川口はいいところよ・・  ようこそ新潟へ

新潟県中越地震震源地から今年で早や12年。そげ落ちた信濃川の河岸段丘の表土も自然の力で草木が戻りました。

地震その時(再掲4)

2007-01-28 09:31:30 | ワブログから引っ越しました
「私はこれから越後川口ICに行くつもりです。そこまでは行かれますか?」

「あぁ、インターに何台かいましたよ。」

「ありがとうございます。高速は大丈夫かもしれませんのでインターに行ったほうがいいですよ。」



「分かりました。戻ってみます。」

車は私たちを後にした。



私は半身ずぶぬれで裸足なのに気づいた。

「よろしかったら、インターまで車に乗りませんか?」

「すみません、いいですか?」



ずぶぬれの私を後部座席に乗せ、車は動き出した。



3人を乗せた車はゆっくりと県道を越後川口ICへと向かった。

そこには満天の星空の下、滞留車両が数台取り残されていた。



「どこにもいけないんだ。いつになったら解除になるんだ?」

「管制室と連絡が取れないのでまったく判りません。」

「新潟へ行かないとなんだよ!」



川口町が孤立した?・・・



そこには不安定な空気が漂っていた。





料金所職員に一般道ではどこにも出ることが出来ない旨告げた。

「じゃ、私達どうにか道を探して向かってみます。気をつけてくださいね。」

「ありがとうございました。私はこのSAに勤務しているUと申します。

お名前は?」

「いやあ、名乗るほどではないです。」

「何処かでお会いしたら声を是非かけてくださいね。」

3人は別れた。



私は亀裂に落ちた拍子と裸足のため足先に擦り傷が出来ていた。

不思議といたみは無かった。

「すみませんが私に長靴を貸してくれませんか?」

「ちょっと、待ってね。」

快く事務所から持ってきてくれた。