芥川賞受賞後の第二作目が待たれる”火花”の又吉直樹、彼の作った奇想天外の四字熟語を新進気鋭の書道家が描きました。今やライブで”書”も共演するほど若者にも浸透し始めた”書”です。又吉もドンチャン騒ぎのライブで田中象雨の書に出会い、書が最も輝いていて虜になりこの本の出版になったそうです。表題の”鈴虫炒飯”は鈴虫の鳴き声のように美しい音が響く炒飯で転じて「何よりも内容を求める」と言うのです。美味しいぱらぱらの炒飯を作っている時、お鍋とお玉の擦れ合う音を鈴虫と表現し”鈴虫炒飯”かなあと私は思ったのですが。彼の想像が逞しく飛躍しすぎて面白くない四字熟語もあり、田中象雨の書に負うところが大きいかも。彼は確かに”言葉の人”(朝日新聞天声人語より)だけれど消化不良の一冊。