30から40年年前、アメリカへ何度か行っていた時に、カフェでアルバイトをしている高校生が、
ワイヤーの矯正装置をしていました。その頃は、日本で高校生がアルバイトをしているのが
珍しかったのと矯正をしている高校生は少なかったので、
「なぜ、ここで働いているのか?」と世間話をしながら聞いてみました。
すると、「歯並びを治すのに、そのお金を稼ぐために、そこで働いている」というのです。
さらに「アメリカでは、歯の治療費が非常に高いので、一生涯の歯の治療費を少なくするためと見た目の両方から
中学生か高校生までの間に、矯正歯科治療をするのが、普通なんです」と、ただ、その子の家はあまり裕福ではなかったので
自分でお金を稼げるようになってからこうして高校生になってから矯正をしているとも言っていました。
その頃、日本では、大人の矯正歯科治療は、かなり否定的でしたし、子供の矯正歯科治療をしている子は、
ほとんどいませんでした。
それが、海を渡ったアメリカでは、矯正歯科治療は、学業と同じくらい大切なことであるという認識でした。
さらに、当時のアメリカでは、今の日本のように、心臓病やがんが増加して医療費が国の財政を圧迫してきたことから
その原因の一つとして、口の中の虫歯や歯周病が注目されて、口腔清掃をすることで、
それらの病気を減らして、国民の総医療費を抑えられると考えられて
「フロス オア ダイ」(デンタルフロスをするか?死を選ぶか?)という過激なキャンペーンをうって
今でいう「口腔ケア」が全身の病気の第一の予防であることを国が示したのです。
その結果、アメリカでは、歯並びがきれいで、虫歯や歯周病が少ないことが、一種のステータスに
なっており、全身的にも富裕層を中心に心臓病やがんは減少傾向にあるという
日本と全く逆の現象をいっています。
日本は、予防よりも病気になってからの治療を国民が重視し、その結果、がんや難病は増え続けています。
歯並びや咬み合わせやデンタルフロスに、関心を持つ人は、アメリカに比べて、非常に少ないのが現状です。
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