あべっちの思いをこめた雑記帳

旅先での松葉菊とパッションフルーツジュース

 プランターに2ヶ月くらい前から松葉菊が咲いている。
 毎年のことではあるが、今年もまたきれいに咲いてくれたなと思う。何よりも花期が長く、初秋まで楽しめるというのがうれしい。
 この松葉菊を気にするようになってもうどのくらい経つのだろうか。長男があと数日で2歳になろうとしているあの夏のことだったとたしか思う。その時からわが家の花の仲間入りとなっている。

 そもそもこの松葉菊をわが家で育てることになったのは、とある旅行がきっかけ。着いた空港にはブーゲンビリアが咲いていた。迎えの車で予約したホテルに行き、広々としたロビーで社長さんや支配人さんの出迎えを受け、その時にあたり一面に目にしたのが松葉菊であった。
 予想もしていなかったその花の印象の強烈だったこと。南国のイメージとしてはまるで予期していなかった花だったので、真向いからのインパクトは逆に脳裏に焼きついた。
 これがもしブーゲンビリアやハイビスカスだったら、きっと今となっては忘れてしまっていたかもしれない。

 そういうことは、着いた時の飲み物にも言えた。
 真夏の暑い日だったのでアイスコーヒーかなと思ったら、出されたのはジュース。しかも飲んでみるとまったく何かわからぬほどの、初めての味であった。
 名前を尋ねると、パッションフルーツジュースと教えてもらう。南国らしく、そのイメージも味も、旅のウェルカムドリンクにはふさわしいというか、まさにグッドタイミングの飲み物であった。

 人は旅先で思いがけない風景や物に出会ったりすると、予想していたものを見た時よりもさらにインパクトを強く受け、いつまでも覚えていることがある。
 初日の料亭での夕食時の、地元太鼓もそうだった。響く音と、その姿に、息子は大はしゃぎ。

 この地へは仕事を含めるとそれが4度目の訪島であったが、今回の4日間の滞在は、島の人たちのあたたかいおもてなしにより、今でも「忘れ得ぬ人々」としてくっきりと、私の心に焼きついている。
 そしてその人々は「忘れ得ぬ旅」へとつながっている。
 旅の一番の楽しみは、人との出会いや再会にあるのかもしれない。


      「心に残る旅(18)旅先での松葉菊とパッションフルーツジュース」

 

    八丈島の海

「ウミ ウミ ウミ」
どちらを向いても 海
だから ○○の口からはウミばかり

たくさん見られてよかったね
パパと一緒に水に入れてよかったね

○○よ
八丈島の海って すごーく広いだろう
八丈島の海って すごーくきれいだろう
底土というところで 今日は思いきり遊んだのだよ

たったの一日で海の楽しさを覚えてしまった
ついでにあせもも治るといいね
     昭和54年8月27日 「○○の詩 NO.401」
 

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