庭を見ると、年中いつでも咲いているような花。
終わったなと思ってもその花の脇や下にいくつもの蕾をふくらませて、順番待ちのように咲きたがっている花。
ミニバラはわずか花径5㎝くらいのコンパクトなわが家のアイドル。咲いてない時を見つけるのがむずかしいくらいに、いつでもその笑顔を見せていてくれる。ミニバラってこういうものなんだと改めてそのありがたさを思うこの頃。
肥料をあげて、乾燥させないように水をやり、特に夏の間は水を毎日かかさない。日当たりと風通しがよければ、あとはおまかせコース。花が終わりかけたら、その下5~6㎝くらいの部分を切るだけで、次の花が出てくる。葉の上で切るのが、次の花を咲かすコツだろう。
群馬県のとある温泉でバラ湯に浸かったことが何度かある。
紅葉の時のその湯舟は、まわりの赤と浴槽の赤とがマッチして、それは見事だった。このバラたちがもし乙女だったら、私は何人の美人と同時入浴を楽しんでいるのだろうと思う気分はまんざらでもない。贅沢きわまりない昼間の入浴であった。美人バラは私をどう思ったかは知らないが。
きれいな花もすてきだけれど、飾るのにはバラの香もいい。
ラベンダー、ジャスミン、ゼラニュームや金木犀、くちなしなどの香りは、そこを通っただけで心を豊かにしてくれる。
花を選ぶ場合、美しさや形や色に目がいきがちだ。でも、香りも少しは頭に入れてみようと思う。
そのバラをわが家では、鉢は面倒だと思い、地植えにしている。
病害虫には気をつけているが、あとはさほど気を使わず、のんびり子育て気分の毎日。大きな子を育てるための間引きがかわいそうで、小さくもたくさんの蕾が寄り合っている。
赤い小さな美人たちに虫が付かないよう、気を使いながら。
「季節の花(42) ミニバラ」