「気が向いたの de 復活」した「ぜろすたいる。」ですが、
こちらは気が向いたからといって、
「はーい。行きまーす♪」と挙手できるほど近くはない。
しかし勤務シフトが運良く連休になっているとなれば、
そりゃ天気予報が「吹雪」だの「暴風雪」だのと警告を発していたとて、
万難を排して赴かねばなりますまい。
直前まで情報収拾しまくった所、幸い新幹線は定刻発車だし、
米原~関ヶ原で少々減速しようと1時間以上余裕みてあるし、
横浜線が止まった時の迂回路も調べてあるし。
先にチェックインしてキャリーバッグ置いとけば、
積雪路なんか慣れっこの屁のかっぱ~♪
なんて余裕ぶっこいてたら、
死ぬかと思った。
いえ、別に地吹雪とかホワイトアウトとか冬の日常だし、
積雪路にヒールでも転ばない人だし。
でもね。
まず駅に入れないとか、入れても電車来ないとか、
来ても超すし詰めとか、先行列車で急病人とか、
なるべくならそういうの勘弁して欲しかったっす。
結局、一時間の余裕を使い果たして、
みっともなくも一時間の遅刻でようやく辿り着いたような次第で。
そんなわけで、到着してみたところがすでに宴もたけなわ。
スタジオの入り口雪まみれにしつつ、
暖かな柚子ドリンクを頂戴してほっと息をつきつつ、
はて、なんの話をされているのだろうかと。
はい。またオフレコ必至です。
ちゃんと聞きましたが、
都合よく忘れたことにさせていただきますw
したがって、トークライブのレポートというよりは、
ワタシの私的忘備録みたいなものになっちゃいますが、
なんとなーくそういう話だったのかなー
くらいの感じで読んでいただければ幸いです。
何しろ大遅刻の途中参加なので、
実際にその件に関する発言があったかは不明だが、
皆さんお気づきのように、
少し前から「キャスタッフ」のクレジットが消えているのは事実。
ゆえにそれに至るまでの経緯はともかく、
以前より「フリー」な立場になられたことに間違いはあるまい。
だからこそ思う所あっての、言いたいことあっての、
「ぜろすたいる。」の休止と再開なのだろう、と。
(注・ひーさまの所属に変更はないとのことです。コメント欄参照)
ひーさまの場合は、以前からその辺、割りと自由で、
社員というよりは、古くは権藤さん&清水さん、
比較的最近なら三四郎さんのような、
専属契約アクターさんに近い動きをしておられたこともあって、
ワタシ個人としては、正直、全く不安視はしていなかった。
しかしご当人にすれば、自身の心境の変化云々よりも、
自分を取り巻く周囲の変化の方が大きかったのかもしれない。
だからこそ、自由に泳ぎ回れる大海を目前にして、
これからどこに向かって漕ぎ出すか、
辿り着いた先で何を成すか、という課題以上に、
帰って来るべき港をどこにすべきか、
自身の軸足をどこに置くべきかが重要だったのかもしれない。
なんでも出来るからこそ、
敢えて生まれ育ったこの国にこだわってみる。
「軸足」で思い出すのは、
スチール写真で見たひーさまのハイキック。
足の指までまっすぐに伸びた蹴り足と、
不安定な体勢でありながら、寸分も揺らぐことなく直立する軸足。
それは最早、格闘技としての蹴りではなく、
魅せるためのバレエ、殺陣という名の舞のように見えた。
それがひーさまのいう『型』なのかとふと思った。
『型』で成立している伝統芸能の極めつけは「能」であろう。
あれこそ日本人(しかも幽玄の世界を解する者)以外には、
特撮的な趣もある歌舞伎以上に、完全に理解不能であろう。
あの必要最小限の舞台装置とシテ=主役の動きが、
逆に見る側の感性と想像力を最大限に刺激する。
ワタシはかつてそれと同じものをウルトラマンで見たことがある。
能面ですら目も鼻も口も彫られているというのに、
そのウルトラマンらしき青い巨人には、
瞳はおろか、点滅するカラータイマーすらなかった。
それでもワタシは、彼が敵を倒せたことに満足していること、
一緒に戦ってくれた友に感謝の意を伝えようとしていること、
その生命が今まさに尽きようとしていることを理解した。
そしてその手が力なく地面に落ちた時、
この台詞もナレーションもない仮面劇に私は号泣していた。
その体験がなければ、
ワタシが雪の相模原に来ることはなかったと断言できる。
『型』を修得することは忍耐を要する。
しかし人によって要する時間は違っても、
いずれはそれなりにカタチになってくるというものだ。
それより重要なのは、そこに『魂』があるかどうかた。
つまり、あのスーツを一度でも着てみて、
それでもまだ続けたいと思った時点でその人にはすでに、
ウルトラマンたるにあたって必要条件であるところの『魂』がある。
そして続けてさえいれば、やがて脂肪は燃焼し、筋肉がつき、
十分条件であるところの『型』を会得するに至るであろう。
ワタシは時々、無性にその『魂』に会いたくなって、
スタジアムやかつてのジャングルに出かけて行く者である。
そして一期一会の覚悟で、相模原にもやってきた。
幸いにして、特撮の神様は二度目の機会を与えてくれた。
(三度目があるかは知らん)
映像や舞台で見ることはあっても、
直接(スーツすら介さず)手を触れることはないと思っていた、
その魂と言葉のやりとりすら交わすことができた。
これまでに何度も何度も、
あの青い巨人に出会えて良かったと思った。
中に入っているのは何者だ!と探し求めて幾星霜。
そう。
願い続けていれば、魂を忘れなければ、
いつかきっとそれなりのカタチになるのだ。