Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

吉本 ばなな 「ムーンライト・シャドウ」

2013-07-30 11:56:47 | 日記

N大の日欧比較文化の講義で吉本ばななの「ムーンライト・シャドウ」は恋愛小説か?否か?というデイベートの時間があった。勉強した「トリスタンとイズー」や「ロミオとジュリエット」「タイタニック」などと比較して「ムーンライト・シャドウ」は?と言う事である。学生たちはディベートのテクニックを会得していて、結構活発に意見交換しているのを目の当たりにして私はただひたすら感心してしまった。学問とはこう言うものなのですね。勿論T先生の指導が立派。私は「ムーンライト・シャドウ」も「キッチン」も亡くなった者からの再生と考える。自分の来し方を思うと納得できるのです。若い時「キッチン」を読み変なの…で終わってしまったが、歳を重ねた今確実に理解でき癒されたのです。「ムーンライト・シャドウ」は吉本ばななのN大の卒論で、藝術学部長賞を受けたそうです。若いのにこれだけ深い内面を描くことが出来る…やはり才能でしょうか。

 


舞姫 森鴎外

2013-07-30 10:12:43 | 日記

N大の日欧比較文化のメインの教材は森鴎外の「舞姫」であった。「トリスタンとイズー」や「ロミオとジュリエット」「タイタニック」などと比較して「舞姫」を論じる。「舞姫」は13年前、夫とベルリンを訪ねる時、”ウンター・デン・リンデン”(菩提樹の木の下)に憧れて読んでいた。森鴎外の私小説だとばかり思っていたが、先生の解説から主人公太田豊太郎は三人もの候補がいて特定はされないと言う。エリスは後にドイツから林太郎(鴎外)を追って来日し、森家で追い払ってしまう事実がある。出世かエリスか思い悩んだ豊太郎、帰りの船上で回想し未練や心残りから鎮魂の意図で「舞姫」を書いたが、最後は「彼を憎むこころ今日まで残れりけり」で終わっているところが「舞姫」を読み解く鍵と言う。彼とは天方伯の随行員としてベルリンへやって来た相沢謙吉で何くれとなく豊太郎を助け、ついにはエリスと離別させ豊太郎を日本へ帰す。先生の解説は解り易くかつ深い。学問は難しい。(映画”舞姫”を先生は学生に見せたいが太田豊太郎が”郷ひろみ”なので止めたとおっしゃった。解る、解る!舞姫の真意が伝わらない…と、かつて映画を観た私は思った)。