新ブログでは初めての映画記事。
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*ジーサンズ はじめての強盗(2017年・アメリカ)
<あらすじ>
ウィリー、ジョー、アルの3人は慎ましくも幸せな老後生活を送っていた。ところがある日、長年勤めていた会社の合併によって、年金を止められてしまう。このことをきっかけに、彼らはある企てを決意。
なんとしてでも今までの生活を取り戻し、愛する家族と仲間たちとの幸せな余生を続けられるよう、3人は銀行のお金を奪おうと、大胆で危険な賭けに出るが……。
<キャスト>
*ウィリー・デイビス・・・モーガン・フリーマン
*ジョー・ハーディング・・・マイケル・ケイン
*アルバート・ガーナー・・・アラン・アーキン
*ブルックリン・ハーディング・・・ジョーイ・キング
*アーレン・ヘイマー・・・マット・ディロン
*アニー・サントーリ・・・アン=マーグレット
*ミルトン・カップチャク・・・クリストファー・ロイド
こんな豪華なオスカー俳優陣が主役なのに、何なの、この邦題は。
原題は「Going in Style」。〝in style〟は「①流行の ②立派な、堂々と」という意味なのだとか。日本語に訳しにくいタイトルなのだそうです。「(大それたことを)大胆にやってやる~♪」みたいな感じ??
う~~ん、「ジーサンズ」。。。。。
これ、とても面白かったです☆
プロローグで、マイケル・ケイン演じるジョーが銀行強盗に遭遇してしまいます。ジョーは家を差し押さえるという警告の手紙を貰ったため、銀行に来ていたのです。
ジョーは銀行の融資の返済額がイキナリ3倍になったこと、融資を受ける際に銀行の担当者(今まさに目の前にいるチャックという男)が「返済額が上がることはない」などとジョーを無理に説得したことを咎めましたが、チャックは平然と「説明した」と繰り返します。その時、突然、強盗が現れたの。
銀行強盗たちは素晴らしい手際で、わずか2分の間に大金を強奪し、風のように去って行ったのでした。3人の強盗の内の1人はジョーとチャックの傍らに来て、なけなしのおカネが入ったお財布を強盗に手渡そうとするジョーに「受け取れない」と断り、「年寄りは敬われるべきだ」と言い残して立ち去るのです。(チャックは横で失禁していた )
その後、長年勤めた会社が他の企業と合併した挙句に年金の支給を中止すると発表し、ジョーたちは収入が完全になくなってしまいます。しかもバカ銀行はジョーたちの年金になるべきおカネで新会社の負債を支払うというのです。(ヒドイ ) さらにジョーは家を差し押さえられてしまいます。
これね、銀行のコンプライアンス違反が原因だよね。社会的弱者に(正確な説明をせずに)無理やり高金利の融資を受けさせ、支払いが滞ると財産を差し押さえるという。。リーマンショック前、アメリカで大問題になっていたサブプライムローンと似ています。
この映画は、今のアメリカ及び日本の深刻な問題を扱っており、こういうシーンの時は思わず真顔になってしまいます。わが国の政府など、このシーンを見ると喜びに打ち震えるのではないかと思います。こういう社会が彼らの理想のようですので。
こういう訳で、〝ジーサンズ〟は自分たちも銀行強盗をしようと決心したのですね。
で、まず手始めに、スーパーで万引きできるかを試すの。 アルは「強盗なんて、冗談はよし子さん」と当時は思っていたため、ウィリーとジョーの2人で食品を盗もうとします。が、(当然ながら)スーパーの警備員に見つかり追跡されます。
車で待っているはずのアルの姿はなく(彼はその時スーパー内でアニーという女性と一緒にいたの)、2人は電動カート(っていうの?)に乗って逃げようとします。
このシーン、可笑しい。 ジョーがどこかのオバちゃんからカートを奪い、ウィルに前のカゴに乗れと命じるのですが、ウィルは「俺はE.T.か?」と怒鳴ります。が、追われて結局カゴに。。 ↓
この時は年寄りだからと見逃してもらえましたが、2人は誰か「プロ」に強盗の手ほどきをしてもらおうと考えたのでした。そして、
。。とストーリーはテンポよく順調に進みます。この後がクライマックスだからね☆
「プロ」の助けを借り、強盗はとりあえず成功します。ただ、この後。。。。。 (ちょっとハラハラする)
余談ですが、この時〝ジーサンズ〟が身に着けているマスクは、フランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デイビス・Jrです。チャックの「逆襲」も見もの。
3人がしたことは間違いなく犯罪だし、現実では許されない行為です。でもね、これ、映画だし。
ハッキリ言って会社や銀行の方が悪いし、正直言って気分爽快。
主演の3人の演技力はもちろんですが、周囲の人々との微笑ましい人間関係、友人や家族に対する思いやりなど、コメディ的要素の中に大事なことがたくさん詰まっている映画です。
私が3人の中でいちばん注目してたのは、アラン・アーキン。 ↓
私が最初に彼を見たのは『暗くなるまで待って』(1967年)ですが、この時のアランは悪役。可愛い顔なのに超怖かった~~~。 あのラスト近くのシーン、ビックリするよね。。刺されたら、ずっと倒れたままでいてくれなきゃ。
最後にオードリーを〝モノにする〟つもりだったらしいアランは、しきりに彼女に「さ、寝室に行こう」と言っていました。その辺のソファではダメなの、キチンとした寝室のベッドの上でないと。 (オホホ)
『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年)では、ホンモノのエロいお祖父ちゃん役。 彼はこのスケベな役により、アカデミー助演男優賞を獲得しました。
そして今回は、〝80過ぎても現役 〟。70代後半でも可愛くキレイなアン=マーグレットに誘惑され、〝仲良く〟してしまうのですね。 そして、その結果は。。。
アラン・アーキンって可愛いよね。
ちなみに〝ジーサンズ〟の現在の年齢は、モーガン・フリーマン80歳、マイケル・ケイン85歳、アラン・アーキン84歳です。どんな名優も年をとる。。。(最初はアラン・アーキンの代わりにダスティン・ホフマンがキャスティングされていたそう。彼も80歳だって。。。)
そうそう、〝ジーサンズ〟のお仲間のクリストファー・ロイド(79歳)も懐かしかったです。
あまりにも真に迫っていて、ホントにボケているのではないかと思った。。超キュートだった。
さらに懐かしかったのは、FBI捜査官役のマット・ディロン。
今54歳だから、そんなにトシではないわね。。濃いお顔は若い頃のまま☆
この映画はリメイクなのだそうです。でも、とても面白かった♪ 若いコがほとんど出なくても、良い映画は撮れるということを証明していると思います。主なキャスト以外も味があり、何度も観直したくなる映画です。時々ホロリとなる。。
これ、買おうかな~~。
強盗をするシーンから何度かハラハラするけど、最後はやっぱりハッピーエンド。
とてもおススメです。