外界とは比べ物にならない涼しさの病院内で、時どき頭はシャンプーして体は拭いているが、汚ねぇポンコツであることは間違いない。
体液や血液が漏れているということは、体の中と外がツーツーになっているということで、感染症のリスクがすごく高くなっているわけで、再手術でお腹のカテーテルを抜去して3日間ほぼ寝たきりで点滴と抗生剤と輸血を続け、ようやくヨロヨロ痛みをこらえて歩けるようになったのでこれを書いている。
8月19日またまた朝イチで手術室に点滴を転がして歩いてゆき、前回はお兄ちゃんやおっさんも混じった10人くらいのスタッフに囲まれたが、今回はおネェちゃんばかり5人ほどに囲まれてサンダーバード2号のコンテナドックみたいなステンレス張りの12番の手術室に入った。
暖かくなった手術台に横たわると即座に体に色々な測定器がつけられ、手足を縛られた。
ピンクの手術着のお姉さんがオヤジの手術着を脱がせるとき、鼻先に彼女の胸が触れいい匂いがした。
ほどなく酸素吸入器が当てられ、麻酔が注入された。
またしても「お薬を入れますのでだんだん眠くなりますよ」と言われた途端気を失った。
このオヤジはホラー好きだが、まさか自分が腹をえぐられた手術室で意識を取りもどそうとは予想だにしなかった。
突然の激痛で目覚めたら、煌々と明かりが灯る手術室でストレッチャーに乗せられたところだった!(◎_◎;)
あまりの痛さに膝を丸めてしまうのでナースに押さえつけられ、
「ご気分はどうですか😄痛みは10段階のうちどれくらいですか😄」
と能天気に聞かれ、思わず
「バカヤロウ、200%に決まってるだろが~~!!」
と叫び、
「テメェ、麻酔大盛りつっただろうがぁ!!」
息も絶え絶え・・・。
いやぁ、品性下劣と申しましょうか、どんなに繕っていても人間最悪の時には下賤な本性が出てしまうものでございます・・・。
ウンウン唸りながら廊下やエレベーターの段差で揺れるたびにケダモノの声をあげ、いっそ気を失って欲しいのにバッチリ意識が鮮明になって、ストレッチャーからベッドに移される衝撃にまた
「バカヤロウ!!!!!!!!!!!!!」
と叫んでしまった。
ナースの顔など目に入らず、ひたすらかあちゃんを探して目を動かして手を伸ばしたが、
「あうっ!!!」
と呻き諦めた。
酸素吸入のマスクをした口からハアハアゼイゼイとダースベイダーみたいに息を漏らし、電気毛布をあてがわれ、
「ちょっと待ってくださいね、いま痛み止めを入れますからね」
という声に
「気を失うほど入れてくれ~~!!」
と叫んだ。
前回の経験上、痛みが強くなるのはオシッコがしたくなる時だとわかっていたし、どうせ翌朝まで立って用を足すことは叶わないから、もれなく尿瓶が用意された。
時刻を聞けば午後1時過ぎだという。
事前に聞いたとき手術は30分程度で終わるということだったのに、だからまあちょろいもんだとタカをくくっていたのに、9時45分に手術室に入ってからなんと2時間ちょっとも経過していたことになる。
だ、だまし討ちとは汚ねぇ手を使いやがるぜ😖
体液や血が漏れた原因を探るためにいろいろ調べたらしいが、ポコちゃんのときと同じようにズルン引っこ抜けば終わると思っていたワシがバカだったのだ。
眠ってしまいたいのに痛みでそれも叶わず、
「あの女医め、シャバで会ったらぶち殺す。あんのやろうドSか、男と別れたんだ、きっと・・・」
などと出入りで切りつけられたチンピラヤクザみたいなたわごとをつぶやき続け、痛み止めを増量してもらう。
「死ぬほど入れてくれやぁ、ケチんなよー」
とヤク中の禁断症状みたいにつぶやき、かあちゃんに何度も
「いま何時❓」
と聞き、♫そうね だいたいねー♩などとふざけて返されたら離縁状を叩きつけてやるつもりだったが、幸い穏やかな心配顔で時を教えられ、そうこうしているうちに午後4時を回りかあちゃんは帰った。
これから長い夜を越さなけりゃならないから尿瓶を使ってみることにしたが、なかなか出ない。
かあちゃんに尿瓶をあててもらっても、いい歳して心のバリアーがあるのかポコちゃんは怯えたミーアキットのままでうなだれ、もう限界ぃぃぃぃぃとなるのにしばらくかかった。
しかし自立したポンコツになるため、ムスメより若いナースに手伝ってもらったらもっと縮こまるから、頑張って自力で心のバリアーを打ち破り放尿。
(その瞬間シャネルズの「街角トワイライト」の冒頭のコーラスが脳内に響き渡る。♩Hold me tight,Hold me tight,♫が♩ほ~によータイム ほ~によータイム♫ 昭和の良い子ならわかる👍)
シッコを出したらほんの少し痛みが和らいだものの、依然として断続的に襲う痛みにウトウトするばかりで眠れない。
3本目の痛み止めを投入してもらったが、体に悪影響を及ぼすので4時間以上間隔を空けなければならないとのことで、次の投入は深夜になり、まんじりともせず午前3時を迎え4本目。
いつものように文化放送の「おはよう寺ちゃん活動中」を聞きながら7時を迎え、5本目の痛み止めを注入してようやく眠れそうになってきたら素敵な採血やら血圧測定で眠らせてくれず、血圧は期待通り200オーバー🙌
すぐさま胸に「フランドルテープ」(心臓をとりまく冠状動脈を拡げて血流量を増やし、心臓に酸素や栄養を補給するとともに、全身の血管の抵抗を減らして心臓の負担を軽くするテープ)張られ、朝食の前に降圧剤を飲むことになった。
ということは、ようやっと水分補給ができるわけで、降圧剤2錠を飲み込みフルマラソン後の給水みたいにゴクゴク。
一夜明けた8月20日はようやく立ってトイレに行けるようになったが、痛くて力が入らないわ背筋は伸ばせないわで、ほぼ一日中ベッド上で過ごした。
で本日、医者が入れ替わり立ち替わりやってきて現状を告げるが、カテーテルの穴から漏れた原因はぶっちゃけ不明、カテーテルに破損がないかはより詳しく調べるためにメーカーへ検査に出しているという。
今後は傷が癒えて感染症のリスクがなくなってから、あらためて今度は逆の脇腹からカテーテルを入れましょうというが、
ちょっ まてよ!!
とキムタクみたいに口走りそうになるのをこらえ尋ねた。
次回カテーテルを入れて、また同じように漏れたらどうするのか❓
入院するきっかけの腹痛がふたたび起こったら、それがもし結石だったらどうするのか❓
いったいいつまで病院で大人しくしていなきゃならないのか❓
それにつきましては外科と腎臓内科でしっかり協議をしてからお伝えしますと、着メロが「ボレロ」の部長先生から言われた。
午後、ヨロヨロと痛みをこらえて腹に手を当てて歩けるようになったところで、 主治医の「ムロツヨシ」がほんとうに済まなそうに言うには、感染症のリスク、カリウムやその他の数値がこれ以上悪くならず、傷の具合を判断して一旦退院とすることでどうでしょうとのこと。
定期的に外来で診察を受けながら、家族でよく話し合われてふたたび入院して、早いうちに逆の脇腹からカテーテルを入れるということがベストだという。
まあね、今のままではやらずぼったくりみたいだとは言わないが、ぜんぜん前に進んでいないのだからそうするしかないのだと思う。
面会に来たかあちゃんと保険やら何やらのことも話していると、思いがけずに声をかけられた。
なんと予想だにしなかった富士宮の「シゲ&ミキ」夫婦と、ベビーカーに乗った癒しの「キートン」ではないか☺
彼らから見舞いに来てくれると連絡があったが、暑いし、ヘタレた姿を見せたくないからと断ったものだから、このタイミングで来てくれようとはまったく考えていなかった。
嬉しいよねぇ、なんの不安もない「マゴ」をみると和む。
そうだよなぁ、この子らが大きくなる姿を見たいと思えば3度目の地獄の痛みも耐えられるだろう。
しかし、ほんのちょっと笑っただけでも腹が痛んでもう大変、嬉しいのと痛いのが入り混じり、でもほんの少し救われた。
ありがとう「シゲちゃん ミキちゃん」m(_ _)m
主治医の「ムロツヨシ」が言うには、金曜日の数値を見てのことだけれど、土曜日には退院できるでしょうとのこと。
シャバに出る前にシャワーを浴びてヒゲも剃りたいぜ、もうしばらくいい子にしていよう。
今回はシャバに出ても酒を飲む気分になれないだろうが、それも仕方がない・・・。
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