お好み夜話-Ver2

継ぎ接ぎオヤジはヘソふたつ😑

「〇〇さん、ご家族の方来られましたか?」

点滴付きの車椅子のお爺ちゃんの耳元で、ナースが大きな声でいった。

「誰もこねぇ、姥捨山だ・・・」

嗄れた東北訛りでそのお爺ちゃんが呟いたのに、通りがかりのオヤジは振り返った。

背中を丸め、ヨーダのようなシワシワの80歳オーバーと思われる老人が俯いていた。

それを見て先日読み終えた「楡周平」の「サリエルの命題」を思い出した。

『少子化は正しい。問題は長寿だ。突然発生した新型インフルエンザで、離島の住民が瞬く間に全員死亡。そしてとうとう本州にも感染者が。頼みの治療薬の備蓄が尽きる時……。助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。迫真のポリティカル・サスペンス!悪魔のウイルスの名は「サリエル」・・・』

この本で語られている「プレバンデミックワクチンの優先順位」は厚生労働省・内閣府のホームページを見てみると確かに書かれていて、「助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ」=「老人は後回し」という「命題」に小説では医者や役人が喧々諤々するのだ。

もしワクチンが家族全員に行き渡らなかったら、自分はいいから子供や孫を助けたいというのが目上の者の心情だろうが、現実はそうならず醜い争いが起きるかもしれない。

それとともに語られるのが日本の至れり尽くせりの医療保険制度の限界で、いずれ破綻することは何十年も前から指摘されていたのに何の手も打てずにいるうえ、その保険制度を目当てに病を抱えた外国人の偽装結婚や犯罪が頻発している現状も深刻だ。

外国人ばかりではなく怪我をした犯罪人も手厚く看護されているわけで、重い病を抱えた人が刑務所に入って治療を受けたいと犯罪を犯すということもある。

リアルタイムで入院しているこのポンコツには痛い話しだった。


で「姥捨山」状態のお爺ちゃんのことを考えると、どんな家族構成なのか暮らしぶりなのかはわからないが、介護が必要な年寄りが入院してくれて正直ホッとしているのではなかろうか。

しかしそれで厄介払いと考えて、ほったらかしというのは身につまされるよなぁ。

もし、かあちゃんがリッチで八方美人だったら、このポンコツは厄介払いだったかも・・・、嗚呼、清く慎ましく平々凡々な庶民でよかったぁ😓

家族も知人も誰も面会に来てくれない病院LIFEは切ないよなぁ、このポンコツはムスメかマゴくらいのナースを笑かしたり減らず口を叩いていて退屈を紛らわしたりしてるけど、もうやんなっちゃって憂鬱だよなぁ、ホスピタル・ブルーなんて言葉があるかどうか知らないが長くいると病院でもエコノミー症候群になっちゃうと聞くし、痛みがあるからおとなしくしているけれどもうそろそろ出所してシャバに戻らないとヤバイよなぁ・・・。


なんて思っていたら、主治医の「ムロツヨシ」がきて、8割がた土曜日退院の見通しになりましたと告げた。

悪魔の女医もやってきて、遠慮なくバリバリと傷口に貼られたテープを剥がし「ああ大丈夫っすね」と言い、シャワーを浴びてもいいと🙆♀

15日ぶりにやっとスッキリできるが、ひょっとして傷口にお湯をかけたら飛び上がるほど沁みたりして・・・恐る恐るお湯をかけたが痛くなかったのでソロリソロリと洗って綺麗にした。

とはいえ、傷口は醜く汚ったないΣ(・□・;)

剃り残したヒゲみたいに縫い糸がピンピン出ていて卑猥だし、またあと数週間経ったら反対側を切ってカテーテルを入れるっちゅうんだから、正気の沙汰とは思えない😫

でもそれをしなけりゃ生きていけないのだし、今回は
痛み体験入院
と割り切ってひたすら耐えるしかない。

大石内蔵助だって二度も切腹しなかったのにヤだなぁ、継ぎ接ぎだらけの腹にカテーテルの穴がそのうちヘソみたいになっちゃうのかね、ああカッチョ悪い。


夕方、薬剤師やらいろいろやってきて説明を聞き、土曜日の朝イチで抗生剤を一発入れてから退院と決定。

長かったなぁ😩

まだ動くと痛いからしばらくは店にも出れそうもないが、やらなきゃいけないことは山積みだからのんびりと療養ってわけにもいかない。

さて、どうなることやら・・・。

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