花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

両手がふさがれて

2015年10月15日 08時21分18秒 | 日記
子供の遊びは時代とともに変化するものと思いますが
私が小学校低学年ころにはこんな遊びもしていました
桜や桃の樹に「やに」のようなものが出てきます
それを採ってきて唾液で柔らかくすると蜘蛛の糸のように白くて細い
繊維状の物ができます
それを右手で操りながら左手の指かあるいは木の葉などに白くきれいに
カバーしていくのですがこの単調な動作によく熱中して遊んでいたものです

授業参観の日のことです
遊び時間に開始したその遊びが終わらなくて教室まで持ち込む羽目になりました
授業参観でお母さん方が沢山来ておられます
授業中にいつもより多い回数で何度も「解った人は?」と先生が聞かれます
クラスのみんなもいつもより元気に手を上げています
でも私は右手の親指と人さし指で「やに」を柔らかくしています 左手の親指と
人さし指には白いきれいな糸状の網ができていて鉛筆も持てないし手もあげられません

授業参観から帰って母は私に聞くのです
「今日のお勉強は難しかったかね?」
「全部解っとったよ」と
私は両手がふさがっていて手を上げられなかった事情を説明しました
きっと「学校は勉強する処よ」
と叱られると思ったのに母はこう言うのです
「やっぱり思った通りのえらい子」 だって!

今頃思うのです
母はいつも受け入れが上手だったから母の前ではいつも正直でいることができたなと