お好み夜話-Ver2

市場親父がウルっとした朝

スネに湿布をして、なるたけ負担をかけないようにして1日過ごした翌日。

今季一番の寒さだとかなんとかいっていた朝、それでも9時を過ぎて陽がさしてきたらそれほど寒いとは感じなかった。

思い立って、歩いて千住市場に行くことにした。

これからお好み焼の生地やその他いろいろ試作するし、卵くらいはこの年末年始箱買いしておいた方がいいと思ったのだ。

店に配達してもらって冷蔵庫に入れておけば必要な時に取りに行けばいいし、せっかく冷蔵庫や冷凍庫の電源は生きているのだから活用しない手はない。

足も痛くないし、歩行器に頼らず歩きに慣れることにして、リュックを背負って歩きだした。

我ながらスムーズに姿勢良く歩けていると思ったが、かあちゃんから見ても退院して間もない病人崩れには見えないとのこと。

しかし、踏切まで歩くだけで息が上がり、心肺機能が回復するにはまだまだ時間がかかると思い知った。



卵屋さんで、年末になると値上がりする卵を一箱明日店まで運んでもらうことにして、もう片付け始めている千住市場に入った。

体調を崩してから、もう2年近く市場に足を踏み入れていない。

かあちゃんに行きつけの仲買の店を教えて時どき仕入れに行ってもらっていたが、コロナ禍で店を休んでからはすっかりそれもご無沙汰だった。

市場の方も仲買の店が何軒か閉めてしまったところもあり、ひと頃と比べてなんだか裏寂しくなってしまった。

時間が遅いせいか、まだピークではないのか、年末年始の買い物で群がる「素人さん」の姿もなく、久しぶりの市場の中を見て回った。

すると、片付けをしていた店の親父と目が合い、

「おっ、ご無沙汰‼️」

と挨拶をした。

以前は走って買い物に来ていて、親父からランナーとかからかわれていた。

仕入れが多い時はリュックをパンパンにして、両手に荷物を下げて店まで走ったものだ。

最初はからかっていた親父も、次はどこに走りに行くんだ?なんて聞いてくるようになって、

「オレもなんとかしねぇとなぁ」

なんて自分の下っ腹をペタペタ叩いて笑うようになった。

この身に起こった顛末をざっと話すと、親父がウルっとして老眼鏡をずり上げた。

ま、また店を再開したら来ることもあるから元気でいてくれよ、と別れ、他の店を物色して千住市場を後にした。



いろいろ買い物をして、帰りは千住大橋駅からひと駅電車に乗った。

自宅に戻ってくるとさすがにちょっと疲れて、膝に近いあたりのふくらはぎが少しヘタっていた。

歩数は8857歩、6.3㎞、歩行器なしでよく歩けた。




ひと息ついていたら、「むっちゃん」が顔を出してくれた。

「飲む点滴」と甘酒をいただき、ひとしきり話しをして、来年コロナがもう少し落ち着いてオヤジももう少し元気になったら、また旅行に行こうと約して別れた。

「むっちゃん」とは何年か前に、正月に熱海の宿に泊まり我が家の全員と走って神社巡りをしたり、箱根駅伝のゴール地点で写真を撮ったりして旅行をした。

またそんなことがムスメとできたら楽しいよなぁ。

「むっちゃん」ありがとね。

きっと元気になって、店を再開して、旅行へ行けるようになるよ💪

焦らずね、ゆっくりね、暖かくなったら、ね👍

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