少し前に「ヒッチコック」を観た。
日本で公開される前から気になっていたが、良かった。
あの「アンソニー<ハンニバル・レクター博士>ホプキンス」がどうヒッチ先生を演じるのかとても興味があったが、さすが名優そっくりメイクではないのに、いつの間にか「アルフレッド・ヒッチコック」として違和感ないばかりか、往年の「ヒッチコック劇場」を観ているようで、シルエットではもう完全にヒッチ先生だった。
他の出演者も秀抜で、奥さんの「アルマ・レヴィル 」役の「ヘレン・ミレン」の芝居も見事だし、「アベンジャーズ」よりも「ヒッチコックブロンド」にした「ジャネット・リー 」役の「スカーレット・ヨハンソン」にグッときちゃいます。
お話しは映画「サイコ」誕生秘話という側面もあるが、サスペンスの巨匠・天才と賞賛された「ヒッチコック」を影で支え続けた妻「アルマ」との愛情物語といったほうがいい。
イギリスで名を売り、舞台をハリウッドに移し成功をおさめていた「ヒッチコック」が、「サイコ」を巡って映画会社や映倫と対立、資金が集まらないため自らの豪邸を担保にしてインデペンデントな映画製作を続けたという、「ヒッチコック」映画最大のヒット作である「サイコ」にそんな経緯があったことを初めて知った。
「サイコ」で一番取りざたされる「シャワーシーン」にも様々なエピーソードがあって、長らく「ヒッチコック」映画から遠ざかっていたことを思い知らされた。
もともと「ヒッチコック」との出会いはTVの「ヒッチコック劇場」だが、その後アカデミー作品賞をとった「レペッカ」を観てハマった。
ビデオもDVDもない時代だったから、何度も名画座へ通って観た。
そして少々高かったが思い切って買って、アンダーラインを引きながら読んで勉強したものだ。
故に、ヒッチ先生と呼ぶ。
しかしイギリス時代のサイレントや初期のトーキーなどは観ていないし、代表的な作品しか観ていないのであんまり大きなことは言えない。
今回「ヒッチコック」を観てあらためて往年の名作が観たくなってDVDを借りてきた。
まずはやはり「サイコ」
続いて「ダイアルMを回せ」
そして「めまい」
で、最後は何と言っても一番好きな「鳥」
今の感覚だとちょっと食い足りない感もあるかもしれないが、必見 !!
「ヒッチコック」作品に比べたら、かあちゃんの大好きなTVのサスペンスなんてちゃんちゃんら陳腐に見えちゃいます。
少しずつBlu-ray版をそろえていこうかな、と思う。
最後に、映画「ヒッチコック」では簡素なものだったけれど、1979年のAFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)功労賞の受賞スピーチがすべてを物語っているので以下に記す。
「私に大いなる愛情と高い評価を与え、
常に激励と共に惜しみない協力をしてくれた
4人の人物をあげることを、お許しください。
1人目は映画編集者
2人目は脚本家
3人目は娘のパットの母
4人目は家庭の台所で奇跡を見せる優秀な料理人
偶然にも4人全員が同じ名前、
その名もアルマ・レヴィルです」
Alfred Hitchcock
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