プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◆親鸞と東北の念仏 ひろがる信仰の世界

2024年09月22日 | ◆美しいもの。
仙台市博物館で11月4日まで開催中。

まあ期待はしてませんでした。だって見ただけで相当地味じゃないですか。
行くのは止そうかと思っていたんだけど、最近出来た「ハイキュー!!」の
記念モニュメントを見に行くついでに。半分お布施。
そしたら予想以上に駐車場ガラガラ。これは企画展並みですね。

わたしは仏教美術の方向から仏教に親しみを持っているけれども、
鎌倉仏教あたりになると、歴史の出来事というより信仰の話になっちゃうからなあ。
いろいろ数多く出た鎌倉仏教の違いって、もう教義でしょ。
そこまでは覚える気にならん。

親鸞について興味を持っている人ならば見て面白いとは思う。
あとは浄土真宗について興味を持っている人。
他の人は多分ほとんどが地味だと感じる内容だと思います。
それにしては入場料も1600円と一丁前なので、わかっていたことながら
満足感はほとんどなかった。


メインは古文書ですかね。書状とか。地味。
肖像画の掛け軸も多かった。ただこれが、歴史知識的に「ああ、あの人」というほど
一般的な人ではなく、親鸞の何代後の教主とか何とか寺の何代目の住持とか
いわば知らん人ばかりなので興味を喚起しない。
保存状態もあまり良くなくて、全体的に黒っぽいし。

肖像彫刻もいくつかあり、面白いのは1つ2つあった。
円慶作の鎌倉時代晩期「顕智座像」は人間味があって良かった。肖像彫刻の秀作。
だが全部が面白いかというそうでもなかったね。

あと、「光明本尊」と言われる掛け軸が山ほど来ていて……
これは詳細は知らないけれども、わたしが見てきたところをいえば、
仏画の仏像の代わりに文字を主体とした掛け軸。
真ん中にどーんとでかいフォントで「南無不可思議光佛」などと書いてあって、
そこに添え物的に小さく仏像が描いてあるとかビームのような発光が描いてある。
他であんまり見たことがない気がするから、浄土真宗で主に使われるとか、
時代的な流行とかあるのかな?

これ、一枚や二枚来てるのなら、見たことないものだし面白みはあったが、
20枚も30枚もあっても、正直みんな似たようなもんでさあ……
こんなに並べたってそんなに面白くないよねえ。
見せる時のバランスを考えた方が良かったやろ。

見た目が地味だから――というのは言い訳かもしれないが説明文にも注意を払えなかった。
なので、東北の念仏という部分に関して知識は全く増えなかった。

こういう、興味にも知識にも薄い特別展こそオーディオガイドを借りるべきだったかも
しれないが、そこまでの熱意も抱けなかったんだよねえ。
でもせっかく行ったんだからそこまでするべきだったか。
毒を食らわば皿までという意味で。

唯一面白かったのは絵巻物類ですね。数も来てた。
カラフルだったし、高級品というわけではなかったけど質は良かった。
絵巻物って、これに限ったことじゃないけど建物を立体的に描いてるよなあ。
あくまでも平面的な日本画の中で、建物だけ(基本的には)立体。
考えてみれば不思議だ。

まるで5コママンガみたいな掛け軸4幅(徳田好時筆「蓮如絵伝」)があって
面白そうだったんだけど、あれこそ場面説明を置いとくべきじゃないかねえ。
文字情報でいいから。場所もばっちりあったのに。



とまあ、不満の多いエキシビでした。
わかってて行ったんだから悪いのはわたしだけど。
親鸞と浄土真宗に興味がある人だけにお勧めです。



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