河原の草むらやグラウンドには水たまりがあったものの、点在するブルーシートの寝ぐらも崩壊しておらず、思ったほどではなかったが、湿ったドブ臭さい臭いが鼻についた。
あの大雨の最中、長ぐつをはいて川を見に行こうとしたら、かあちゃんから強く諌められ断念したのだが、オヤジが案じたのは京成線の堀切橋のところの鉄橋が他より低く、荒川の土手が決壊するとしたらここだとつねづね危惧していたからだ。
最近は川の案内板や地図でもこの川は「荒川」と表示されているが、実は「荒川放水路」という人が掘ったものだということを知らない若者が増えた。
子どもの頃教科書で、この川の氾濫や「江東0メートル」地帯のことを刷り込まれていたから、オヤジになってこの川の周辺や水門を走るたびにかつての水害の歴史を想う。
それに何よりも、我が家の成り立ちは明治44年 ( 1911年 )に岩淵から海までこの放水路を作る大工事にご先祖さまが関わったことがきっかけだから、オヤジがこの世にいるのはこの川のおかげとも言えるかもしれない。
じつに29年の歳月をかけてこの放水路ができたのは昭和5年、そこに建っていた家を立ち退かせ、一説によると人柱があるとか、大勢の人が事故で生き埋めになったとか、祖母や母から聞かされた。
母はこの川で水連をしたようだが、オヤジの子どもの頃はもうとても泳げるような水質ではなく、何度かハマってズブズブになっるとドブ臭くてなかなか臭いが取れなかった。
このオヤジが知る限り、岩淵の水門から堀切橋までの間に「荒川放水路」という表示が残っているのは「東武伊勢崎線」(今はスカイツリーライン)の鉄橋だけだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/cb/0d6403e2e369e86db8dea42baec3d854.jpg)
今回の大水害、被害に遭われた方にはほんとうにお気の毒としか言いようがない。
大昔から治水ということに世の為政者は力を入れて取り組んできたのに、この21世紀になっても水や自然をコントロールすることなど不可能という事実をこのところ毎年思い知らされる。
もし、今回の台風や梅雨前線がすこしズレて、埼玉の荒川の源流を襲っていたら、降雨量が600ミリ、700ミリ以上なんて未曾有な水が荒川を満たしたら・・・・。
子どもの頃刷り込まれた以上は、だれに教わったわけでも本で読んだわけでもなく、もし荒川が決壊するとしたら岩淵か堀切橋の京成線の鉄橋のところと、目で見て肌で感じていた。
恐ろしいことにそれを裏付ける映像を発見してしまった。
それが国土交通省 荒川下流河川事務所とNHKが平成23年に制作したフィクションドキュメンタリー「荒川氾濫」だ。
もしこのシミュレーションが現実になり荒川の堤防が決壊したら、ほぼ首都壊滅‼️ 日本経済破綻😨
我が家の水没どころか北千住消滅だっ😱
荒川の土手に草むらがなくなり、味気ないアスファルト舗装になったなんてほざいた気がするが、前言撤回、平身低頭、平にご容赦🙇🙇🙏
国土交通省と荒川下流河川事務所は、こういったシミュレーションに基づいて堤防の強化工事を行ったのだし、昨今の異常気象がそれを覆したとき身を守るのは正しい知識と冷静な判断しかないのだ。
のこのこと何の役にも立たないオヤジが現場を見に行かなくても、川には無停電装置で動くライブカメラがあるのだから、それをWeb上で見て判断すれば良いのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/72/178a2c403ac7eb1eb78147fc21de8925.jpg)
我が家では非常の際にどこへ避難するか、どう振る舞うかを真剣に話し合った。
被災地の一刻も早い復旧を願いつつ、関係各所にはこの災いを転じる方策を講じてもらいたい。