ファンタジー系純文学。
第一章は読みにくかった。
基本的には設定を語り続ける話なので――ただ、大変滑らかに上手く語られるので、
どこぞの誰かとは違って、設定に淫しているとまでは思わない。というよりむしろ、
設定語りであることには今気がついた。
さくさく読めて、そういう意味での読みやすさはある。
だがその設定が好みでないのであれば、退屈は退屈なのですね。読みにくい、と感じた所以。
眠り人が口から水を吐き続け、その水に浸って村人たちが云々、と言われても、
……人間の体のどこにそれだけの量の水を溜めておけるねん、とか考えちゃうし。
いや、そういう話じゃないことは頭ではわかっているんですけどね。
第二章になって、タクシー運転手が主人公。
第一章とはだいぶ毛色の変わった話になるのかなと思いきや、わりあい相似形なんです。
舞台を現代日本に移したくらいで。
第三章は、文章の雰囲気は若干変わった。
饒舌になったというか。言葉数が多くなり、しかし主要登場人物の繋がりがよくわからない。
登場人物の関わり合いでストーリーが進んで行くという種類の話ではないから、
わかる必要はないのだろうと思うが……これもノレるかノレないかの違いでしかない。
早い話、わたしの好きな山尾悠子作品とこの話は、それほど遠いところにはないと思うもの。
ただ、この話の生理的なぬちょぬちょ感が嫌いだったんですね。
何しろ水の話だから。水と体について書けば、それはまあ、でろりとした話にはなりますわな。
わたしはどっちかというと生理的な話は好きではないので……
頭で書いた、硬質っぽいものの方が好きだ。(頭で書いたものが全部いいわけでは無論ない。)
きれいな話と、言えば言えるであろうが。
……まあでもぬちょぬちょ感が乗り越えられなかったと。
この人の作品は「プラネタリウムのふたご」を読んだことがあって、
悪くはないと思ったはずだけど、少々否定的に言えば毒にも薬にもならないかなと。
その繊細さに共鳴出来れば。好きな人は好きだろう。
あとは「麦踏みクーツェ」を読んでみるが……それで終わりな気がする。
第一章は読みにくかった。
基本的には設定を語り続ける話なので――ただ、大変滑らかに上手く語られるので、
どこぞの誰かとは違って、設定に淫しているとまでは思わない。というよりむしろ、
設定語りであることには今気がついた。
さくさく読めて、そういう意味での読みやすさはある。
だがその設定が好みでないのであれば、退屈は退屈なのですね。読みにくい、と感じた所以。
眠り人が口から水を吐き続け、その水に浸って村人たちが云々、と言われても、
……人間の体のどこにそれだけの量の水を溜めておけるねん、とか考えちゃうし。
いや、そういう話じゃないことは頭ではわかっているんですけどね。
第二章になって、タクシー運転手が主人公。
第一章とはだいぶ毛色の変わった話になるのかなと思いきや、わりあい相似形なんです。
舞台を現代日本に移したくらいで。
第三章は、文章の雰囲気は若干変わった。
饒舌になったというか。言葉数が多くなり、しかし主要登場人物の繋がりがよくわからない。
登場人物の関わり合いでストーリーが進んで行くという種類の話ではないから、
わかる必要はないのだろうと思うが……これもノレるかノレないかの違いでしかない。
早い話、わたしの好きな山尾悠子作品とこの話は、それほど遠いところにはないと思うもの。
ただ、この話の生理的なぬちょぬちょ感が嫌いだったんですね。
何しろ水の話だから。水と体について書けば、それはまあ、でろりとした話にはなりますわな。
わたしはどっちかというと生理的な話は好きではないので……
頭で書いた、硬質っぽいものの方が好きだ。(頭で書いたものが全部いいわけでは無論ない。)
きれいな話と、言えば言えるであろうが。
……まあでもぬちょぬちょ感が乗り越えられなかったと。
この人の作品は「プラネタリウムのふたご」を読んだことがあって、
悪くはないと思ったはずだけど、少々否定的に言えば毒にも薬にもならないかなと。
その繊細さに共鳴出来れば。好きな人は好きだろう。
あとは「麦踏みクーツェ」を読んでみるが……それで終わりな気がする。