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青空ーすべてはバランス

絶滅逃れた素数ゼミ

2024年9月6日(金)今日も晴れ。暑い!
まだ暑いけど、セミの鳴き声も少なくなってきた。
今日は香川県でセアカゴケグモにかまれた4歳児のニュースがあった。


素数ゼミ
生命の存続を図る生物のすさまじい執念を垣間見た。

17年周期、13年周期で大発生する「素数ゼミ」の謎を吉村教授という日本の研究者が解明・命名したそうだ。

素数とは、1とその数自身でしか割ることができない数字
2、3、5、7、11、13、17…と続く。

北米では、ちょうど17年ごとと13年ごとに大量発生するセミがいるようだ。
普通のセミとはまったく違うサイクルで生きる。


氷河期を生き残るため
地球は寒冷と温暖を繰り返す。寒冷になると地上で暮らすことが厳しく、生物はなんとか生き残ろうとする。
そもそも地球にセミが登場したのは2億年以上も前らしい。
それから、おそよ200万年前は氷河時代で、過酷な環境となった。
地中のセミの成長のスピードがどんどん遅くなっていき、10年以上もの長い間を地中で暮らすことになったという。

しかし、やっと地上へ出ても交尾する相手が近くにいなければ、子孫を残せない。

狭い地域で繁殖する理由
アメリカ北部ではかなり寒く絶滅生物も多く出たことだろう。しかし、セミは盆地や暖流のそばであまり気温が下がらないところを見つけてその地中で暮らして生き残った。この比較的暖かい場所でなくてはいけなかった。
そして、北部では14~18年、南部では12~15年という長い間、地中で過ごすようになった。
さらに、地中から出た時に出会う相手がいないといけなかった。

一斉にふ化
このような厳しい環境の中では、地上に出ればすぐに相手が見つかるように狭い範囲の地中で多くのセミの幼虫が過ごすことが効率的だ。
毎年少しづつ広範囲にいる幼虫が地上に出ても短期間で相手を見つけることは容易ではないからだ。
同じ年に一斉に羽化して交尾・産卵して子孫を残すようになった理由だ。

最小公倍数
なぜ素数なのかというと、それは「最小公倍数」にある。
素数同士だと、最小公倍数が素数でない数よりも大きくなるからだ。

例えば、15年と18年のセミがたまたま出会って子孫をつくったとする。
15年後に15年ゼミが、18年後に18年ゼミが地上に出てみても、確率的にほかの周期のセミは少ないので、子孫の数は以前より減ってしまう。周期が分散してばらばらに地上に出る子孫ができるからだ。
 
13や17という素数のセミが交尾すると13年と17年後に地上に出るほか、最小公倍数の年に一斉には出てくる。子孫を残す条件が整うのだ。

数学の素数が生物の生き残り術に生かされているとは・・・私のようなおバカさんはただただ驚くのみだ。13年と17年の最小公倍数は221年だ。長い長い年月をかけて一度に大量発生する素数ゼミ!

宇宙と生命の奥深さを感じる。

イラスト:イラストACから作者: ChiemiMorita さん
参考:NHK  文藝春秋 2005年 吉村仁著 

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