
わたしは、あまり『もっと声を出して!』とはいいたくないのです。
もちろん声を前にだして歌うことは、基本中の基本ですが、
まだ、声を前に出すという本当の意味が解かっていないうちに、
これをいうと、ほとんどの場合ノドを痛めてしまうからです。
声を出すということは、大きな声を出すことだと思っているからです。
つまり、会話をするときのノド使いをもっと強める方法を取ろうとするのです。
それでは、おこり声、怒鳴り声の延長線上の声になってしまいます。
怒り声ではなく、心からの笑い声です。
笑い声を使うからこそ、お腹から声も出ますし、健康にもいいのです。
悲しい歌でも、感情はのせていっても、声の出し方は泣いてはいけません。
会話をするときの発声、イコール歌声ではないのです。
もしそうであれば、声楽という学問は存在しません。
声のいい人は、生まれつき、遺伝的にいいと思っているようです。
そうではありません。
