お好み夜話-Ver2

退院後の苦行

11月24日、予定の10時になっても検査結果と会計が上がってこないので、手持ち無沙汰にベッドにひっくり返っていた。

そうしていないと久々に履いたジーンズのウエストが腹の傷口に当たって痛くて仕方なく、かあちゃんと同じく帰りは「ちち」のタクシーに乗せてもらわなきゃとても電車なんかでは帰れやしないと実感した。

10時半を過ぎてやっと会計が上がってきて、荷物を持ってヨロヨロとエレベーターに乗って階下へ降りる。

入り口のベンチでかあちゃんと落ち合い、外来棟までの120メートルの渡り廊下を休み休み歩いて渡った。

外来棟は連休明けでどこもかしこも混雑、倒れるようにベンチに座り会計を待ち、厚生医療や保険の書類を出すために文書受付でまた待つ。

11時を過ぎ12時になろうかという時刻にようやく全てが終わり、「ちち」に連絡してタクシー乗り場へ向かった。


「ちち」のタクシーは快適、だが断続的に襲ってくる痛みに悶えつつ、どこかで昼食を食べて薬を飲みたいので寄ってもらうことにした。

病院を出てから小1時間の間にオヤジとかあちゃんの膀胱は満杯、食べる前に出してスッキリして明日行くクリニックの予約を取った。


女子医大で移植手術を受けた多くの人が通うことになるクリニックは、女子医大と同じく「若松河田」の駅で下車して抜弁天の方へ7、8分歩いたところにある。

退院翌日にそこへ受診し、免疫抑制剤の調整やカリニ肺炎の薬をもらってくださいとのことで、採血やら何やらがあるので朝9時までに来てほしいと言う。

朝9時までにクリニックへ入るということは、7時半頃には家を出なきゃならない。

満員電車を避けてくれというのに、そんなラッシュアワーの真っ只中に電車に乗れるか⁉

この痛み具合で、ヘルプマークを付けてたって殺人的な電車になんかに乗れるわけはない、ということでまた「ちち」のタクシーのお世話になることにしたのだった。


翌日、朝9時の段階でクリニックは混雑、受付をして診察券をもらうと患者番号は5366。

すくなくともその人数の人が女子医大でドナーかレシピエントになったということて、10代は見当たらなかったが、20代からの老若男女がたくさん診察にきていた。

いろいろな説明を受け、ようやく採血・採尿にたどり着いたのは10時半を回っていて、女子医大の外来でも担当だったざっくばらんな医師の診察を受けたのはお昼過ぎ😓

1回の服薬量は少し減ったとはいえ、薬剤管理や注意事項があまりにも多く、かあちゃんからもらった腎臓が無事体内で定着するまではまったく油断できないことを思い知る。

薬の処方まで終わったのは午後1時過ぎ、もらったばかりの痛み止めを飲んでクリニックを後にした。


帰りも「ちち」にお願いしようかとも思ったが、当分は週2回クリニックに通うことになるので、慣れるためにも電車で帰ることにした。

かあちゃんに左側を支えられて、杖の老人よりもゆっくりなペースで、何度も痛みのために立ち止まって息も絶え絶えな感じで駅にたどり着いた。

電車で座るたびに5秒で寝落ち、なんとか自宅に戻ってきたのは午後3時を回っていた。

もう何をする気力もなく、Yogiboに倒れ込むように爆睡した。


さらに翌日26日、朝の体重は相変わらず52㎏台、すぐに痛み止めを飲む。

今日は店まで歩いて行ったが、断続的に襲ってくる痛みに二、三度立ち止まって休み休み。

痛み止めはまったく効いている感じがしない。

出たついでに東急ハンズに寄り、「週間投薬カレンダー」とピルケースを買う。

服薬管理を間違いなくやるため、残量を把握するため、1週間・朝・昼・夕に飲む薬をあらかじめ振り分けておこうと考えたのだ。

あと3ヶ月、もしくは6ヶ月かかって腎臓が定着するまでは気を抜かず、オヤジの中の小さいかあちゃんを守るため、確実に時間通りに薬を飲まなければならない。



明日は再び9時までにクリニックへ行かなければならず、歩きで電車だと家を7時ごろに出ることになる。

さてさて、どうなることやら・・・。

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