水嶋ヒロ：メイちゃんの執事 ＃０８（その４）

「ふざけんなよ。もうメイのことなんかどうでもいいってのかよ。
　俺はな、ずっとメイのこと見て来たんだよ。
　メイの側にいれんならなんだって耐えられんだよ。
　渡さねぇ。
　お前なんかに渡してたまっかよ！！」

血を吐くような剣人のメイちゃんへの思い。
表情で、体中で、理人にぶつけます。
その言葉が理人様に火をつけてしまいました。
立ち上がり、剣人としっかり向き合いました。


「剣人」
理人様、復活。


そうなると理人様、無敵。
軽いフットワークで剣人の拳をよけ、激しく殴り返します。
剣人、ふっとびます。
理人様、立ち上がってくる剣人を待ちます。


「やりゃできんじゃねーか」


挑発的に言う剣人を見る理人様は少し辛そう。
だって、剣人の気持ちも知ってるもんね。
メイちゃんは自分より剣人と一緒にいた方が平和に暮らせるかもしれないんだもんね。


そんな理人様をふっきらせるのは、やっぱり剣人の台詞。


「メイはお前には渡さねぇ」


その台詞を聞いて、理人様、不敵な笑みを浮かべて上着を投げ捨てます！


そこから二人の全力の戦いが始まりました。
その時のかっこよさを言葉で表すのは不可能。
書いておきたいのは。
理人様はちゃんと剣人に殴られてやるんです。
自分だけリスクを避けてかっこよく勝とうとしないんです。
殴って殴られることによってお互いの思いもぶつけあってるんです。


そして、力尽き倒れる剣人をがっしりと受け止める理人様。
ナイスファイトです。


剣人「負けられねぇんだよ、俺は」


そんな剣人の気持ちを受け止めて優しく背中を叩いてから言います。


「俺もだ」


理人を振り返り、理人が自分に対して申し訳なく思っている表情を見てから力尽きる剣人。
剣人、よくやった＞＜
あんたのがんばりに感涙です！
そして、理人様が心を決めて下さったことに感涙です！


メイちゃんの存在に気づいた理人様は、驚いたけれど、メイちゃんに歩み寄り、穏やかな笑顔のＳランク執事に戻ります。
「こんな姿で申し訳ございません。
お迎えにあがらなかったこことも。
ですが、やっと目が覚めました」

すっと胸に手をやり忠誠を誓う仕草をする理人様。
その表情は、執事としての冷静さをかなぐり捨てた熱い思いがたぎっています。


「もう二度とメイ様のおそばを離れません。

すっと膝を折り跪く理人様。
万感の思いを込めて言います。


「私はメイ様の執事ですから」


膝まづいて手を差し出す理人。
そっと重ねられるメイちゃんのきゃしゃな手。
二人はしっかりと手を握り合う。


「おかえりなさい」


涙吹き出ました。
戦っている最中もうるうるしながら見てたし、理人様が剣人を受け止めてぽんぽん叩くあたりから涙溢れてたんですが、更にどわっと吹き出ました。


理人様は言葉にしなかったけれど、何があろうともメイちゃんのそばを離れず「メイちゃんを守る！」って決めたんですよね。

大きな理人様の手にちょこんと乗せられたメイちゃんの手が「大きく包み込んで守る者」と「元気で強いけど、でも守られるべき存在の者」の象徴のようで、なんか凄く胸に響くシーンでした。


「俺何やってんだよ」


何やってんだってサ。
メイちゃんを理人様から奪いに来たように見えて、実は理人様にメイちゃんを預けに来たんだよね。理人様に根性決めさせに来たんだよね。
でも、メイちゃんを渡したくない気持ちも捨て切れなくて、そんな自分とも戦ってたんだよね。
理人様が自分自身の気持ちと戦ってたのと一緒でね。


二人が幸せになった嬉しさと剣人の気持ちを考えると湧いてくるせつなさとで拳を握りしめ、唇を噛みしめてしまいます。
ほんっと、メイちゃんの執事はおもしろいです！！


そして、理人様、最高です。

「メイ様の執事ですから」
「おかえりなさい」

この台詞の間は胸キュンしっぱなしです。
もう若くないのでこれ以上心臓に負担を与えるのはやめてください＞＜


そして、理人様とメイちゃんの仲が元に戻った今なら声を大にして言える。
辛さに耐える理人様の表情も、メイちゃんを思ってせつなさに目を細める理人様も美しくてすべて胸キュンでした。
今回、理人様が薄暗い場所にいることが多くて、表情がちゃんと見えないじゃないかっと思いつつも、ダークな色合いに縁取られた理人様も美しかったです


来週はルチア様の本格的な攻撃が始まるようです。
本郷家の跡取りも決定？


今まで情けないとまで思われていた理人様を補って余るくらいの活躍を期待してます！