坊や二人を連れて三ヶ月北海道から沖縄まで日本食を食べ歩くイギリス人一家の話の続編です。前作は幼い二人の子供が異文化のなかで子供らしく生き生きしていて楽しかったし著者の哲学的な話も納得できてとても新鮮でした。今回の”ますます編”は前編の紙面の都合でカットされたものに加筆したものでやはり新鮮味と勢いがない。しかし味の素社への直撃には驚いた。まあ会社にうまく交わされた感じですが。沖縄に長寿者が多いのは台風が世界一多い土地柄だからですって?海水のミネラルが土そのものや、食物、動物に与えられているからと言う。また「焼津の鰹節削りのスモークのまろやかな酸味は匂いは違うけれど、紙のように薄くスライスしたイベリコ豚の生ハムと似ている」と感じたそうです。今度私も心して鰹節削りを食べてみようっと。また築地魚市場の喧騒を「競馬中継のアナウサーがイスラム教の祈りの言葉を叫んでいるよう」と書いる。言い得て妙で可笑しかった。日本語を理解しない人にはこう聞こえるのですね。最後に著者には「伝統的な和食の本当の将来性は日本人が持つ揺るぎない価値観の中にある」と教えられた。