今日も暑い。
この暑い中、仕事やスポーツで汗をかいたビール飲みが最も欲するものは、キンキンに冷えた生ビール以外にはないだろう。
もし入った店で、いつまで待っても出てこない、イザきてみたら泡もヘタって爽快感のカケラもない酸っぱいビールだったら、疲れと怒りが一気に爆発してしまいかねない。
そんなビールを平気で出す店がまだ存在する反面、キチンとした樽の温度管理、ピカピカに磨きあげられた清潔なサーバー周り、暑さに弱いビールの鮮度管理を徹底的に行い、注ぎ方にこだわりじっくり贅沢に泡を切り提供している専門店もある。
そう、前振りだけで話さないわけにはいかないだろう、そういう専門店に行き、何を見て何を学んだかを。
先月30日、「ホリちゃん」と共に新橋の「ドライドック」と「ブラッセリー ビアヴルバード」というスーパードライの評判の店を視察に行ったのだ。
どちらの店も入ってすぐ、そのドラフトタップの多さにビックリする。
スーパードライだけでなく、ベルギービールやクラフトビール( 最近では地ビールのことをこう呼ぶ ) が10種類ほども樽から注出できるのはさすがだ。
でもまあ職業柄、そんなにラインがあったらさぞやメンテナンスが大変だろうと思ってさりげなく口に出したら、
「それが仕事ですから」
と、慣れた返答が返ってきた。
そしてさらにその特徴的な注ぎ方を目の前で見せられ、思わず、
「オレらみたいな貧乏な酔っ払いには、もったいなくて目の毒だよ」
と呟いてしまった。
それほど贅沢に泡をこぼしまくり、荒い泡を削いでクリーミーで口当たりのいい泡を作り出していた。
グラスはキンキンに冷えてはいなし、ほぼ常温で容量も少ないうえ、一杯がお高い。
ダバダバ泡をこぼし、削り、出来上がったビールを氷水の入ったワインクーラーにチャプチャプと浸してからコースターの上に置かれる。
それは美味いし、上手いが、あくまでも好みだ。
お客さんにしても、わざわざビール専門店を目指してやって来て、その評判を聞いた上でその構えに心を納得させているのだ。
目の前でそんな贅沢な注ぎ方を見せられれば、否が応でも納得したくなるのが人情だろう。
だが我々のように目と耳を研ぎ澄まして、盗めるものがあったら盗もうとしている酔っ払いは、どうしても違う見方をしてしまう。
だから5杯6杯とグラスを干しても、開けっぴろげには酔えないし、いろいろ聞いてみたりして興味津々。
水曜日の早い時間だったから店の人と話ができたし、2軒目の「ブラッセリー ビアヴルバード」では3種類の注ぎ分けをしてもらいとても参考になった。
( お望みとあらば、オヤジがその注ぎ分けをモグランポのサーバーで実演して見せましょう)
さてここで冒頭の話しに戻るが、
「この暑い中、仕事やスポーツで汗をかいたビール飲みが最も欲するものは、キンキンに冷えた生ビール以外にはないだろう」
そんなアナタが、ありがたくも奇特なことにモグランポに来てくださり、生ビールをオーダーしてくれたとしよう。
取りあえず何でもいいからキンキンの生ビールがすぐ飲みたいアナタに、グラスも氷っておらず泡も盛っていない、グラスの表面は水で濡れて雫が滴っているビールを、専門店でもないただのお好み焼屋のオヤジがもったいつけて持って来たとしたら、さてどんな印象を持たれるだろう。
どんなにベストの状態で注いだビールでも、それはキンキンではないしシズル感が違う、と思わないだろうか?
飲めばわかると言っても、心が納得できないのではないだろうか ?
ビール専門店ではないのだから・・・・・。
何よりも、泡を惜しげもなくダバダバこぼすような注ぎ方は、専門店でもない限り個人店ではキビシイ。
ましてビールだけを注いでいるわけではないので、焼いたり洗ったり、運んだりしながらベストを目指すのだ。
ビールだけに専念できるなら、こんなに楽で幸せなことはない。
よって、結論。
モグランポのビールは「オヤジ注ぎ」を極める!!
どんなにバタバタしていても、キンキンで泡もクリーミーで、一口飲んで爽快感を味わえる生ビールを注ぐ。
もし納得できないビールだったら、それはお代は頂きません。
それがこんなちっぽけな店で、2つのメーカーの生ビールを注ぎ分けるオヤジの矜持であります。
そして、サーバー周りを含めた厨房が汚ない店では絶対に旨い生は望めない。
そんな数々のコトを気づかされた新橋だった。
ま、裏話しは口頭で、ってことで😏
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