もう本当に忘れかけていました。 しかし、最近中国語学習が萎えそうになるのを奮起させるために、ちょっとお蔵にしまい込んだ陸の旦那に登場して貰う事にしました。
では、前回の最後の一行
「正に鬱憤を晴らすために玉碑盗んで行ったのだ!」陸小鳳は言った。
藍胡子は苦笑して「しかし、彼女のした事は些か惨忍過ぎきらいが有る。彼女は私がもしも玉碑を渡さなかったら、西方魔教門下の者が絶対に私を放って置かない事をよく知っているはずなのだ!」
陸小鳳は「愛の深さ、恨みの全て、彼女はあなたの命さえ欲しいのかもしれない!」と言った。
藍胡子は「しかし、私は彼女の命は欲しくない、ただ玉碑を返しに来て欲しいのだ!」
「お主は、彼女の行方を知っているのか?」陸小鳳は訪ねた。
「彼女はすでに関所を出て、本当は北へ行くつもりらしいが松花江の拉哈蘇の近くに留まりそこで冬を越すつもりのようだ」
「今はすでに10月、お主は俺に万里も離れた、あの寒くて人の鼻を凍らせて落としてしまう鬼のような所に探しに行かせるつもりなのか?」
「お主は、まず羊の皮を見つけて鼻をしっかり覆う事ができる」と藍胡子は言った。
陸小鳳は黙り込んだ。
藍胡子は「もしもおまえに何か意見があるのなら、話してみんなと相談しても良いぞ!」
陸小鳳は考えながら呟くように「俺にはただ一言だけ言いたい事がある!」
「ただ一言?」
「その言葉はただ二文字だけだ」
「二つの字?」
陸小鳳「再見!」そう!日本語だと[あばよ!」
二文字を言い終わると、彼は立ち上がって歩き始めた。
藍胡子は意外にも彼を邪魔することなく、逆さに微笑みながら「おまえは本当に行くのか?送らんよ、送らんよ!」と言った。
彼が送りたくても間に合わない、陸小鳳はまるで脱兎のごとく逃げ出す様にとっくに飛び上がって出て行ってしまいました。
門の外には2人の大男が木偶の坊のように立っている。ただ聞こえるのは方玉飛が家の中でため息をつきながら「こんなに良い酒を飲まずに放って行くなんて、実に惜しい!」
方玉香は冷たく「丁寧に勧められる酒は断り、無理強いされた酒は飲む、そんな生まれつきの下司野郎がいるのね」
と話し声が聞こえた。
陸小鳳はただ聞こえない振りをした。