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24/12/23㈪12:45業界一給料が高い企業を作る。26年連続黒字の組織が貫く「あたりまえ」が本質すぎた

2024-12-23 12:44:59 | 米国株

【エジプト一人旅】エジプトで何もかも失いました。

業界一給料が高い企業を作る。26年連続黒字の組織が貫く「あたりまえ」が本質すぎた_BizHint様記事抜粋<社員数51名と小規模ながら、業界トップクラスの社員年収と創業翌年からの26年連続黒字を実現しているのが、横浜市に本社を置くさくら住宅です。その背景には、同社が創業以来徹底している「あたりまえ」の経営。そして、社員一人ひとりが圧倒的な当事者意識を持ち、自ら考え動く主体性あふれる組織がありました。「社員に1円でも多く給料を払いたい」と公言する創業者の二宮生憲さんに、盤石な経営と自律型組織を両立させる方法や、リーダーのあるべき姿について聞きました

株式会社さくら住宅 相談役 二宮 生憲(にのみや たかのり)さん

1947年愛媛県生まれ。法政大学卒業後、ミサワホームに入社。2年後、独立し注文住宅の会社を立ち上げる。その後、大手住宅メーカーの取締役を務め、1997年50歳でさくら住宅を創業。「人を大切にする経営学会」副会長。全国リフォーム合同会議代表理事。さくら住宅は、横浜市近隣でリフォーム業を営む。日本でいちばん大切にしたい会社大賞 審査委員会特別賞受賞。「カンブリア宮殿」などメディア出演多数。従業員数51名(2024年11月現在)、売上高10.1億円(2023年度)

金儲けのために作られた会社は、伸びるはずがない

――貴社は、創業翌年以来続く黒字経営と、業界トップクラスの年収の高さでも知られていますね。

二宮生憲さん(以下、二宮):はい。当社は、昨年度で26年連続黒字を達成しました。また、リフォーム業界では当社が最も給料が高いと自負しています。例えば、新卒採用で入社した社員の年収は、2年目で500万円を超える場合も。入社10年強では、700万円くらいになります。しっかりと経常利益を確保し、それを1円でも社員に還元したいと考えているからです。社員満足度も高く、ここ数年は正社員で離職した人はほとんどいません。

――なぜ、そのような経営ができるのでしょうか?

二宮:あたりまえのことを誠実にやっていれば、必ず利益はついてきます。人を大切にする経営学会会長の坂本光司先生は、利益は「神様のごほうび」だとおっしゃいます。逆に、金儲けのために作られた会社というのは、伸びるはずがないと思います。利益というのは、きちんとした経営をしていれば、おのずとついてくるんです。

それでは、「あたりまえ」とは何か。

まずは、約束をちゃんと守る。例えば、打ち合わせの時間通りに行く。1分前に到着しても、その時間まで待つ。見積書を出すと言ったら、必ず期日を守る。とにかく自分が言葉として発したことは、必ず実行すること。あと、挨拶をきちんとする。家に入るとき、玄関で靴を揃える。勝手に椅子に腰掛けない。打ち合わせが入っているのであれば、前日に連絡を入れておく。そういった、細かなことの積み重ねで信頼していただけるんです。

――だから貴社は「顧客リピート率80%超」なのですね。

二宮:それには、もう一つ理由があります。それは、どんなに小さな仕事でも困っているお客さまがいれば駆けつけること。小さな工事というのは、トイレが詰まった、電気がつかない、水が出ないというようなこと。ただ、そういった仕事ほど、お客さまが「いま」困っているんです。そしてその多くは、一人暮らしの方やお年寄りです。

当社の受注件数に占める割合は、小さな工事(平均3万4,000円)が47.9%です。売上で言うと3.1%。営業担当者がお話を聞き、現場監督が詳しく見て、職人さんが施工したら利益はほぼ残りませんね。ただ、そこで信頼関係ができることで「実はここも、あそこも」と他のお仕事をいただいたり、後日大きなリフォームの際にお声がけいただいたりするんです。

私も驚いたエピソードがあります。ゴールデンウィークに、泥棒に入られガラスを割られたお客さまがいました。営業担当者が電話を受けたものの、ガラス業者は休暇中で施工できない。それで、その営業担当者はホームセンターでベニヤ板と簡易錠を買ってきて応急処置をしたそうです。他にも、夜中にお客さまから「トイレが詰まった」と電話を受けた社員が、あわてて駆けつけたというエピソードもありました。

これらの行動、私たちが具体的に指導しているわけでもなく、マニュアルがあるわけでもありません。社員たちがそれぞれ、自分で考えて行動した結果なんです。そこまでしなくても…と思うケースもありますが、当社は本当にお客さま想いの社員が多いんですよね。だから、当社で施工したお客さまは、本当に恵まれているなあ…といつも思います。

――社員の方々は、なぜ自ら判断し動くことができているのでしょうか。

二宮:まず、社員たちには「会社は社会の公器である」ということを伝え続けています。具体的には、困っているお客さまを優先的に対応しなさい、と。特に、小さな工事ほどお客さまが困っていることが多い。だから、そういった仕事に対応したときほど感謝されます。社員たちも「小さな工事は、終わったあとのお客さまの表情が違う」と言います。お客さまのお役に立てた、という誇らしい気持ちも芽生え、仕事はお金のためにするのではないということを、身をもって経験しています。

当社の経営理念は「リフォームを通じて社会のお役に立つ」です。小さな工事で喜ばれることが、この理念を実現することにつながるんですよね。人の役に立てる嬉しさややりがいって、本当にお金には変えられません。むしろ、私は社会に貢献しない会社だったら無い方が良いと思っています。

二宮:ただ、過去には想いが社員に伝わっていないな…と感じることもありました。それで、社長の時代に、毎月社員とランチ会を開催することにしました。毎回、社長と4〜5人の社員で、他愛も無いことを話しながらご飯を食べるんです。そうやって、普段から近い関係性を築いておくと、例えば会社への要望などが言いやすいですよね。この取り組みは、13年ほど続いています。それ以外にも、普段から社員とは気軽にコミュニケーションをとってきました。

あと、定期的に私が「良いな」と思った書籍や新聞記事などを渡しています。それは、私と同じような感性を持ってほしいと思うから。強制するわけではないし、年代も違うから、私のすべてが正しいとは言いません。でも、「こういう考え方もあるよ」と伝えて、そこから何かを感じ取ってほしいなとは思います。

もちろん、全員がその考えを持っているわけではないですよ。言い続ければ変わる、というものでもありません。ただ、現在は大多数が同じ方向性で動いてくれていると感じています。

会社は社会の公器。これを、社員たちが身をもって理解しているから、困っているお客さまの元に夜中でも駆けつけるんでしょうね。こんな会社、日本中どこを探しても無いでしょう。本当に、みんな立派に成長したなと思います。当社の社員たちは本当に素直だし、何に対しても一生懸命です。この子たちがいるおかげで、今があると心から思います。

「ガラス張り経営」で育つ、社員の経営者意識

二宮:次に、「ガラス張り経営」についてお話しします。

当社は月次決算をしていますが、締めて1週間以内に、社員に状況を報告します。プラスのこともあれば、マイナスのこともある。マイナスのときには「こんな状況だけど、どうしますか」と社員に投げかけ、彼ら彼女らが自ら考えて動いてプラスになるように持っていきます。

――具体的には、どのような形で報告されているのでしょうか?

二宮:決算数字をプリントアウトしたものを一人ひとりに配布し、説明しています。それをみんなファイリングし、昨年の数字と比較するなどしています。

決算を社員に報告している会社でも、例えば口頭で説明したり「ここに格納しているから、見たい人は見てね」と個人の判断に任せたりする企業もあります。でも、公表するのであれば、一人ひとりに数字を渡し、10分でもいいから目の前で説明しなければいけないと思います。社長が直接説明するのがいいですね。現社長なんか、先月の売上、経費、今回の決算の大事なポイントまで、相手が理解できるまで詳しく説明するんです。ほんとに、すごいなと思います(笑)。この取り組みは、かれこれ20年ほど続けています。

そうすると「自分がこの会社の経営者である」という意識も育つし、いま何をすべきなのかが分かる。うちの社員は決算書が読めるから、この間、入社1〜2年目の社員がお付き合いのある会社で「貴社の利益余剰金はどのくらいですか」と聞いて、相手がびっくりしたとか(笑)。

あとは、入社から1年が過ぎた社員は当社の株を持ちます。今は、新入社員以外全員持っていますね。人数別の構成比で言うと、社員の株の割合が24%です。だから、当事者意識がより高くなるんですよね。

「絶対に値引きしません」経常利益の確保で、1円でも多く社員に還元

二宮:私が会社経営で最も大切にしているのは「1円でも多く社員に給料を支払う」「1円でも多く税金を払う」この二つです

結局、会社って経営者一人では何もできないんですよ。社員が一生懸命頑張ってくれないと、会社は成り立たない。だから、きちんとした対価を支払う。そして税金を払わない会社は、私は会社じゃないと思っていて。例えば、道路も橋も鉄道も、すべて税金でできているわけです。社会のインフラを整えるために、税金を支払うことは非常に大切だということを、経営者は理解しなければならないですね。

逆に「赤字」。これはもう、経営者にとっては罪だと思います。赤字というのは、社会にとって存在しなくてもいいということの表れだと思うから。

だから当社は売上ではなく、経常利益を重視しています。経常利益を確保することによって、社員への還元、税金を納めること、そして利益余剰金を残して会社の体質を安定させることもできる。当社は、何があっても2年間は会社を継続させられるくらいの余剰金をプールしていますし、自己資本比率は60%を超えています。コツコツ貯めてきたものが、会社の安定につながっているんです。

だから、社員には絶対に価格競争に走らないよう伝えています。提案するのは良いけれど「お願いします」は絶対にダメだと。

――リフォーム工事というと、相見積もりをとって安い業者さんに発注する、というお客さまもいらっしゃいますよね。

二宮:そういった場合は、お断りします。見積書をたくさんとって金額で決めるお客さまや、安さばかり追求される方はすべてお断りしています。もちろん、中には何社も見積りをとって「さくら住宅さんが一番高かった」とおっしゃる方もいます。「それでは、安い方の業者さんで施工してください」と帰ってくるのがうちの営業です。値引きは一切しません。逆に「契約してください、お願いします」なんて言ったら、すごく怒られますよ(笑)。

当社は、見積書を出すときに適正価格で出しています。つまり、値引きできない金額。もし値引きするとなると、工事の手間を省いたり、材料を安くしたりと、工事の品質を落とすことになる。お世話になっている職人さんの作業費も減らさなければならない。そんなこと、できませんよね。

―とはいえ、世の中には「値引きしてでも受注すべき」と考える人も多そうですよね。

二宮:うーん……。それは経営者の責任だと思いますね。だって、業者とお客さまは対等です。社員にも「対等に付き合いなさい」と日々伝えています。お金を出す方が偉いということは無い。経営者がそういう考えじゃないと、社員も仕事がしんどくなるし、楽しく働けませんよね。

――お客さまの依頼を断ることで、売上が下がることを心配する声も聞こえてきそうですが……。

二宮:そんなことは、100%ありえない。それは「言い訳」だと思いますね。そりゃ、今までどんな仕事も受けていて、急に断るようになったら一時的に落ちることもあるでしょう。でも、あたりまえのことを誠実にやっていれば必ず元に戻る。そう思いますね。

年収は年齢×15万円以上をベースに、年功序列

――先ほど、業界トップクラスの年収のお話がありました。どのような人事評価制度を導入されているのでしょうか?

二宮:当社に人事評価制度はありません。人が人を評価するなんて、できないと思うからです。私も会社員時代が長かったので、いろんな会社で評価を受けた側でしたが、納得いくものはありませんでした。結局、人が人を評価するわけだから、評価者が「かわいい」と思う人、そうでない人がいるのはあたりまえでしょう。少なくとも当社のような規模の会社は、評価制度は無くていいと思いますね。成果主義を導入し、社員同士を競わせても組織がギスギスしてしまい、良い結果が出るとは思えません。

ただ、全社での目標は設定していて、それをクリアしたらインセンティブを渡すようにしています。すると、例えば目標達成が難しそうなメンバーがいると、周りの人がフォローするなど、お互いさまの意識も生まれています。

――どういった指標で年収を決められているのでしょうか?

二宮:坂本光司先生が目安とされている指標が「年齢×15万円」です。だから、例えば40歳の人なら600万円。そこを、一つの目安としています。当社には、毎月の資格手当のほかに家族感謝手当、子どもの習い事補助、人間ドックなどさまざまな手当があります。私には、全社員の年収を500万円以上にしたい、という目標があります。かなり実現できているので、もう少しですね。

トップの姿勢が会社を決める 「あたりまえの経営」を貫いた相談役が語る、リーダーの3つの条件

――二宮相談役が考える、リーダーにとって必要なこととは何でしょうか?

二宮:私はいつも「正義感の無い人が経営者になってはいけない」と言っています。逆に、自分より社員のことを考え、常に正しいことを選択できる人がふさわしいと思いますね。例えばですが、人が並んでいるのに順番を飛ばすとか、そういうモラルの無いことをしてはいけない。

あと、経営者は自分のことを一番に考えたらいけない。社員や社会が良くなるためにどうすべきかを、まず考える。そうは言っても、私も知らず知らずのうちにそうなることはありますが……。例えば、社員に「お昼の弁当を買ってきてくれない?」と頼むと、「公私混同しないでください」と役員に怒られます(笑)。

あと、私はトップに立つ人の共通点は「勤勉である」「約束をきちんと守る」「恩を忘れない」この3つだと思っているんですが、特に大切にしているのが「恩を忘れない」ですね。仕事だけでなく、どんな人から受けた恩でも忘れてはいけない。

当社は、「感謝」と書かれたデザインのオリジナルハガキを作っていて。それを私だけでなく社員たちも、毎日のように出しています。お客さまだけでなく、メーカーさん、家族、親戚、知り合いでもいい。これからも、長くお付き合いしていきたいと思う人がいたら、出しなさいと伝えています。日々、誰かに「ありがとう」を伝えている感じですね。それによって、お客さまとも仲良くなるし、つながり続けることもできます。例えば、年賀状だけでつながっていたおばあちゃんから、20年ぶりに依頼が来たということもありましたよ。「いつも、気にかけてくれていたから」ってね。

二宮:お話ししてきたように、当社は何も変わったことはしていないんです。あたりまえのことを、コツコツ誠実にやってきただけ。でも、それでは社会は良くならない。特に、リフォーム業界のイメージは悪いままです。それで業界を変えようと、いま一般社団法人 全国リフォーム合同会議というものを立ち上げ、同じ志を持つ経営者たちと頑張っているところです。

基本的に会社というのは、トップに左右されます。黒字になったり赤字になったりする。言わずもがな、トップの考え方が非常に大事です。そして社員たちは、上に立つ者を見ていますよ。トップが一生懸命働けば、みんなその姿を見て働くんです。特に、中小企業はそれが顕著に現れます。

今日いろいろお話ししましたが、社長業というのは大変ですね。社長の使命は、社員とその家族。そして工事をしていただいている職人さんとその家族。そういった方々を、守ることです。だから、夜ぐっすり眠れるなんてことは考えない方がいいですね(笑)。私は社長業を次世代に譲りましたが、これからも社員たちに「あたりまえ」について伝え続けていきたいと思っています。

 



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