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炎上商法はマスコミじゃないのか?-椎名林檎 NHKサッカーW杯テーマソング-

2014-06-22 14:05:00 | 音楽

 選手たちの熱い4年間の集大成を惜しみなく発揮すべく、今盛んに熱戦が繰り広げられているブラジルの地。

 日本から盛大に応援しよう!サッカーW杯を盛り上げよう! という主旨で テーマソング という存在があるのだろう。

 今大会のNHKテーマソングは、椎名林檎(作詞・作曲・歌)の「NIPPON」だ。

 が、この 歌詞 が、随分と 物議を醸している。

 その中でも今回は、NEWSポストセブンの記事について取り上げてみたい。また、椎名林檎側の思いを載せた オリコンスタイルの記事も引用してみることにしよう。


 参考記事:

 椎名林檎はW杯テーマ曲「NIPPON」で炎上商法を仕掛けたのか  (NEWSポストセブン)

 椎名林檎、「NIPPON」制作秘話語る (オリコンスタイル)


 NEWSポストセブンはコラムニストの「オバタカズユキ」氏の執筆によるものだが、私の個人的な結論からいくと、「過剰反応しすぎ」だと感じた。そもそも、この方ご自身が「左寄り」なんだろうか?
 オバタカズユキ氏に限らないが、マスコミは随分と「右傾化の心配」をしているんだが、マスコミ事態が左寄りなところが多い。

 あらためて歌詞を検索して読んでみると、なるほどその出だしからして、〈万歳!万歳!日本晴れ 列島草いきれ 天晴〉と右寄りの人に好まれそうな単語の羅列になっている。〈この地球上で いちばん 混じり気ない気高い青〉という箇所も、サムライブルーに過剰な意味づけをしている。 (記事引用)

 「この地球上でいちばん混じり気ない気高い青」で、サムライブルーか…?
 まぁ、連想しない確率がなくはないんだけど、混じり気ない気高い青 から、私は地球上の空をイメージした。海でもいいけどこの歌の構成からいくと、歌詞の途中に 「広大な宇宙繋がって行くんだ」という言葉がある。となると、海ではなく空だとするのが妥当だ。

 後半に出てくる〈淡い死の匂い〉や〈あの世へ持って行くさ〉という表現に対しては、「神風特攻隊を連想させられる」と危険視する声がある。私にはそこまでの連想力がないけれども、安倍政権下での日本の右傾化を心配している人がそのように警戒するのは理解できる。 (記事引用)

 神風特攻隊を持ってくるのは、かなり無理やりな気がするが、これは、オバタ氏の感想ではない。そう感じている声があるということなんだが、要は「安倍政権の右傾化」を言いたかったのだろうなと。椎名林檎の歌詞で、安倍政権を引っ張ってくるあたり、マスコミだなぁと思う。(安倍政権に100%賛成ではないけれど、そもそも、民主政権下では左傾向がかなり勢いを増して、結果その後の日本はどうなった?って私は言いたいが…。)

 椎名林檎は、

 一部ネット上では、同曲の歌詞の内容が物議を醸したが、それには言及せず。「最前線で戦う方だけにわかる、『ここを逃したら死ぬしかない、死んでもいいから突破したい』っていう気持ちはどんな分野にでもある。その瞬間だけを苦しむんじゃなくて、楽しもうという気分を切り出せば成功するだろうと思い、頑張って取り組んだ」と力を込めた。 (記事引用)

 と、制作における思いを語っているが、これは彼女ならではの表現でしょう。

 更に私なりの歌詞の解釈をすれば、一部分の言葉だけを取って「やれ右傾化」だの「やれ問題だ」だのって騒ぎたてるのは、ちょっと違うと思う。




 先ほどの 〈淡い死の匂い〉や〈あの世へ持って行くさ〉 が、どういう言葉の繋がりの前後があるのかを見ていくと、

 ほんのつい先(さっき)考えて居たことがもう古くて
 少しも抑えて居らんないの
 身体まかせ 時を追い越せ
 何よりも速く確かに今を蹴って

 噫また不意に接近している淡い死の匂いで
 この瞬間がなお一層 鮮明に映えている
 刻み込んでいる あの世へ持って行くさ
 至上の人生至上の絶景

 ※歌詞引用

 
 ほんのついさっき考えていたこと…試合運びや、チームメートとのパス回し、どこにボールをあげるか等の戦略。

 もう古くて…サッカーの試合はスピードが命。一瞬一瞬で状況が変化していくから、「コンマ何秒単位」で周囲の状況を把握しなくていけない。「今考えていたことは、もう古い情報(状況)」になってしまうということ。

 噫…ああ と読む。ああを漢字で書くと代表的なのは 嗚呼 だろうか。喜びや悲しみを表す感嘆詞。ここでは前後の歌詞の繋がりからして、ため息といった感情の「ああ」として使われている。

 また不意に接近している淡い死の匂い…せっかく考えていた試合運びも、一瞬のスキをついて相手方の戦略にはまりかける。ここを切り抜けなければ、試合を有利にもっていけない、場合によってはリーグ戦を突破することが出来ない、さぁ、どうしよう?どうする?というギリギリの状況が、近づいている。すぐ目の前にある。

 この瞬間がなお一層 鮮明に映えている…淡い死の匂いの節に続く言葉で、このギリギリの状態、光景が嫌というほど目の奥にこびりついている。逃げられない。直視しなくてはいけない。

 刻み込んでいる あの世へ持って行くさ…こうなったら、立ち向かうしかない。やるしかない。進むしかない。それなら、このギリギリの状況は、天高くぶっ飛ばしてしまえ。モヤモヤしてても泣いても仕方ない。

 至上の人生至上の絶景…ワールドカップは五輪と同じ4年に1度の大事な大会。代表メンバーに選ばれないことには出たくても出られないのが、W杯だ。これは、人生において「絶景」以外の何と言おうか?誰でも経験出来る舞台じゃないんだ。そこに自分はいる。自分たちはいる。その大舞台で、ギリギリの状況を経験するも、ワクワクの思いを抱くも、これはまさに人生至上の絶景であると言える。


 というのが、私の勝手な解釈なんだが、せっかくなので最後まで続けてみよう。


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 追い風が吹いている もっと煽って唯(たった)今は
 この地球上で いちばん
 混じり気の無い我らの炎
 何よりもただ青く燃え盛るのさ



 追い風が吹いている…状況が一変して、ギリギリの状況を打破しようとしている。風はこっち向きだ!

 この地球上で いちばん 混じり気の無い我らの炎…「混じり気のない」。つまりチーム全員一丸となって相手方に向かっていっている。「炎」はチーム全員の熱い思い。いやチームだけじゃない、監督も、スタッフも、サポーターも。誰一人足並み乱すことなく、勝利に向かって前進している気持ち。

 青く燃え盛るのさ…天高く、気高い青い空に向かって、「炎」は熱く熱く。


 特別、椎名林檎のファンではない。けれど、歌をつくる人の思い には、素人なりに敬意を込めて思いを馳せたいというのが、私の考え方。これは、言葉を大事に綴ってきたASKAを応援してきたファンである部分が、そうさせているのかも知れない…。

 歌詞を見れば、言葉の繋がりを見ていけば、作者がどんなことを思い、どんな景色を思い浮かべながら歌を完成させていったのか、多少は見えてくるものがあるはずなのだ。僭越ながら、椎名林檎は椎名林檎なりに、熟考に熟考を重ねて、この歌を完成させていったのだと、歌詞の言葉達から、少なくとも私にはその「足跡」を感じることが出来た。

 じゃぁ 歌のタイトルがなぜ「NIPPON」なのか…おさらいしておくが、NHKのサッカーW杯のテーマソングなわけだ。日本代表の応援に限ったテーマソングではない。「NIPPON」としたのは、NHKが日本の放送局だし、そのNHKがW杯をはじめとするサッカー番組で使っていくということだから、椎名林檎は特に「日本代表応援限定」で制作したわけではないと思う。例えば、アメリカの放送局でテーマソングを決めました、タイトルは「アメリカーナ」です、といったところで、アメリカの放送局で流していくテーマソングだから、特にクレーム入れる必要もない と思うが…。何故そこまで、この歌を問題視するのか分からないが、逆に「どれどれ?椎名林檎?聴いてみようかな?」とサッカー番組見ない人でも歌は聴いてみようという人が出てくるかも知れない。

 
 ひさしくヒット曲から遠ざかっているので、実はちょっとした炎上商法を仕掛けたのかもしれない。いや、そもそもインテリ好みのブンガクっぽい言葉遊びを得意とする作詞家でもあるから、このたびのテイストは三島由紀夫でいくかな、くらいの軽いノリだったのかもしれない。 (記事引用)

 って、おいおいとツッコミを入れたくなる。ひさしくヒット曲から遠ざかっているなんて余計なお世話だと思うが…。
しかも、炎上商法って、椎名林檎が?それは、マスコミの方だと言いたい。

 プロのライターの方は、言葉でお金を貰っているわけだから、もう少し「敬意」を払って記事にしてもらいたいと切に願う。ま、最も、何の話題にもならない歌より、これだけマスコミに「盛り上げて」もらっているということは、椎名林檎の言葉の持つ力や情熱が「響いて」いる何よりの証だろうと思う。

 安倍政権の右傾化を一番「危惧」しているマスコミに、何やかんや言われてもな…。チャゲアスをボロカス叩いたことも忘れてないゾ、念のため…。



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 椎名林檎、天晴!

椎名林檎 - 『NIPPON』




 

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2 コメント

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祝新ブログ開設 (テリー横田)
2014-06-23 13:05:09
や、新ブログ開設、おめでとうございます。♪

この椎名林檎の曲、「炎上商法」は言いすぎかもしれないけど
「思想的に右だとか騒がれるかもね。笑。」ってなことは、本人&スタッフ、
じゅうじゅうわかって、折り込み済みで、発表したんじゃないかと思うんです。
そういう意味では、プチ確信犯、プチ炎上商法かもしれませんが。

でもこれが右傾化と騒ぐのは愚かですよ。
「死のにおい」とか、退廃的なイメージは、もともと彼女が持っていたもの。
昔から彼女の音楽を聴いて居れば、こうはならない。
聴いてない証拠で、音楽に対するセンスが無い証拠ですよ。

今後も楽しくブログやりましょう♪
返信する
ありがとうございます! (y-loveroseやっち)
2014-06-24 22:31:47
いやぁ、テリーさん、ありがとうございます!

スポナビがいかにアクセスが多いか(ジャンルにもよりますけど、フィギュアスケートは特に)、実感してますよ(;'∀')

初めて、人気ブログランキングにも登録しましてね(笑)。
gooブログ、使い勝手がいいのか悪いのかまだ分からないんですけど、まぁ、ゆるりやっていきますよ。
(アクセスカウンターがないのがねぇ。。。ブログパーツにもないんですよ。Javaが使えないらしい…。)

>「思想的に右だとか騒がれるかもね。笑。」ってなことは、本人&スタッフ、
じゅうじゅうわかって、折り込み済みで、発表したんじゃないかと思うんです。

あぁ、そうかも知れませんね。
これだけの歌詞を書く方ですから、感性鋭いでしょうし、予測はついてたかもですね。

>でもこれが右傾化と騒ぐのは愚かですよ。


全くですね。何で、神風特攻隊が出てくるんだか…(-_-;)

あれでしょ、マスコミは安倍政権の右寄りが気にいらないんですよ、えぇ。
そこに無理やり紐づけてくれちゃってるみたいな気がします。

今回の記事、結構力入ってしまったんですが、改めて、椎名林檎の感性って、凄いなって思いましたよ。
この発想力ね。

>今後も楽しくブログやりましょう♪

ありがとうございます。

なかなかコメントこないなぁ~なんて思っていたところにテリーさんから、第1号のコメント。
嬉しいですよ~~。

まぁね、スポナビの私の読者さん達は、基本フィギュアスケートが好きなわけですから、こちらのブログは、私の時にマニアックな音楽思考や嗜好が出ますから、全然ジャンル違いますしね(苦笑)。

まぁ、ゆるりといきますよ。

シーズンオフ中は、こちらがメインになると思いますので、よろしくお願いします。
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