ガワ萌ヱ日報

わずかな情報と膨大な妄想で構成された、ガワ萌ヱな人のためのWEB壁新聞です。

飛翔の舞

2007年12月18日 22時27分09秒 | 岩田栄慶
『時の海鳴り』はワタシにとって最も印象深い回の一つである。
それは太田 愛女史の脚本によるところが大きいのだが、
絵的にも極めて秀逸であったことは、以下の画像が示すとおりである。



ふわりと宙に舞い上がったメビウスが、背後の満月と重なり合う瞬間である。

メビウスは戦うために地球にやってきた若き戦士というふれこみである。
なるほど。その端正な顔立ちには、またあどけなさがありありと残っている。
しかしそのたくましい肢体は、成熟した男そのもの。
一見無垢な少年のようでありながら、その性的すぎる肉体はなんだ!みたいな。
これがいわゆるアンビバレンツな魅力ってやつなんでしょうね。
見ているこっちも既に成熟して久しい人なので、
その辺りはぬかりなく、且つ、目ざとくチェックしてしまうわけですよ。

そんな時、ふいに目に飛び込んできたのが、宙を舞う岩田メビウスであった。

「こんなウルトラマンはいまだかつて見たことがない!」

まるで重さを感じさせない、軽々とした飛翔。
これは羽根のない天使の仕業か?
はたまた、見えない羽衣をまとった天女(ヲイ)の舞いか?

否、これは監督・アベユーイチが仕掛けた、卓越した視覚マジックである。
音もなく月の高さに達するその跳躍力。
そして広げた腕が月の直径と一致する、一瞬の奇跡。
(実はものすごく意図的な構図なんだけどね)
これはウルトラマンの超人性と神秘性を見事に描写した名演出であるといえよう。

しかし、手法云々は全くの後付にすぎない。
我々は只々、岩田メビウスのしなやかな腕と、絶え入るばかりの細腰と、
まさに超人そのものであるその『飛翔の舞』に感嘆するしかないのである。

元から伸身宙返り系の技って好きなんだよね。
やっぱ回転数より飛形姿勢でしょ。なんてね。



んなことを言ってる間に、今度はそれにひねりを加えてきた。
しかも片腕は指先まできれいに伸ばしたままで。



普通に立ってる時でもこんだけ腰ひねれるか?
とりあえずワタシは無理だ。
しかも、この体勢では着地点はおろか、
ほとんど何も見えない状態で飛んでるんじゃないかと思う。
しかしこの人は、ちゃんとカメラの位置と、
それに対する自分の体の向きを把握していて、
自ら「見え方・映り方」を意識して調整しているように見える。

つまり『時の海鳴り』も『故郷のない男』も、
奇跡的なシーンではあるが、そこには確かな必然性があり、
我々が見ている映像は単なるまぐれ当たりでもなければ、
100テイク撮った中の奇跡の1テイクでもないのだ。
そこに在るのは、類稀な演出をひねり出す監督と、
それを的確に具現化しようとする表現者との、身を削るようなせめぎあいだ。

岩田氏の正確な身長は知らないが、一見して180cmはゆうに越えている。
なのにありえないくらい身が軽い。しかも極めて柔軟性が高い。
ワタシが常々、この人を他のスーツアクターさんとではなく、
各種ダンサーと比較するのには、実はこういうわけがあるのですよ。
最近だと、フィギュアスケーターの表現と共通するものを感じたね。
わずか数ミリのエッジに体重を預けて氷上を舞うスケーターと、
ほとんど視界を奪われたまま、超人として振舞うスーツアクター。
その身にかかる負荷は異なるが、
アスリートでありながら、また同時に表現者である点で、
彼らの立ち位置は案外近いような気がする。

せわしなさの中で、とりとめもなくふとそんなこと考えてみたりする、
師走のぢゆんこです。


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10 コメント

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ぶはっ (ぢゆんこ)
2007-12-24 00:25:59
最後の妄想寸劇は、自分主演で脳内再生させていただきましたよ。
「これは人類に知られてはいけない秘密だから」ってことで、
メビウムシュートで撃ち殺されても構わないと思いました。
今度はそういう冷血エイリアンを素面+ガワで演じて欲しかったりしますが、
当面は脳内でみっちり妄想させていただきます。くくく。(^m^*)

「少女の感性」というと聞こえはいいですが、
要は非現実的かっこよさに痺れる単純な女なんですよ。
でも、アニメやCGの「ありえなさ」ではなく、
巨大特撮の「目に見える非現実」にたまらなく萌えてしまうんですね~

コマッタヤッチャ。(つ∀`*)
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ありがとうございます! (ゆかり)
2007-12-23 08:21:42
ぢゆんこさま!私はぢゆんこさまの文章は
読みやすくて大好きですが、お書きになる立場からは
いろいろな産みの苦しみがあるのですね。
読んで自分の気持ちの整理ができたり、
ひーさまへの思いを強くしたり、そんな場を
与えてくださって、本当に感謝しています!
ぢゆんこさまは少女の感受性と、大人の女性の
洞察力をお持ちなんですよね。素敵です!
憧れます!!

どれもすばらしい絵ですが、あえて1枚選ぶなら、
満月のメビちゃんですね。例えば・・・

ひーさまと恋人同士で、(妄想~)
月夜に公園で手をつないで歩いていたら、(妄想~)
突然真剣な眼差しで見つめられたので、
「えっ、もしかしてキス?」と思ったら、(妄想!)

「ボクは、本当はウルトラマンなんだ。」と
空を優雅に舞って、月の中に消えていってしまった。

後は、小さい頃読んだ、日本昔話の、
「天女のはごろも」か「つるのおんがえし」のように
呆然と立ち尽くすしかない・・・(妄想、終了~)

なーんて、どきどきしま~す!!!(終了!終了!)
ひーさまは本当に素敵ですよね~。
次はどんな一面を表現なさるのかな?

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なんでだろ? (ぢゆんこ)
2007-12-22 17:56:51
兄弟競演する時に固有名詞があったほうがいい、というのはわかりますが、
何故ジャックなんでしょうねえ~
でも、ちょいと伊達男っぽい雰囲気のある帰り兄さんらしくていいかも~

きくち氏の熱演のおかげで、長年に渡って、
変身前の人がスーツを着てると信じていたワタシ・・・(^^;A
かっこよさばかりではなく、見る人に、
「無表情なはずのマスクにウルトラマンの感情現れて見えた」
といわしめた最初のアクターさんだそうです。
残念ながら、幼女だったワタシにはそこまで理解するのは無理でしたが。

メビウスの「ウルトラマンが帰ってきた~」は、厚かましくも、
ワタシのために言ってくれてるんじゃないかと思いましたよ。(^m^*)
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帰りマンはなぜジャック? (kaori)
2007-12-22 09:25:01
なんでジャックなんでしょう??

きくち氏はネクサスとかメビウスにもさりげなく出演してらっしゃいますよね。
(メビウスなんか「きくち電器」の店長役でした。そのままやんけ!)
テロップ見て「この名前どこかで・・・。」と後になって気づきました。
最近のウルトラシリーズに出演なさっていると言うことは、
本当に伝説の名優さんなんですねぇ。
同年代の男子は彼を見てウルウルしてると思います!
絶対!
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マックスはガチ (ぢゆんこ)
2007-12-22 00:28:33
じっくり読まれますと、「てにをは」の妙な部分が多いかと。(^^;)
気がつくたびに修正してるんですが、
こういう自己の情緒面に関わる文章はホントに難しいです。
それこそ「ガワ萌え」「ひーさま萌え」という共通項がないと、
只の変態痴女談義になってしまいますし・・・
ってか、ワタシは変態痴女で一向に構いませんが。(ヲイヲイ)

マックスはそのキャラのせいか、ツルギを演じている場合と異なって、
動きそのものがインパクトに溢れてますよね~♪

ワタシの場合はきくち英一氏の「帰りマン」が焼きついている人なので、
平成組はむしろマッシブすぎる印象がありました。
幼児期の「刷り込み」ってやっぱ強烈ですよね。
でも刷り込まれているからこそ、
激痩せのエースが出てきたら凄い違和感を覚えるでしょうね。
SEVEN Xも初見は「なんぢゃこりゃ?」だったんですが、
今はあのムキムキ腹筋が大好きです。ぐふ。(^m^*)
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愛は直感 (ぢゆんこ)
2007-12-22 00:07:36
それを敢えて前頭葉で言語に変換しようとすると、
色々と理屈を引っ張ってこなくてはならないわけですが。
でもそうやって四苦八苦して編み上げた稚拙な文章であっても、
誰かに同感していただけるとものすごく嬉しかったりします。

京劇も宝塚も歌舞伎もスーツアクトも、
本当に無理に無理を重ねて生み出された「美」の世界だと思います。
京劇は超有名な「覇王別妃」と、
玉三郎の酔っ払った楊貴妃くらいしか知りませんし、
宝塚に至っては後にも先にも「ベルばら」と「風と共に去りぬ」のみですが、
現実と性別を超越している点で、ガワに萌える素因はあったものと思われます。(^m^*)

そう。誰が一番素晴らしいかではなくて、誰に一番萌えるかなのです。
これはもう「びびび」とくるかこないかしかないわけで、
理性や理屈ではなく、脳幹レヴェルの反応です。

そう。ひーさまの魅力の一つは「余韻」だと思います。
ワタシがツルギに惹かれたのも、戦いの最中ではなく、
その余韻の部分でした。
動いてナンボのアクターの、動いていない演技に惚れてしまったのは、
多分そういうことではないのかと。

鏡貼りではなくとも、デカい姿見はありそうですね。
ふっふっふ。←だから何故笑う

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うん、うん。 (kaori)
2007-12-21 13:42:45
はじめから最後まで
うなずいてばかりでした・・・。
おっしゃる通りで。

リアルタイムで見始めたのが
エースという世代。

相撲の立ち合い風の構え、がっしり短い下半身。
最近までその印象をぬぐえずに居ました。

その浅はかな考えを覆してくれたのが
まさに「マックス=ひーさま」。
こんなに美しいスリムな身体で、
身軽で、
表現力もあるウルトラさん

気がつくと、ひーさまマックスばかり
追っかけていました。

「舞」というにふさわしいアクションですね。


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美の追求 (ゆかり)
2007-12-21 10:04:58
ぢゆんこさま!文章何度も読みました。
そうしたら、なんだか、目が潤んできました。
今まで様々なウルトラを見て、
たくさんの素敵なアクターさん達を見てきたのに
なぜ、ひーさまなのか?
タカラヅカと京劇のおっかけをしていたのに、
なぜ、何の抵抗もなくガワ萌えに変貌したのか?

本当にアクターさんたちはどなたも素晴らしくて、
誰がいいとか、下手だとか決めるのは、無意味です。
ただ、ひーさまが表現なさるものと、
私がいいな~と思うものが、合っているのでしょう。
スピード感溢れる、キレのあるアクションの中に、
美しさ、儚さ、妖しさ、哀しさ、様々な感性が、
伝わってくるような気がするのです。
ひーさまの演技は物足りないとか、いまいちと
おっしゃる方も見かけたことがありますが、
見ている人にもいろいろな感性があって、当然。
でも私は、ひーさまの、あの何ともいえない、
優雅で、品があって、余韻のある雰囲気が大好き!!

日頃から美の追求、研究をなさって、
アクションの練習も黙々と
なさっているんでしょうね~。
ちょっとやそっとじゃできないような技ばかり。
天女・・・あ~、ぴったりです!
ぢゆんこさま、さすがです!!
ひーさまは、どんな生活をなさっているのでしょう?
もしかして、お部屋は鏡張り?きゃー!(妄想!!)

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うは~~~ (ぢゆんこ)
2007-12-19 23:08:35
たまんね~~~~~って感じでしょ?

動画で「ほええ~~~」となるのは当然ですが、
静止画でもコノザマでありまして・・・(´∀`*)
いや、静止画だからこそ見えてくるものもあるわけで。

頑張って書き上げますので、しばしお待ちくださいまし~

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美の舞 (ゆかり)
2007-12-19 08:45:17
ぢゆんこさまーっ!
あ、ありがとうございます!!
うわああ~、あわわわ、はあ~っ!!!

冷静になれるまで少し時間がかかります。
申し訳ありませんでした。
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