花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

悲しいあいさつ

2015年10月20日 09時35分33秒 | 日記
朝の気温が下がるこのころになると思い出すのです
長年ご指導をいただいた恩師の母上様の訃報が届きました
ちょうど葬儀の日 実はずっと以前からお客さまを招いていましたので
取り敢えず接待を予定通り済ませ翌日主人と一緒にお参りすることに決めました

当時私の母も体調をこわし気弱になっていましたので恩師の母上の葬儀があって
など決して言えません
私たち夫婦でお墓参りと言って出発いたしました
でも今となって想うのですが感のいい母のことですお墓参りといいながら私たちは
コートの下には二人が揃って喪服を着ていて只事ではないと思った筈です

出発してこころが恩師の嘆きを想いはらはらと涙が出そうになります
私はあのころはいつももし母が世を去る日がきたらと想うだけで涙していたものですから立場を置き換えてしまって自分が母と別れてしまった感情になってしまうのです

電車にのり渡し船にのり渡船場で道を尋ねました 田舎町のことで直ぐにわかります
道を尋ねるまでは私の役割です ほっとした途端に止めどなく涙がながれます
情けない自分を鼓舞しようとするのですが意識すると余計に涙の制御はできなくて

葬儀を終えたばかりのお宅にたどり着きましたが恩師は丁度自宅に帰られて留守でした
初対面の親族に挨拶をしなければなりません
私は「昨日のお葬儀に参列できなくて本日お参りさせていただきました」と言いたいのですが何度言っても「うお~ うお~・・・・」と涙で遮られ言葉になってこないのです
主人が代わってあいさつをしてくれて平素からの恩師の愛情あふれるお付き合いにも触れ
きちんと謝意も述べてくれて私は只不甲斐なく泣いているばかりでした

その夜恩師から電話がありました
「上品な人がお参りに来て下さった」と姉がいいましたよと
恩師はいつもこころのストロークを忘れない方なのです