川口はいいところよ・・  ようこそ新潟へ

新潟県中越地震震源地から今年で早や12年。そげ落ちた信濃川の河岸段丘の表土も自然の力で草木が戻りました。

地震体験(再掲3)

2007-01-26 19:08:16 | ワブログから引っ越しました
18時34分マグニチュード6.0.震度6強。

数軒先の家の窓ガラスがガラガラと崩れ落ちたのを確認した。

たてつづけに

18時36分マグニチュード5.1。震度5弱。



「じゃ、私行きますね。」

「すみません、よろしくお願いします。」



暗闇の中から中高生らしき声で

「こんな時車なんか乗ってんじゃねーよ!」

胸に突き刺さった・・



同僚の家を後にし。県道に出た。

「ねぇ、お父さん、私これから歩いていくわ。」

「危ないよ。だめだよ。」

「気をつけていくから。車を家に持ち帰ってもらえない?今度ゆれたら橋は渡れなくなりそうよ。」

「わかった。気をつけろよ。」

家族は別れた。



私は一人県道をひたすら登り続けた。

外灯が消え、真っ暗闇の中 私はエリアへとひたすら歩いた。

上り坂の中央には深い亀裂がはいっていた。

時折行き場を失った車のヘッドライトにそれが照らされていた。



県道の中央から左に進路を変えた時だった。

左足が空を蹴った。

・・・うわぁぁ・・道路の亀裂に落ち込んだ・・

あっ、足が着く。

慌ててショルダーバッグを探した。

胸まで埋まった底には地下水が勢いよく流れていた・・

少し離れた亀裂の底に横たわっていた。

携帯が使えなくなった。



「大丈夫ですか?」

暗闇の中から心配する声がした。

「よくわかりましたね。」

暗闇の中から若い男女が姿を現した。

「車のライトで落ちるところが見えました。」

「ありがとうございます。」

引き上げてもらった。

「どちらへ?」

「小千谷に行こうとしたのですが山本で橋が落ちたみたいでどうしょうか相談していたんです。」

「川口橋は通行できませんよ。」

一台車が通りかかった。

ゆっくりと坂を下ってきた一台の車は私達3人に気づき、ほっとしたように止まった。



「どちらに行くのですか?」

「17号に出ようかときたのですが。」

「川口橋は通れませんよ。」

「困ったなぁ・・今塩殿から来たのですが、その先は行かれないみたいです。」



・・・川口町西川口地区が孤立した・・・