ウクレレとSwing(スヰング)音盤

Plays The Theme From Hawaii Five-O (1970?)/ Ohta-San


Surfside recordsからの五作目。制作年度が不明だが、カタログナンバー一つ手前のSFS-106"Shades of Green/Linda Green"が1970年とあるので、本作(SFS-107)は恐らくオータサンの70年代に入って最初の作品だったろう。 しかし、ここで聴かれるサウンドはむしろ多分に60年代後期的である。あえて形容するならロッキン・ボッサ・インストとでもいおうか、ロック・インスト的な楽曲とクールなジャズ・ボッサが無理なく同居する。

ジャズ・ボッサ系の楽曲ではビブラフォンの使い方が効果的で、まるでレア・グルーヴ。もちろん従来からの流れでSeiji Hiraokaの参加を想像するところだが、本作でアレンジャー&コンダクターとしてクレジットされているのは、MAÇAO YAGUIという別の名前。もしや昭和・平成に活躍した日本のジャズ・ピアニストの八木 正生氏であろうか。数多くの映画音楽を手掛け、“ダバダ〜”のスキャットで知られるネスカフェのCMソングなどでも知られる作曲家である。

ジャケットに表記されている正確なアルバムタイトルは「OHTA-SAN Hawaii's Greatest Ukulele Player Plays The Theme From HAWAII FIVE-O And The Theme From ROMEO&JULIET And Other World Favorite」という長いもの。

選曲はボサノヴァとジャズの人気曲を中心に、バカラック、映画音楽、オータサンの自作曲を2曲(B4,B6)という選曲。そのB4は本アルバム収録のバージョンではアップテンポのジャズ・ロック調だが、のちに歌詞がつけられ女性歌手との"Linda Green with Ohta-San"名義でシングル盤としてリリースされた(Surfside Records ‎– 1006)。そちらはなんとグループサウンズのようなサイケ・ロック調の楽曲である。タイトル曲はアメリカCBS系で1968年から1980年まで12シーズンに渡り放送された、地元ハワイを舞台とする人気TVドラマから。

A1 Hawaii Five-O
A2 A Time For Us (Romeo & Juliet Theme)
A3 Wave
A4 Dindi
A5 April Fools
A6 Didn't We?

B1 Samba De Orpheus
B2 Green Dolphin Street
B3 Here's That Rainy Day
B4 Surfing Village
B5 Yesterday I Heard The Rain
B6 Love Can Be A Harmful Thing

録音はホノルルのCommercial Recording studioにて。プロデューサーはDon McDiarmid, Jr.



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