WILD THINK

ラテン楽団「Orquesta de WILD THINK」のバンマスが、日々思うことをダブワイズ

高円寺にあてられた

2006年02月21日 | 若者考
久々に高円寺に買い物に行った。つれ合いとわが息子と一緒に。多分一年ぶりくらい。家族で行ったのはじめて。
学生の頃はしょっちゅう高円寺に来て、古着を買ったり、BASSとBOYっていうパンク専門のレコード屋行ったり、20000ボルトっていうパンク専門のライブハウスに行ったりしてたんです。
おら東京さ出たら、高円寺に住むだ。
とか思ってたくらい好きな街、、だった、けど、久々の高円寺は、なんか居心地が悪かったんです。

まぁ、子連れに高円寺はきついか。やっぱ子連れだと車に乗って、バイパスに乗って、車の流れに従って、ジャスコかヨーカドーにたどり着き、人の流れに従って買い物したり、レクリエーションをしたりしますわな。まぁ帰りにトイザラスに寄って「これ買ってー!」みたいなことになり、買ってあげたりして、「んじゃ、帰るベ」っつーことになり、「まぁ、遅くなったから夕飯つくるのも面倒だし」っつーことになりびっくりドンキーに行って飯食って帰りますわな。それが、一番ラクだから。そういうシステム。システムが消費の仕方を用意してくれていて、考えなくてもそれにのっかていればよいという。
とか思ったり。だから、下北とか高円寺が子連れにもやさしい街になってほしいとか、思ったり。

それともう一つ。こっちの方がヘビー。
高円寺は若者の街。多分フリーター率はかなりのハイアベレージをたたき出しているだろう。
「フリーター」なんかちょい前までは、ゆるくて、自由で、気楽で、ヒッピーな、ジプシーな、ノマドな、とかポジティブなイメージがあったんだけど、気が付けばネガティブな言葉になったなぁ。
それはきっと、フリーターと言えば、時間で区切られた安い賃金で単純でシステマチックでルーティン化された作業を行うという業種って認識ができたせいだからだ。おまけに明日は無い。
一番世の中「金じゃあねえ」とか思っている連中が、一番合理化された仕事を、時間を持ってして明確に数値化された賃金で行っている。
すさまじいギャップだ。なんて無慈悲なシステムだ。とか。思ったりしながら高円寺を歩ってたらなんだか寂しくなっちゃたんです。
高円寺でギター抱えて、スパイキーヘアで、皮ジャンにボロボロのGパンでうろうろするっていうスタイルは、僕が中学生の頃はすげーロマンチックだったんだけれども、今そういう奴をみるとなんだか悲しくなっちゃうんです。

ラッパーECDのエッセイ「ECDIARY」には、低賃金労働とインディペンデントな創作活動の狭間から、無慈悲なシステムへのぼやきが高密度で凝縮されている。


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