キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無
窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス
又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所
之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々
服膺シテ咸其ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
明治二十三年十月三十日
御名御璽
確かに現代の(戦後の)若者が読むには難しい文章だと思います。しかし、私たちの
先輩は当用漢字のおよそ3.5倍の6300語以上の漢字を常用漢字としていたそうで
す。明治時代の作家達の使用する漢字が難しいと感じるのは当然でしょう。
次に読み下し文を見てみましょう。
その前に休憩しましょう。本日は杉田かおるさんの「鳥の詩」を聴いて下さい。
日本テレビドラマ「池中玄太80キロ」の西田敏行さんの迫力ある演技には感動しまし
た。この曲はこのドラマの挿入歌でした。
鳥の詩 杉田かおる
<教育に關(かん)する勅語>(読み下し文)
朕(ちん)惟(おも)うに、我(わ)が皇祖皇宗、國(くに)を肇(はじ)むること宏遠
(こうえん)に、を樹(た)つること深厚なり。
我が臣民、克(よ)く忠に、克く孝に、億兆、心を一にして、世世(よよ)、厥(そ)の
美を濟(な)せるは、此(こ)れ、我が國體(こくたい)の精華にして教育の淵源、亦
(また)實(じつ)に此(ここ)に存す。
爾(なんじ)、臣民、父母に孝に兄弟(けいてい)に友に、夫婦相(あい)和し,、朋友
(ほうゆう)相信じ、恭儉(きょうけん)、己(おのれ)を持し、博愛衆に及ぼし、學を
修(おさ)め、業を習い、以(もっ)て智能を啓發(けいはつ)し、器(とくき)を成
就(じょうじゅ)し、進(すすん)で公益を廣(ひろ)め、世務(せいむ)を開き、常に
國憲を重んじ、國法に遵(したが)い、一旦緩急あれば、義勇公に奉じ、以て天壤無窮
(てんじょうむきゅう)の皇運を扶翼(ふよく)すべし。
是(かく)の如きは、獨(ひと)り朕が忠良の臣民たるのみならず、又、以て爾(なん
じ)祖先の遺風を、顯彰(けんしょう)するに足らん。
斯(こ)の道は、實(じつ)に、我が皇祖皇宗の遺訓にして、子孫臣民の倶(とも)に
遵守(じゅんしゅ)すべき所、之(これ)を、古今に通じて謬(あやま)らず、之を中外
に施して悖(もと)らず、朕、爾(なんじ)臣民と倶に拳々服膺(けんけんふくよう)し
て、咸(みな)、其(その)を一にせんことを、庶幾(こいねが)う。
明治二十三年十月三十日
御名御璽(ぎょめいぎょじ)
皇祖皇宗(こうそこうそう)・・・皇祖皇宗も天皇(皇室)の祖先のことをいうが、皇祖
は、始祖である天照大神(あまてらすおおみかみ)ないし神武(じんむ)天皇のこと、あ
るいは天照大神ないし神武天皇までの歴代(代代)のこと。皇宗は、第2代綏靖(すいぜ
ん)天皇以下の代代の天皇をいう。
肇(はじ)ムル・・・創り開く 。
宏遠(こうえん)・・・広くて遠大なこと。
徳(トク)・・・身についた品性。社会的に価値ある性質。善や正義に従う人格的能力。
すぐれた求道者。
國ヲ肇(ハジ)ムルコト宏遠(クワウエン)・・・初代天皇の神武天皇自身天から人間界
の降りてきた「ニニギノミコト」(天照大神の孫)という神様の曾孫(そうそん⇒孫の子
=ひまご)で、天上の神々の中で最高の位にある天照大神の神勅を受けて日本の国を作っ
たという神話を踏まえてのこと。ちなみに日本の国を生んだ神とされる「イザナギノミコ
ト(伊邪那岐命)」が川で左眼を洗ったら現われたのが天照大神である。また、日本は、
「イザナギノミコト」と「イザナミノミコト」(伊邪那美命)が天の浮き橋に立ち、天の
瓊矛(ぬほこ)を下界にさし降ろしてかき回し引き上げたところ、矛先からしたたりおち
た滴(しずく)が固まって島となったとされる。
深厚(しんこう)・・・情け、気持ちなどが心の底から発したものであること。
臣民(しんみん)・・・君主国(明治憲法下の日本)の国民。
克(よ)ク・・・能力を発揮して成し遂げることで、 「能く」と同じ。
億兆(おくちょう)・・・万民。全ての国民。限りなく大きな数。
厥(そ)ノ ・・・「其の」と同じ。すでに述べた事柄に関係する意を表す。
濟(な)セル・・・「成せる」と同じ。つくりあげるの意味。
國體(こくたい)・・・国家としての固有の体制ないし性格、天皇体制の意。
精華(せいか)・・・そのものの真価をなす、立派な点。
淵源(えんげん)・・・物事の拠(よ)って立つ根源。
恭劍(きょうけん)・・・人にうやうやしく、自分は慎み深くすること。
徳器(とくき)・・・善良有為(立派な人格)の人物。
世務(せいむ)・・・世の中に役立仕事。
國憲(こっけん)・・・国の根本法、すなわち憲法。
一旦(いったん)緩急(きんきゅう)アレバ ・・・万一国家に危急の事態が起こった場
合には。
義勇(ぎゆう)公(こう)ニ奉(ほう)シ・・・正義にかなった勇気を奮い起こし、国
家・公共のために尽力する。
天壌無窮(てんじょうむきゅう)・・・天地と同じように永久に続くこと。
皇運(こううん)・・・天皇を戴(いただ)く日本国の運。
扶翼(ふよく)・・・たすけること。
遺風(いふう)・・・祖先が残した美風。
古今(ここん)ニ通シテ謬(あやま)ラス・・・昔から今に至る何時の時代に実践しても
間違いのないさま。
中外(ちゅうがい)ニ施シテ悖(もと)ラス・・・我が国で実践しても外国で実践しても
道理に反しないさま。
拳拳(けんけん)服膺(ふくよう)・・・謹んで捧げ持つようによく守ること。
咸(みな)・・・ 「皆」と同じ。
庶(こひ)幾(ねが)フ・・・願い望むこと。
御名御璽・・・天皇の名前と印のこと。
私は前回、この口語訳を載せましたが、ここに加えておきます。
朕(明治天皇)がおもうに、我が御先祖の方々が国をお肇(はじ)めになったことは極め
て広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよ
く忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげ
て来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。
汝(なんじ)臣民は、父母に孝をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦(むつ)び合
い、朋友互に信義を以て交り、ヘりくだって気随(きずい-自分の思うまま)気侭(きま
ま-他人に気がねなく自分の思い通り)の振舞をせず、人々に対して慈愛を及ぼすように
し、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益
を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵
守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧(ささ)け
て皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮(かぎ)りなき宝祚(あ
つまひつぎ)の御栄(天皇陛下の御運勢)をたすけ奉(たてまつ)れ。
かようにすることは、ただに朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもな
おさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。
ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫
たる者及び臣民たる者が共々にしたがい守るべきところである。
この道は古今を貫ぬいて永久に間違いがなく、又我が国はもとより外国でとり用いても正
しい道である。
朕は汝臣民と一緒にこの道を太切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。
戦後生まれの私はこの「教育勅語」と言う名こそ知っていましたが、内容は全く知らず
におよそ50年と言う月日を経て来てしまいました。
私たちの先輩は「道義国家」を国の目標に掲げ、西洋や米国の脅威に晒されながらも必
死に生きてきた事が解ります。
この教育勅語は天皇自身も国民と一緒に大切な勅語を守って、徳を高めていこうという
決意が書いてあります。
このブログをご覧になる方は、戦争を知らない世代の方が大半だと思います。
戦争という言葉こそ使いませんが、世の中を見ると、この平和な世界の中で目に見えない
戦いがいくつも続いています。
例えば、「営業」では競争の原理が働いています。
この競争を止めて、世界中が平和な落ち着いた生活を営んで欲しいと思います。が、現在
では理想の域を出ません。
先達は戦後の日本について、この勅語の他に「第九条」、「政教分離」、「教育と家
族」、「国会」、「基本的人権と表現の自由」など改善の余地のある項目を
挙げておられます。
ですが、これらは憲法を改正すれば大部分は改善出来るのでは?
と思いました。
憲法を改正して
明日を担う若者よ!
知恵と勇気を持って!
どうぞ日本の未来をもっと輝かしい国にして下さい。
黎明の瑞穂の國の初日かな
最後にヴィヴァルディの「四季」から「冬」を聞いて下さい。この曲は私がクラッシック
音楽を好きになるきっかけになった曲です。
Vivaldi The four seasons - Winter - Julia Fischer
参考資料
櫻井よしこ著 気高く、強く、美しくあれ 小学館 2006年8月
※)ここからは広告主様による商品の案内、「広告」です。購入の意思表示、つまり「決済」するまではお支払いはありませんので、安心して商品をご覧下さい。よろしければご購入下さい。