お好み夜話-Ver2

激怒

お彼岸も近いから、お墓参りに行ってきた。

ついでに石屋さんに寄り、ばあさんの望みだった墓所改修の打ち合わせもした。

まあ納骨は急がないので、見積がOKで工事が始まって、年内中に出来ればいいかと思う。


家に帰ってくると、お世話になった施設から、ばあさん宛に請求書が届いていた。

封書を開いて送付状をひと目見るなり、かあちゃんが怒りだした。

憤慨しながら文面を読んでみろと差し出され、最初の文言で切れた

拝啓で始まるその送付状には、こう書いてあった。


『拝啓  
ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、熱く御礼申し上げます。
早速ではございますが、下記請求書及び先月分領収書をお送りします
     ~ 以下略 ~         敬具』


今この時期にこのフザケたビジネスライクな文書は、ばあさんが死んだことを施設の経理が把握していないということに他ならない。

先日は指の毛細血管が切れただけだが、今度はこめかみの血管がキレそうだ

このっ、遺族の気持ちを逆なでしやがって


即電話をかけて、経理担当を呼び出し怒鳴りつけた。

すると、まったく知らなかったというマヌケな返答でさらに血管がキリキリし、それなら社長を出せというと、今外出中だとヌカすから、ただちに電話をよこせと告げてきった。


5分後、おどおどしながら社長が電話をかけてきて、平謝り

クレーマーではないから金を払わないなんて理不尽なことは言わないが、施設で良くしてもらって安らかに逝ったのに、死んだあとでこの不手際はなんだともう一度怒鳴り、一生に1回しか利用しない施設であり、老い先短い年寄りばかりを相手にしていて、こんなことが度々起きていたら遺族はたまらんし、現場で一生懸命取り組んでいる職員の人にも失礼極まりないだろうと言った。

もう二度と関わらない他人の会社のことだからどうでもいいが、せめて施設間のヨコの連絡は徹底してほしいと言って電話を切った。


それにしても、腹がたった。

人ひとり死ぬと、後々までなんだかんだと面倒くさいことがあるね。

当分、死なないようにしよう。

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