プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 森見登美彦「有頂天家族 二代目の帰朝」

2022年12月07日 | ◇読んだ本の感想。


今作を読むに当たって「有頂天家族」を買って読みなおした。
やっぱりつくづく面白いなあ。森見登美彦の中でこれが一番好きかも。

アニメにもなりましたね。
あのアニメがなかなか出来が良かったので、作品をアニメで覚えていた。
けっこうアニメと原作のテイストが違いましたね。
アニメではカワイイキャラデザになっていたが、森見登美彦らしく、
もっと爺むさい(いい意味で)作品世界。


「二代目の帰朝」も面白かった。前作の方が単純に面白かったけど。
まあ連作物はそうでしょう。
森見登美彦はキャラクターも好きだし、京都のパラレルワールドも好きだし、
なんといっても文章がね。いいなあ。古めかしくてユーモラスで。
毛玉の連呼は若干あざといんだけど、あざとくてもいいかと思ってしまう面白さ。
わたしは多分現存作家で森見登美彦が一番好きだな。

海星が姿を見せないことについて、しっかりした理由があって良かった。
しかしその理由は致命的だろうと思うのだが。

二代目の造型は好きですね。英国かぶれというところが特に。
特徴的なキャラクターのわりに、それを今一つ活かせていなかった気はするが。
これは次作でがっつりフォーカスして欲しいキャラクター。

結局、家族の絆を描いているんだよな。少し切ない。
しかし狸の話にしていることで、家族の話にユーモアが大量に加味される。
家族物はジャンルとして苦手なわたしでも情動を適度に刺激されながら
気持ちよく読める。

三部作だと聞くのでもう一作あるはず。1作目と2作目の間が7年開いてるので、
次もそのペースの場合は2024年に出ることになりますね。
まあ気長に待ちましょう。ゆっくりでいいから面白いものを書いて欲しい。


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