ウクレレとSwing(スヰング)音盤

I Wish You Love (2007) / Lyle Ritz & Rebecca Kilgore

2007年、PDX Uke Recordsからリリース。ジャズ・ウクレレの名手ライル・リッツが移住先だったハワイを離れてアメリカ本土へ戻り、オレゴン州ポートランドに新居を構えた結果、そこで新たに得た地縁から生まれたのが本作。リリース元となったPDX Uke Recordsなるレコード会社も実体は地元オレゴン州のウクレレ愛好者の団体(Portland Ukulele Association)による自主制作レーベルだったようだ。

ともあれ晩年のライル氏にとってポートランドでの活動は輝かしい音楽家としてのキャリアの最終地点となった(2017年3月にライル氏はこの地で亡くなった)。本作で組んだ地元ポートランドで活動する女声ジャズ・ボーカリストのRebecca Kilgoreと吹き込んだ二作のうち、本盤がその一作目にあたる。ウクレレ伴奏によるジャズ・ボーカル作品というと、オーストラリアのジャネット・サイデルのアルバム「マナクーラの月(2005)」が日本でも人気を博したが、本作もほぼ同じ時期にリリースされた同趣向の作品といえるだろう。楽曲は2.の「シャレード」63年と8.の「Sway」53年と10.のタイトル曲でもある「I Wish You Love」46年作の3曲を除き、すべて戦前のオールドタイムなジャズソングばかりで構成されている。

1.I LOVE A UKULELE
2.CHARADE
3.AREN'T YOU GLAD YOU'RE YOU
4.THAT OLD GANG OF MINE
5.GIVE ME THE SIMPLE LIFE
6.I AIN'T GOT NOTHIN' BUT THE BLUES
7.I CRIED FOR YOU
8.SWAY
9.RUNNIN' WILD
10.I WISH YOU LOVE
11.SURREY WITH THE FRINGE ON TOP
12.REACHING FOR THE MOON
13.THEN I'LL BE HAPPY

演奏にはオレゴン大学で音楽講師を長年勤めていたDave Capteinがベースで加わり、録音は地元ポートランドのFalcon Recording Studioにて行われた。プロデューサーはPortland Ukulele Associationの代表でもあるMarianne Brogan と、Ann Smithが担当した。


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