花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

こだわった硯

2015年10月24日 08時42分43秒 | 趣味
茶道の研究会で月例会にはいろいろな当番が巡ってきます
私たちの班で七事式「茶カブキ之式」を担当した折のことです  
これまでながく私達の班をお世話して下さっている指導者の方を中心に当日の
茶カブキ担当者が決まり私はなぜか執筆者を受ける羽目になりました

茶カブキ之式は客が試み茶をいただきその後で本茶を喫み当てる七事式で
執筆者は文台、硯箱、奉書を持ち出して茶席内で必要事項を記録する役割です
担当者全員で事前に入念に準備をして臨みました

当日 水屋担当の方々にご挨拶をすませましたが私は気持ちが沈んでしまいました
と申しますのも準備された硯があまりにも小さすぎることに気付いたからです
私はいつも筆に十分な墨を含ませて書きますのでこれでは奉書にたくさん書きとめなければならないのに最後まで書けないのではないか心配になりました
そこで仲間の方が差し障りなく交渉をして下さって水屋当番さんも快く私の持参した硯と交換を許してくださいました

七事式は恙なく終了しましてふと硯を眺めますと墨はまだ多く残っていました
これならば小さい硯で事足りたかもしれないのにと思い
水屋の方がたの事前の準備などたくさんのご苦労に対して申し訳ない気持ちになりました
私のとり越し苦労から硯に大きな拘りを持ってしまった苦い体験です