見渡すと大きな建物はこのホテルぐらいです。シーズンオフの夏はコンファレンス・センターになり色々な会議が開催されるのでしょう。そして私たちのような旅行者も利用出来るのですね。いかし冬は大変な賑わいになるとガイドは言っていました。
最初の宿泊はサンピークです。バンクーバーから420k、ジャスパーナショナルパークへの入り口ですが周りの山々には多くのスキー場があり冬のリゾート地です。小さなホテルやペンション、別荘なとが散在し、全くの静寂の中で空気は澄み渡り凛とした素晴らしい空間に身を置き、聞こえるのは小鳥のさえずりだけ。早朝散歩に出かけたが、誰もいなく(少したってからお仲間のご夫婦にお会いしたが)此処で果ててもいいなあ…なんて思ったものです。本当です。
約9時間でバンクーバーへ着きました。ヨーロッパはプラス3時間ですから、その3時間がとても辛い。ですからあっと言う間に…です。空港の匂いがヨーロッパとも違う、あるスパイスの匂いのようですが説明が出来ない。インディアン(ファースト・ネイションと言うようにとガイドは言っていた)、先住民の美しい織物が迎えてくれた。やっぱりカナダだあと思った瞬間です。
”軽食をどうぞ”などと言う甘い言葉に誘われて、胃や腸が反乱を起こしているにも拘らず意地汚くお願いしてしまった。ただ、どのような物か試してみたくなるのです。一風堂って知らなかったのですが、私の嫌いなとん骨ラーメンだったのですね。ニンニクの匂いは凄いし…もう困って”ごめんなさい”しました。でも細麺で空の上のラーメンとしては立派でした。
国産フィレ肉のステーキです。羽田出発が21時50分ですから食事が出たのはもう24時、夜中にステーキを食べるのですから無理でしょう。でも汚い欲が頭をもたげ食べるのです。半分頂きましたがギブ・アップ。それからが大変でした。胃や腸がこんな筈ではないと暴れて、暴れて…。最後のデザートまで手をだしたのですから。ヨーロッパは朝の出発なのでこんな苦しいことはありません。其の上にビジネス・クラスなのにシートがフラットにならない。いくらツアーでも詐欺にあった感じです。どうぞANAにはお気をつけになられますように。
出かける前に立派な懐石料理をお友達のご主人にご馳走になったので、洋食を選んだ。前菜はフォアグラ帆立貝のガランティーヌ(鶏の肉への詰め物)と玉子に乗せたツナとりんごのサラダです。ゆで卵を半分にして二個のサラダ、美味しいけれどボリュームがありすぎ。しかしシャンパンとマッチしてとても美味しかった。
ヨーロッパがきな臭い今、衝動買いのような感じでANAでカナダへ行って来ました。まずアミューズにテリーヌや鮭昆布巻き、くるみの飴かけカップの中は二種のオリーブとクリーム・チーズなど。シャンパンは確かモエ・ヘネシーとか読めたので、末娘の会社のものでしょう。中クラスのシャンパンだと思う、薄くなく濃くなく和の鮭の昆布巻きに合うので驚いた。本当にアミューズですね、これから始まる旅に何時も胸が高鳴る一瞬です。
庭隅のトマトにお留守番を頼んでカナダ西部へ行って来ました。ポストはお隣にお願いした。昨夜門扉を開けてまずトマトを見たら赤いものが見えないので、日本は雨ばかりだったと納得していたところ、悲しいかな色づいたのを採っておいたと言う。私は折角自分で作るのですから完熟をモットーにしている。中玉トマトの一房が全部色つくと見事で、いつも我慢しているのに…気を利かせたつもりでしょうが私はトマトはお願いしなかった。木には手でむしり取った跡がありがっかりです。何でもアバウトと言うカナダから帰っても私には理解できない。人のセンシティビティーはそれぞれでしょうが、うんッ~です。(勿論半分お分けしましたよ、お分けするのがいやでなく、完熟を食べたいの)
お笑い芸人なんて好きでないが又吉直樹の”火花”を読んでから彼に非常に興味を持っている。Eテレの”オイコノミア”(ギリシャ語で経済だそう)をぼけたり時には真剣になって(彼の地味さがいい)ゲストと大阪大学の大竹文雄先生を盛り上げています。先生は私たちの周りのほんの小さな事を解りやすく学問的な経済学として説明します。昨夜は”忙しい人のための経済学”でゲストは角田光代さん、彼女は一日に時間を決めて書くとアイディアはどんどん浮かび書きやすくなると言っていた。そして驚いた事に28本もの締め切りを毎月こなしているそうです。時間の欠乏は集中力を生み生産性が高まると大竹先生が解説。近来の経済学はお金の学問だけでなく、人が幸福になるには人の行動はどうしたら良いかと言う”行動経済学”に進んでいるそうで、フィジカルだけでなくメンタルにも及んでいることは若い人には大切だとつくづく思った。