ウェネトさまの館

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「日本の素朴絵」(三井記念美術館)

2019年08月29日 06時14分38秒 | 展覧会・美術関連

一昨日は、三井記念美術館「日本の素朴絵 -ゆるい、かわいい、たのしい美術-」を観たのでございます。
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html


 

ツボる予感ありありで、7月に早々と観に行くつもりが、4期に分かれた展示期間の4期目になってしもうた。

本展では、ゆるくとぼけた味わいのある表現で描かれた絵画を「素朴絵」と表現し、「リアリズムを目指す表現の人為的・技巧主義的なものを超越した」という意味を含んでおるそうな。

構成は以下の通り。
主なお気に入りや気になった作品も、リスト順に挙げておきまする。

【展示室1~2:立体に見る素朴1】
素朴絵の前に、古い時代の素朴な表現として、埴輪や土器や仏像など。

《埴輪(猪を抱える猟師)》土器 古墳時代
ニンマリ笑ったような口も、左右の目の開き方も、全体もアンバランスで、某有名人に似ておるような・・・
捉えられた猪もユルいのぅ。

《狛犬(吽形)》陶製 鉄釉・白釉  江戸時代・寛延4年(1751)
ひょろ長い座り姿にひょろ長い顔、ふっくらシッポで、キツネかと思いきや狛犬じゃった。
茶色の体に、白手袋、白靴下、白襟巻きをつけたような白釉。

【展示室3:素朴な異界1 地獄絵・六道絵】

《地蔵十王六道図》絹本着色 室町時代(16世紀)
21幅の内の3幅。地獄なのに怖くない。

【展示室4:絵巻と絵本】

《つきしま絵巻》紙本着色 室町時代(16世紀)
2巻。4頭身ほどのユルい人々がみな可愛いく、とても悲しい物語とは思えませぬ。

《小藤太物語絵巻》紙本着色 室町時代(16世紀)
《雀の発心絵巻》紙本着色 室町時代(16世紀)
2点とも同じ物語じゃが、《雀の発心絵巻》のほうは鳥を擬人化せずに描いておりまする。

《鼠草子絵巻》紙本着色 室町~桃山時代(16世紀)
5巻のうち巻5。サントリー美術館で何度も観たお気に入り絵巻。鼠が哀れなのじゃ。

【展示室4:庶民の素朴絵1 大画面の素朴】

《仏伝図》鈴木猪兵衛筆 紙本着色 江戸時代・文政13年(1830)
6幅にわたって描かれた釈迦の一代記。中国チックじゃのぅ。

【展示室5:庶民の素朴絵2 大津絵】

《大津絵「若衆旅姿」》紙本着色 江戸時代(18世紀)
なかなかのイケメン。ボーダーの衣装に花笠姿。ファッショナブル(?)

《大津絵「猫と鼠」》紙本着色 江戸時代(18世紀)
猫と鼠のユーモラスな可愛さに、思わず笑みが。

【展示室5:素朴な異界2 地獄絵・六道絵・妖怪・付喪神・奇獣・幻獣】

《十王図屏風》紙本墨画淡彩 江戸時代(17世紀)
8曲1隻の屏風。線描のヘタウマ画の如き十王も地獄の様子も恐ろしさは微塵もなく、可愛さすら感じるぞよ。

《大坂城堀の奇獣》紙本墨画 江戸時代(19世紀)
ひと目見るなり吹き出した人面ゴジラ。
慶応2年、大阪城の堀から出現した事件を記したらしく、身の丈2m(意外と小さいw)、目から光を発し、虎の如き声で吠えたとか(目撃した人は酔ってたんかいw)

《神農化物退治絵巻》紙本着色 江戸時代
妖怪を放屁で退治するナンセンス話じゃが、描かれた妖怪がみな面白い。

【展示室6:知識人の素朴絵1 俳人・茶人・旦那の素朴絵(アマチュア的)】

素朴絵は、描き手が意識しない素朴絵と、意識的な素朴絵の二種に分けられるそうな。
本展は「意図的でない素朴絵」じゃが、展示室6と7は「意識的な素朴絵」
ちなみに「旦那」の語源が、サンスクリット語の「ダンナパティ」とは知らなんだ。

《鬼図》如心斎筆 紙本墨画 江戸時代(18世紀)
これを意図して描いたとはw

【展示室7:知識人の素朴絵2 僧侶の素朴絵(アマチュア的)】

《雲水托鉢図》南天棒筆 紙本墨画 大正時代
13人の雲水が行列して托鉢する正面姿と後ろ姿が対幅で描かれ、めちゃめちゃ可愛い。
このパネルに使われた作品じゃ。どうじゃ?可愛かろ?


 

【展示室7:知識人の素朴絵3 アマチュア的素朴絵(文人、俳人)、プロの素朴絵(琳派、浮世絵師など)】

《伏見人形図》伊藤若冲筆 紙本着色 江戸時代(18世紀)
「若冲」と表示がなければ分からんかった。

《千鳥図》中村芳中筆 不白賛 紙本墨書 江戸時代・享和3年(1803)
 5羽の千鳥も、ノの字の月も可愛いのぅ。

【展示室7:立体に見る素朴2】

《観音三十三応現身像》円空作 木造 江戸時代(17世紀)
6躯とも、ひょろ長い板状の木材に最小限の彫刻を施しており、6躯の中では「阿修羅身」が一番お気に入り。

《自身倚坐像》木喰明満作 木造 江戸時代・文化4年(1807)
インパクトありあり笑顔。最近どこかで見たような・・・と思うたら、「千と千尋」の“名のある川の神”がちょっと似てるようなそうでないような。

素朴絵の数々たいそう楽しく、グフグフ笑いながら観たのでございます。
前期も行けばよかったのぅ。尾形光琳の《竹虎図》とかも観たかった。
会期は9月1日まで。ご興味ある方はぜひ。

観終わって、桃パフェ求めて近くの某アンテナショップへ。
飲食コーナーは割と広うござりますが、桃パフェのカウンターは3席のみ。
整理券を受け取るのじゃが、たいして待たずに座れてラッキーじゃった。

桃は白桃かと思いきや、約1週間毎に桃の種類が変わるそうで、この日は黄金桃。
桃が丸々1個乗って登場~♪


 

が、桃は当たり外れが大きいからのぅ。
わたくしの桃は、硬くガリガリした歯ごたえで甘みも少なく・・・(涙)
でも、中のソフトクリームが美味しくて良うござりました。

わたくしの後のお客様からは、黄金桃と白桃の2種盛りになっていて羨ましかったぞよ。
今度は白桃の時に食べたいものじゃ。

パフェだけでは物足りず、ミニストップで和栗モンブランソフトをば♪
10人前持ってまいれ~!